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始末屋だった俺に新しい家族が出来た。  作者: 焔伽 蒼
第四話 休息後の家族行事
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Target032「休校」



【4月14日(月) 10時30分】



「え、てことは開校日未定なの……?」


『うん、体育館爆破による地下の要塞学園には大した被害は無かったんだけどね。ただ、日向側の陽西としては〝爆発事故〟の起きた学園に生徒を登校させるわけにはいかないってお父様が……』



俺は休校の知らせをニュースで見てから、直ぐにユミに電話をして、確認を取っていた。


ユミは霧島雲雀校長の一人娘だ。学園での事なら何でも知っていると思い連絡した。


そこで知り得た情報は、休校が本当の事で、それがいつまでなのかと言うことが判っていないこと。

そして、体育館爆破の件は〝事故〟として片付けられていること。聞く限りでは雲雀校長は、今回の体育館爆破は日陰者の仕業とほぼ核心しているらしい。

誰がまでは俺達(終末の宴)の工作により特定は出来なかったようだが、それでも爆破が日陰者によるものと断言するには理由があった。

それは爆破の仕方によるものだ。


俺達は周りに被害を出さないようにと、周囲に爆音や騒音で迷惑をかけないように気を遣い、〝静的破砕材(せいてきはさいざい)〟と言う爆弾のような高速燃焼させるのとは違う、時間を掛けて膨張し破砕する特殊薬剤を使用した。


それが仇となった。ただのテロリストなら、やはり火薬を使用するだろうし、事故でもこんな〝爆破解体〟されたかのような綺麗な崩し方はしないと言うのが結論だ。


つまり、俺達がやった〝体育館のみを狙った爆破〟が、看破されたのだ。


そこから雲雀校長は推測したのだろう。


爆破した奴等には、体育館を爆破する意味・もしくはしなければならない理由があったのだと。



「でも災難だよねー。レイジ、せっかく学園に馴染めて来たと思ったら、いきなり休校なんだもん。変な人達にも襲われるし」



変な人達、イゴール姉弟のことか。今回の爆破で唯一疑われるべきだった相手。でも疑われなかった。それはニコライがスナイパーに殺害されてから、ヴェーラは弟の身体と共に消えて、翌日二人とも遺体で発見されたからだ。

当然、体育館は調べられた。その際に異常がなかったのも理由の一つになっている。あの二人の件は、坂本零弐に怨みを持った個人的な復讐として片付けられたのだ。

もうちょっと調べなくて良いのかと、要塞学園の調査能力に心配が生まれたが……まあ、今は他に心配な点があったな。



「俺って馴染めてたのか!?」



まるで余所者が来た!味見してやるぜ!みたいな感覚で、決闘吹っ掛けられてた気がするが。



「馴染めてたよー。みんな楽しそーにしてたじゃんっ」


「そうなのか……?」



俺は最後まで納得出来ないでいた。

学園に来てから戦闘しかしてないような気がするからだ。



『新しい情報が入ったら、レイジに直ぐ教えるよー』


「ああ、頼む」


「ねぇ、お兄ちゃーん。今日学校ないんだよね?」



台所から伴音の声が飛んできた。



「ああ、そうだよ。しばらくは休みになりそうだな」


「じゃあじゃあ!ご飯一緒につくろー」


「ご飯か。わかった。後で行くよ」


『……誰かいるの?』


「ああ、妹だよ。俺には二人の妹がいるんだ。一緒に暮らしてる」


『なんだ、妹さんだったかー。いつか会ってみたいなぁ』


「ん? じゃあ、今度ウチに来るか?」


『え!良いの!?』


「え……ま、まあ構わないが」


『ありがとー。にしてもレイジ、妹さん達に話す時の声、優しい感じだよねぇ』


「そうか?」



気にしてなかったが……そんなに違うものだろうか。



『遊びに行って良い日取りが決まったら教えてねー』


「わかった」


『じゃねー!』



電話はそこで切った。



「さて、飯を作りに行くか」



伴音のいる台所に向かう。時間は18時過ぎ。今日は葉月が病院から自宅に帰ってくる日だ。


伴音と俺の企画で祝おうと、このぐらいの時間から、夕食の準備を始めている。


にしても俺がプレゼントしてあげたエプロンを、装備してくれている辺りが嬉しく感じるな。



「エプロン、使ってくれてるんだな」


「えへへ、似合ってるでしょー。大切な宝物だもん」


「そ、そうか……」



こうも率直に言われると照れるな。



「早く準備しようぜ」


「そだね。とりあえず、チキン買ってきた!」


「フッ、俺はケーキを買った!」


「さらにお赤飯を用意したよ!」


「さらにさらに豪華絢爛カニ三種盛りだ!」


「まだだよ!お鍋の準備をしました!」


「なるほど!カニの出汁鍋が作れそうだ!そこに俺は神戸松阪牛を出す!」


「わあ!豪華だね!」


「絢爛だな!」



ガシッと伴音と腕を組んで、ガッツポーズをした。何やらテンションがおかしな方向に上がっているが、気にする必要はないな。



「さあ祝いだ!」


「だー!」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



葉月は帰ってから、唖然としていた。

それは机の上に広がる高級料理の数々。

金銭だけ考えれば、軽く十万を懸かるんじゃないかと思われるその圧倒的質量。


ふふ、ビックリして当たり前だろう。



「「お帰り!さあ、食べて!」」



葉月は食卓の料理と、俺達の笑顔を見た後、苦笑気味な笑顔で答えた。



「……ごめんなさい、食べ切りません」



そんな言葉を聞いた時、俺達は我に帰る事が出来た。



『To Be Continued』

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