Target010「家族会議」 二桁記念!特別増大話
「えぇ……それでは、第一回家族会議を開催します」
最後の養子でもあり、実質新長女になった葉月と新次女の伴音を加えて、食事をしながら家族会議を行うことにした。
ちなみに冷めかけた料理は、俺が葉月と話しながら部屋へ案内している間に、伴音が温め直してくれていた。
出来る子だ。兄として鼻が高いな(もはや熟練の兄気取り)。
ちなみに葉月からは、最初から呼び捨てにして下さいと言われ、俺も敬語はしなくて良いと言ったのだが、年下以外には敬語で接するよう教育されたらしく、そこだけは無理に言うのは止すことにした。
「とりあえずご飯を頂こう」
「は、はい!」
「お口にあうと嬉しいけど……」
俺と葉月はまず手近な所にある煮物を食べた。そして、感激した。
これは……! かつおと昆布を効かせた甘い出汁が大根とがんもに良く染み込んでいて、かつ長い時間を寝込ませたかのような柔らかみ、身体すらも温まるこの料理に文句の付け所などある筈もなく!
「最高だ!」
「美味しい……っ」
葉月は目を輝かせて、大根を片手で垂れが落ちないようにしながら上品に食べていた。
確かに美味しかった!
「良かったぁ~」
「凄いな、伴音は。その年でここまでの料理スキルを持っているなんて」
そもそも、さっきの発明品も凄すぎるのだが……まあ今はツッコマないでおこう。
それから食事を堪能した後に、話を切り出した。
「さて、これから一緒に住むに当たって、決めないといけないことがある。それは互いの生活スタイルの把握と、ご飯の支度についてだ」
この2つは互いの事を知る意味と、生活リズムを把握し、互いに譲歩し合いながら合わせていく必要があるからだ。
「はいっ!グンソー!」と伴音が冗談混じりに手を挙げた。
「うむ、なんだね? 伴音君」
「その任務、ともね一等兵が受け持つであります!」
なるほど、確かに伴音の料理ならば毎日食べても飽きなそうだ。
あの腕ならば、軍曹である俺を越して大佐でも問題ないだろう。一等兵だなんて過小評価にも程がある。
「良かろう。期待しているぞ、伴音一等兵」
「はいであります!」
敬礼してノリノリの伴音だった。なんか良いよな、こういうの。頬が緩む。
「因みに葉月は料理出来るのか? 俺は出来るぞ!納豆ご飯と卵がけご飯をな!」
かっこよくもない事を精一杯カッコつけてみたのだが、葉月の反応は予想とは違うものだった。
「すごいです……! 卵の殻はどうしているのですか?混ぜる際に跳ねる納豆はどう対処しているのですか??」
「え……? いや……普通に殻は割る際に入らないよう気を付けているだけだし、そもそも納豆って跳ねるっけ!?」
余りの予想外な返しに、俺は質問を質問で返していた。別に間違ったこと、聞いてないよね!?
なのに、この驚きとこの尊敬に満ちた瞳は何!?
「凄いです……幼い伴音ちゃんに加え、男の人であるれい━━━兄さんまで料理が出来るなんてっ」
「いやいや俺のは料理ってレベルじゃないから! 後、無理に兄と呼ばなくても良いからな?好きに呼んでくれ」
気を遣って呼びやすい呼び方にしてあげようとした。
葉月は少し頬を染めて、軽く右手を胸の辺りまで挙げて遠慮がちに答えてきた。
「あの……私昔から兄に憧れてて……その……兄さんとお呼びしたいです」
遠慮がちな小さな声が、特に最後の言葉ではコソコソ声並みに小さく、聞き取れなかった。
まあ、唇を読んで言葉は理解しているけど。
「構わない。でも兄さんか~、なんか新鮮な感じがするな」
「そうでしょうか……?」
「むぅ……」
俺達のやり取りを席上の正面で聞いていた伴音が、なぜかむくれていた。
因みに隣は葉月で、伴音の隣は空席となっている。伴音は料理を運ぶ都合上、流し台の近くとテーブルの空間に余裕が欲しいと聞いたので、こういった席位置になった。
四人席のテーブルを客用として買ったが、活用出来る日が来て良かった。
「ともねは?」
「ん?」
「はい?」
「妹は嬉しくないの!?」
「あ……」
そういう事か。 葉月が兄に憧れていると言ったから、何も言われなかった妹は嬉しくないんじゃないかと、葉月に対して伴音は不安になったんだな。
