ソフトボール(2)
今回は、結構手に汗握るシビアな話にしたつもりです。なってませんか。
午後の試合が始まりました。化学療法部第一チームと食品研究所です。
ベンチは日スカ会を中心としてた日下部ファンの女子でいっぱいです。少し離れた所に研究総務部長の工藤幸司さんと泊茂一さんが座っていました。マウンドには、黒タイツのセクシーな主人が、赤いマニキュアの手で白球を握りしめています。
総務部長の工藤さんがバットを持ってやってきました。バットを前にたてて泊さんの隣のベンチにすわれました。そして、泊さんに聞きました。
「今日はやけに黄色い声が多いな。」
「みんな、ピッチャーのファンなんですよ。さっきの敗者復活戦で大活躍しましたからね。」
工藤さんはマウンド美女に驚いています。
「あれか。おお、女子選手じゃないか。大丈夫なのか。」
「大丈夫です。結構、速い球投げるんですよ。」
「女でか。2点のハンディもあるしいいな。」
「ハンディは無いですよ。あれは、男です。例のオトコオンナの日下部ですよ。」
「え。男なのか。」
主人は大きく振りかぶって、第1球を投げました。さっきの試合と違っててスローボールです。
「ストライク」
「何だ。やっぱり、女だな。打ち頃だぜ。」
バッターは2球目フルスイングをします。カーンという音ともにボールが飛んでゆきます。応援団の声がとまりました。
しかし、主人はニヤリと笑って打球の行方をみています。遠くで外野手がオーライと叫んでます。応援団の声が再び喚声に変わりました。
「ありゃ。凡フライだ。」
がっかりして帰ってくると、化学療法部の女性が言います。
「加藤さん。どうして、日下部さん球を打つのよ。明日から、お茶いれませんよ!」
(おまえがとうして、敵の応援するんだよ。やりにくなあ。)
試合は打撃戦になってきました。お互いに好く飛ぶのですが、好守備に阻まれています。流石に準決勝となるとも外野の守備も堅いです。そうなると、小細工もでてきます。
主人が投げました。左にたったバッターがバットを短くもってちょこんと当ててきました。女だから守備が下手と見越しての小技です。男なのですが、実はその読みは合ってます。主人は守備が下手なのです。井村さんはやばいと思ったようです。
「ありゃ。バントだ。」
主人は転がるボールに歩み寄りました。そこにキャッチャーの井村さんの鋭い声が飛びます。
「触るな!」
主人はビックリして動きを止めます。井村さんは、すかさず、ボールを拾いファーストに投げました。
「あら。」と主人が言う間に、ボールは小気味よい音をたててファーストミットの中へ。
「アウト!」という審判の声。
「すみませんねえ。」という笑うしかない主人です。たぶん、主人が取っていたら間に合わなかったでしょう。
「よっぽっとでなかったら、守備は周りに任せろ。」
「はあい。」
「キャッチャーが取るとな。バントも難しいぜ。」とバッターの加藤さんは苦笑いしていました。
ノーアウト、満塁です。敵もさるものです。外野フライがばかりなので、内野に転がせることを考えきました。次々とヒットが連続し、こんなピンチとなってしまったのです。
カーンという鋭い音がしました。サードライナーです。
満塁となるとサードはベースについていませんでした。がっしりとボールをつかむと、セカンドへ送球します。セカンドはベース踏んだまま捕球して、ファーストへボールを送球しました。三重殺です。
さっきからライナー性ボールが外野へ抜けてヒットが連続したので、思わずランナーも離塁していたのです。
「え、え、え」と主人はただボールを目で追うのが精一杯です。
「スリーアウト、チェンジ!」
「スリーアウトなの。こんなの初めて見た。」
「トリプルプレーだ。」と村井幸司さんが思わず叫びました。
「好守だな。穴がねえ。」と泊茂一さんがうなります。
バッターは唖然と立ち尽くすばかりです。
その裏です。カーンという小気味よい音とともに置屋さんのバットが投げだれました。ボールはぐんぐんと伸びて青空に吸い込まれてゆきます。外野は走って追いかけますが遠く及びません。
「あっ、出た。ありゃとれねぇ。置屋さんのホームランだな。」
これで勢いづいたのが、内野安打が続きます。このイニングで多量の3得点差がつきました。
「井村さん、そろそろ、速球を使いたいんで、アップお願いできますか。」
「おお。そうだな。残り3回は速球だったな。」
主人のピッチング練習が始まりました。ウィンドミルは変わりませんが、さっきまでとスピードが違います。スパン、スパンと速球が決まります。ミットの位置を変えてもミットの場所に小気味よく吸い込まれていきます。
