ウィンディアの家臣
だいぶ間が空いてしまいました。
月末月初が重なりますがなんとか週1くらいで更新したいです。
「では、早速だが私たちの自己紹介といこうか。」
ハル様がそういうと隻眼の女性が手を上げた。
「ワタクシからよろしいかしら。」
「うむ、エリシスから順番に頼む。」
「はじめましてカツヨリ。ワタクシはエリシス・モンブランと申します。
ハル様の参謀、林隊に所属していましてよ。」
エリシスと名乗った隻眼の女性は若草色の長髪で、どこかの御前といった雰囲気の人だ。
参謀ということは軍略に長けた方なのだろう。
「あ、カツヨリ、エリーちゃんのあれは別に片目ってわけじゃないんだよー。」
「そ、そうなのか。」
「シンク!・・・これについてはまた後程お話をさせていただきますわ。」
隻眼ではないのに何故眼帯を・・・?
何か理由があるのか、エリシスはややうつむきそう言った。
「次はオレだ。オレの名前はハーベスト・ウィステリア。
ハブと呼んでくれ。所属は山隊だ。」
眼鏡の男はハブというのか。さっきまでは落ち着いた雰囲気だったが、
陽気な感じでなんだか親しみやすそうだ。
「このメンツの中では男はオレだけだったからさ、仲良くしてくれ。」
「あぁよろしく。」
確かに他の人たちは皆女性だ。
何かあればハブに話をすることも多くなるかもしれないな。
「次はあたしでーす!っていうかもう知ってるよねー?シンク・ハイアット、風隊所属でーす!」
「あらためてよろしく、シンク。」
元気に自己紹介をするシンクに俺もあらためて挨拶をした。
「次はあたいだな!あたいはマリーチェ・カスケード!火隊のメンバーだ!よろしくな!」
「随分と背が高いのだな、よろしく。」
「おう!力比べならここの誰にも負けないぞ!」
マリーチェの背はかなり高い。見立てでは6尺(約180cm)ほどであろうか。
俺の背丈が5尺3寸(約160cm)ほどであるから頭一つ大きいことになる。
そう考えているとハル様の隣にいた少女が訝しげにこちらを見ながら口を開いた。
「・・・ノル。」
「え?」
「名前、ノル・・・。ハル姉様の・・・、妹。」
「よ、よろしく。」
「・・・っ。・・・よろしく。」
嫌われているのか、それとも独特な喋り方をする子なのか。
「ノルは口下手なのだ。許せカツヨリ。」
「あ、いえ。別にそんな。」
ハル様から庇護が入る。口下手にしては随分と落ち着いているような気もする。
甲斐の民にもそういった口下手と呼ばれる者はいたが、
あたふたして落ち着きが無い様子の者だった。
「最後に私だな。私はサンホーン大陸ウィンディア国19代国主、ハル・ウィンディアだ。」
「大陸・・・。」
「そうですわ。この世界には3つの大陸があって、そのうちの一つがこのサンホーン大陸ですわ。」
ハル様の言葉からふと漏れた単語にエリシスは補足をしてくれた。
この世界に来たとき、シンクからも三大陸という言葉を聞いている。
3つの大陸があることがわかっているということは、日本より船業が盛んなのであろうか。
「ではカツヨリよ。そなたの居た世界のこと、聞かせてもらいたい。」
「はいはーい、ハル様―。あたし達お城に来たばっかりなんですよねー。」
ハル様の言をシンクが疲れたから休みたいとばかりに遮った。
「ふむ、そうだな。では今日はこのくらいにしておこう。ハブよ。」
「なんですかハル様?」
「カツヨリの部屋を用意させよ。」
「了解しました。」
二人がそういったやりとりをすると、ハブは裏手の扉に入っていった。
部屋を用意すると言うが・・・。
「よろしいのですか?」
「何がだ、カツヨリ。」
「どこから来たかもわからぬ俺を場内に置いても良いのですか?」
「構わぬさ。それに今のそなた一人で何か事を起こすということもあるまい。」
それは確かにだ。いくら武士大名だったとはいえ未開の地で謀をするのはかなり難しい。
それにここはハル様の手中、滅多なことはできないだろう。
「それでは、世話になります。」
「明日はそなたの世界のことを聞かせてもらいたいのと、
これからのことも話したいと思っている。」
「これからですか・・・。そうですね、わかりました。」
なんとなくだがハル様の言葉には納得してしまうところがある。
威厳というかなんというか。王者の風格・・・、まるで・・・。
(せがれよ。強く生きよ・・・。)
父上!?
「カツヨリ大丈夫?顔色悪いよー?」
「シンク・・・、すまない大丈夫だ。」
「疲れている様子だな、そろそろ部屋の準備もできたころだ。シンク、案内してやるといい。」
「了解しましたー。行こうカツヨリ。」
皆が心配そうにしている。体調が悪いわけではないのだが・・・。
今日のところはその厚意に甘えることにしよう。
俺はシンクに連れられウィンディア城の中を歩くのであった。
今回までの女性陣おっぱいの大きい順
マリーチェ>>>シンク>|超えられない壁|>エリシス>ハル>>>>>>ノル