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始末屋だった俺に新しい家族が出来た。  作者: 焔伽 蒼
第三話 襲い来る刺客
27/32

Target027「開幕」



【4月11日(土) 12時50分】



葉月が跳ねられた。


なぜ?


俺が日陰のいざこざに巻き込んだせいだ。


俺を助ける為に葉月が身代わりになったからだ。


日向生活に甘えて、腕を(にぶ)らしたからだ。


そもそもに俺が日向で生きようと思わなければ……。



「お兄ちゃん、大丈夫……?」


「ああ……」



今は伴音と一緒に病院のロビーに座っている。


葉月は一命を取り留めた。


それも伴音が咄嗟の機転で、カバンから出して投げ放った開発道具〝ふくれるよ君〟のお陰だ。


強い衝撃を受けると、中に詰め込まれた高圧縮空気袋が解除され、一瞬の内に中の衝撃吸収材と共に膨れ上がるもので、葉月はその際に車との衝突ダメージはなく、ただ反動で吹き飛ばされて、地面を転がった時の打撲だけで済んだ。


意識もはっきりしていて、今は精密検査をしているだけで、2、3日の検査入院で済む程の軽傷だった。



「伴音……本当にありがとう……葉月を救ってくれて……!」



気付けば涙が(あふ)れていた。誰かのために涙を流す、そんなことがあるなんて思ってもみなかった……。


人の生き死にはいっぱい見てきた。その内に感覚が麻痺し、特に何かを感じることは無くなったのだが……。


それを思い出させてくれた葉月と伴音には、本当に感謝する限りだ。


━━━そして、そんな大切な人達を巻き込んだ奴等を、俺は決して許さない。


SDカードの中身は、保険証や入院セットを取りに帰宅した際に確認した。


そこにはヴェーラ達に依頼をしてきた内容と、俺を殺すよう雇われた刺客達の情報が入っていた。


見る限り、雇われた抹殺屋が三組・始末屋が一組・保険で捨てゴマが一人か。各々が連携を組んで対処せよと書いてあるが、絶え間無く攻撃をしてくる戦法は連携と言えるのだろうか。


確かに最後の保険攻撃では、かなり危ないところではあったが……。捨てゴマと明記されているだけあって、葉月を跳ねた男は病院に搬送途中で血を吐いて死んだ。毒薬を飲んだか、あらかじめ飲まされていたか。



(始末屋はイゴール姉弟の事だろう。抹殺屋は映画館内で襲ってきた針の男とカップルを偽装した男女……そして、あのスナイパーか)



データには刺客達の細かい情報はなかった。

やはり協力が必要だよな。敵を探る情報面としても、葉月と伴音の安全面としても。



「伴音、ちょっと飲み物買ってくるよ。何が飲みたい?」


「オレンジのみっちゃん!」


「わかった。ちょっと待っててな」



俺は売店━━━を通り過ぎて、外へ向かう。そして、iPhoneを取り出す。


この手だけは使いたくなかった。せっかく日陰と縁を切ったのに、再び日陰世界に足を踏み入れてしまうからだ。


俺は帰還者だ。一度日陰に染まり、再び日向に戻った者の蔑称(べっしょう)


日陰世界において帰還者は弱き者として煙たがられる。まして、その帰還者が今度は日陰に再び戻るともなれば、俺の評判は最悪だろう。腑抜けと思われるに違いない。



━━━だが、奴等は触れてはいけないモノに触れた。俺は奴等を許せない。後顧(こうこ)の憂いを断つ意味もある。


迷う理由等ない!電話の発信パネルを押す。間も無くして、電話相手が出た。



「坂本零弐だ。悪いんだが、頼みがある! ああ、そうだ。詳細は夜に専用コードから電話する」



俺は念の為、盗聴対策等の設備がある自宅で折り返す事にした。



「さて、久しぶりの宴だ……!」



殺気に呼応したのか、木々や鳥達がざわついた。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




【4月12日(日)16時30分】



NOside



「見付けた」



スナイパーはビルの屋上にて、モール街を歩く零弐に狙いを定めた。

依頼は週明けまでに、坂本と言う男の暗殺である。今朝から零弐の動きは見張っていた、もっとも人が少なく隙を見せる場所。

それがあのモール街である。

16時には全ての店が閉まり、30分も経てば通行目的の人間しか居なくなる。さらには、人目につくような場所での襲撃はないだろうと言う裏まで突いたベストショットな暗殺ポイントだ。



「坂本、今度は銃弾を斬る前に撃ち抜く。 どのみち、今回のライフル弾は95口径の〝JDJ〟を持ってきたから、例え反応出来ても気力強化ナイフごと仕留めれる!」



ガシュンッと弾を三発装填する。95口径はその威力の高さ故か、反動も大きい。


スナイパーライフルで一度に撃てるのは三発まで。それ以上は銃の方が壊れてしまうからだ。



「他の〝三組〟には悪いが、この依頼俺が貰った!」



『To Be Continued』

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