「え? ホントはあんなの投げんのか。」
「速いですね。」
「タイミンング取りにくいウィンドミルであの速球かよ。こりゃ負けだな。」
事実その通りになりました。見送り三振が続きます。多量得点の後です。焦りもあって内野ゴロしか打てません。
試合が決まったのをみて工藤部長が腰を上げました。
結局7回コールドで試合が終わりました。選手が2列に並んでいます。審判がこう宣言しました。
「8-1で食品研究所の勝ち。」
「やったな。」
「決勝も頼むぞ。」
「ずるや。あんな、日下部という隠し球があるなんて。」
「やっぱ、食研は強ぇわ。」
ここは、別のグラウンドです。
研究総務部と安全性研究部の合同チームです。安全性研究部の単独チームがあったのですが、敗退してしまいました。なんと、負けたはずの安全性研究部がやってきて、選手の入れ替えが行われました。こうなると最強のチームです。みれば軟式野球をしており、ユニフォームを着ている人も3人ほどいます。
キャッチボールをしたり、バットをふってスイングフォームを確かめています。グラウンドではノックで守備練習です。どうもいままでとレベルがちがうようです。
「おう。決勝はどこだ。」と選手の一人がやってきた審判に尋ねました。
「食品研究所ですね。敗者復活戦から上ってきました。」
「食品研か。相変わらず。強いなあ。」
「あのロートル軍団しぶといな。」
「おっと来たぞ。」
「あれ?何だあの女性の集団は。食品研に女の子いたったけ?」
ピンクのベストの半ズボンの黒タイツの美女を先頭に、食品研のメンバーがやってきました。その美女は、グローブをはめ赤い爪でボールを握っていることから、出場選手であることは間違いありません。
トレーニングウェアの工藤部長が出てきました。
「あれか。あれが食品研のエースの日下部だ。」
「これは工藤部長。へぇ、あいつが日下部なんですか。」
「あいつ、あんなに良い体してたんだ。」
良いからだと言うのは。たぶん筋肉のことではないでしょう。
「すげぇ。」
「良い球を投げてたぞ。油断するな。」
実は工藤部長は、今は廃部となった東亜製薬の主力バッターだったのです。年をとっても昔取った杵柄です。甲子園経験者であり、レベルが違います。今回はファーストで4番です。
2チームが一列に並び審判の説明がはじまりました。ホントに主人は異彩です。女の姿ですが身長は180あります。男達の中に並んでも、首一つ高いです。ショートパンツからむき出しの長い足、上着ベストが胸を強調したセクシーな格好です。
「それでは決勝戦をこれから始めます。」
「まずは、ルールの説明から。振り逃げあり、後逸は1塁進のみ。決勝ですのでコールドはありません。9回までやります。女性が5回以上出場した場合、ハンディは2点もらえます。」
「日下部はどっちだ?」
「日下部さんは、女子対抗にゲスト出場しましたが、あくまで男です。食品研の皆様、それでよろしいですね。」
「はい。結構です。」
「ひぇー。日下部、化粧するとかわいな。」
主人は珍しくにこりとして言いました。
「ピッチャーやりますんでおてやわかに・・・」
「いやぁ。試合をやるのが楽しくなってきたよ。」
「おまえら、鼻の下を伸ばして三振するなよ。」
試合が始まりました。
「お手柔らかにしてチョ!」とバッターはおどけて言いました。
しかし、主人の顔がさっきと違います。大きく振りかぶり投げ出される腕、踏み出され黒いふとももと、すごい肉体美です。そして、その球は弾丸のようにはじき出され、バッターに矢のように向かってきます。小気味よい音とを立ててミットに吸い込まれました。
「ストライク!」
「ウィンドミルかよ。速ぇぞ。」
「本格的だな。合わせずらいなぁ。」
和やかな雰囲気から急に真剣な雰囲気になりました。ネクストバッターははやくもモーションに合わせた素振りをし始めました。さすがです。
試合は投手戦になってきました。相手の投手もサイドスロー気味のアンダースローでなかなか速度があります。何よりもカーブを織り交ぜてくるのでくせ者です。
塁には出るのですが堅い守備に押さえられいます。
4回の裏です。キンという鋭い金属音とともにボール主人に向かって飛んできました。主人は投球した直後、思わず首をすくねます。
「わぉ!」と驚いて上げた左手にすっぽり、バシという音ともに入りました。つかんで下手投げでファーストへ送球します。ほとんど条件反射の行動です。抜けると思ったランナーは既に離塁していました。
「アウト!」
「ナイスプレー!」
内野のみんながほめてくれました。
主人にとっては棚ぼたのまぐれなので、照れています。かわいいい!