「そんなことないよっ。 私、妹も欲しかったって思ってたもん」
葉月は伴音の頭を撫で出した。「はぅ……」と嬉しそうな声を出して、葉月に抱き着いた。
「ともねも一気にお兄ちゃんとお姉ちゃんが出来てうれしいんだよ!」
「あわわ……っ。 に、兄さん、どうしましょう……伴音ちゃんが凄く可愛いですっ」
「うむ、確かにな。 だが、触れ合いは一旦置こう。そろそろ家族会議を進めないか?」
「あ、そうですねっ」
「食事はともねが受け持つでいいんだよね?」
「そうだな……俺に任せると栄養バランスが偏るし、葉月もさっきの言い方じゃ作れないんだろ?」
「はい……お恥ずかしながら」
「てことだ。 頼めるか?伴音」
「まっかせてー!」
「料理の件は決まった。次に行動範囲の把握だ。俺は基本、平日は夜は学校で帰って来るのは23時を過ぎる。だが昼から午後は家に居るから、自由時間だったりバイト等をしていたりする。因みに午前中はトレーニング等をしに外へ出るから、家には居ない」
「ともねは8時から14時まで学校行ってて居なくて、帰ってからはずっと家にいるよ。家事とかやっておくね」
「あ、私は横浜にある定時制の高校に行っているので、8時から12時まで学校の日と、8時から14時30分まで学校の日があります。それからは直ぐに帰宅しますので、私も家に着いてからは家事を手伝います」
三人が一通り予定を言い終わると、食事と家族会議もちょうど終わり、皆で後片付けをしながら談笑し出した。
「あ、お兄ちゃん。お皿は洗い終わったら、綺麗に乾拭きしないとダメだよ」
「そうなのか? 今までは食器入れに放置だったからな~」
「兄さん、拭き終わったお皿はどの棚にしまえば良いですか?」
「ああ、それなら右奥の棚で頼む」
「はい」
「それにしても葉月、横浜まで行くの大変じゃないか?」
「そうだよね。いくらここが東京の神奈川よりに位置しているからと言っても、電車で一時間半だなんて遠いよね」
「それは大丈夫です。私、早起きは得意ですし、電車乗っている間も……その、小説を読んでいたり出来ますからっ」
「お姉ちゃん、小説読むんだ!すごいね!」
「え? そんな凄いことじゃ……」
「どんなの読むんだ?」
「ともねも気になる!」
「あ……そ、それは……」
どうしたのだろう? 葉月が恥ずかしそうにしながら、言葉を言い兼ねている。
「その……これです……」
((持ってた!?しかも、今ポケットから取り出した!))
俺はそのやたらカラフルな色と、綺麗な女性とイケメンな男性が手を取り合っている表紙の小説を受け取った。
と言うか、この小説って……
「ラノベか」
「ラノベ?」
「うぅ……」
そう指摘された葉月は、いっそう恥ずかしくなったのか、顔を俯かせてしまった。
また伴音はラノベのことを知らないらしく、小説とどう違うの的な顔をしている。
「変ですよね……こういうの読んでる子って」
「え?別に?」
「え……?」
「つうかラノベが変なら、漫画やアニメを見ている俺はどうなる? 面白いぞ?日本の娯楽の一つでもあるし、むしろ文化と言われているぐらいだぞ」
「それじゃあ」
「変とは思わない。む しろ同じ趣味を持っていたことに喜びを感じるぐらいだ。是非オススメ等があれば教えてくれ」
「……っ。は、はい!」
凄く嬉しそうにしてくれた。心なしか、恥ずかしいとは別の意味で頬を染めてる気もしたが、だとしたら前向きになってくれたって事だ。良いことだと思う。
「伴音にもラノベについては後で教えてあげるから、今は後片付けを終わらせよう」
「うん!」
『to be continued』
どもども、焔伽 蒼です!
最近、アンノウンをほったらかしで始末屋を創っている焔伽です。ですが、今回で始末屋は二桁行ったので、近い内にアンノウンも三桁に行きます!断言です!
少々お待ちください~。
そういえば何ですが、家族を題材にした書籍(ラノベ・漫画)ってなんかないですかね~。参考とか以前に純粋に読みたい心境です。
因みに電撃文庫さんの「はたらく魔王さま!」が凄く面白いです。家族とファンタジーが混ざってて、燃えたり感動したりです!
PS
アンノウンに三桁記念は有りません。
PSマークⅡセカンド2
すいません!