「うーん。良い判断だ。野球を知っているな。やっぱり、男だな。」と工藤部長は感心していました。ホントにまぐれなんですよー。
「バッターはプライドを捨ててバットを短く握っているぞ。」
「スローボールも混ぜないとだめですね。」
「そうだな。ボール球をうまく使おう。」
「はい。」
さすがに、決勝戦です。2巡目になるとどのバッターも工夫して速球についてくるようになっきました。
主人もインハイのボールになるコースも織り交ぜ対抗します。緩急を織り交ぜた投球です。大したものです。遅い球を使い始めたため、外野はやや深めになりました。
6回の裏です。打者は3巡目、ブッシュバントを使ってきましたが、セカンドのの好守備に阻まれました。普通だとピッチャーとお見合いしそうなやらしいところに落としたのですが、セカンドは果敢に突っ込んでグローブ端でつかみました。主人は手を出さないと変な意味で信頼されています。実際、ぽかんと見ているだけでした。
食品研究所のメンバーもがんばります。ヒットを連続し、2点をもぎ取りました。
8回の裏です。バッターは、4番の工藤部長です。この人だけは、主人は押さえきれていません。2回の裏は、みんなが速球に振り遅れる中、簡単にセンター前に運ばれました。4回の裏ではサードライナーで助かりました。6回の裏ではライト前のヒットの3塁打を打たれました。後続をなんとか押さえてなんとかしのいだのですが、何をやってもだめなのです。
第1球は、内角の高めの速球でした。ボールです。振ってきません。
(ふん、インハイか。)
次は対角線上の外角低めのボールです。また、見られました。
(やっぱり、外角低めか。なかなかのコントロールだな。次は何だ?)
次は山なりの遅い球です。真ん中ですがぎりぎり入ってきました。振りません。
(おっと、遅いボールか。アレをとるか審判は女性に甘いぞ。)
次は速球でした。キンという音ともにボールがバックネットに当たります。
(しまった。当て損ねたか。速球は伸びているな。)
次は・・・
(遅い球か。ふん、甘いなこれでタイミングを外したつもりか。)
部長は軽く足を上げて強振してきました。カキーンという小気味よい音ともにボールが遙か向こうの青空に消え行きます。
「あ、やられた。」と主人は大きく見上げるだけでした。審判のホームランの宣言を受けて部長はゆっくりと回ります。ランナーがいなかったのが幸いしました。1点です。
ピンチの後にチャンスありです。8回の表は、置屋さんの3塁打が飛びだしました。ライトフライにによるタッチアップでね9回に食品研は1点を加え、3対1としました。
さて、9回です。これを押さえれば終わりなのですが、そう簡単には終わらせてくれません。速球から入ったのですが、いきなりヒットを打たれました。
「それ行け!逆転だ。」
「チャンスだ。」
一気に相手ベンチのテンションが上がりました。
「大丈夫!2点差あるよ。」
「日下部さん。がんばって!」
続いて、次のバッターには、速球から入って、ファールを打たれました。だんだんと速球にもあってきています。定石通り、アウトサイドに投げますが見送られます。そして、遅い球、タイミングが合わなかったのですが、サード前のぽてんヒット、無死、1,2累です。
「やった!」
俄然、ベンチのテンションが上がります。
食品研は黙り込んでしまいました。主人はぐっと押さえて、次バッターに向かいます。 次は、9番です。当たっていません。
初球、いきなりバントです。キャッチャーの井村さんが落ちついて、ファーストに送球してワンアウトを取りました。進塁して、ワンナウト、2,3塁となりました。
こうなると相手の方が勢いがあります。初球、1番にフライを打たれて、タッチアップで1点を取られしまいました。1点差です。
ツーアウト2塁です。ここで攻撃を切れば勝てるです。相性の悪い4番に回さずに終わりたいところです。全員に緊張が走ります。主人も1球、1球に渾身の力を込めて腕を振ります。
カーンという音ともにセンター前に抜けました。ボールはセカンド投げられて、1,3塁、ツーアウトといえ、同点どころか1打逆転の可能性がでて来ました。
「大丈夫、まだ、1点差あるから!」
続く、3番は粘ります。なんとしても、4番につなぎたいところですから。主人にも疲労が蓄積してしています。渾身の一投に対して・・カーンという音ともにサードライナー!
サードが構えて、がっちり捕球、試合終了!
・・・・・・・・・・・・とはいきませんでした。
名手のサードからぽろり!
歓喜が落胆に変わります。
あわてて拾い3塁を見ますが進塁していません。ファーストへ投げますが、セーフ! 満塁となってしまいました。
ここに登場するのが4番の工藤部長です。
8回の裏にホームランを打たれた最悪の相性のバッターでした。ひとしきり素振りをしてバッターボックスに立ちます。
(さあ、何を投げてくるんだ。君は・・・)
「様子はどうだ。」とやってきたのは泊茂一です。大会責任者としては、決勝戦以後の準備に紛争しており、試合そのものを見る間がなかったようです。
「見て通りよ。9回の裏、3-2しかも、ツウアウト満塁のピンチ!」
「え?もう9回なのか。はやいなぁ。あのバッターは工藤部長じゃないか。」
「ええ、8回にはホームランを打たれているの。」
主人はの額には汗が・・端の禿げかけた赤いマニキュアの指をみています。握力がおちてきたのでしょうか。
(くっ・・回ってしまった。この人は速球がきかない。遅いボールもきかない。決め手がなんだよな。)
重い雰囲気に、キャッチャーの井村さんがボールを持ってマウンドにかかけよります。
「いやなやつにまわったな。大丈夫だ。俺のサイン通りに投げろ。」
「はい。」
「これで負けたら、おれの責任だ。しかし、悔いを残すな!」
(うん。やるしかない!)
第1球! スパンという音に、内角低めにボール入りました。
「ストライク!」
ぎりぎりのところに決まったのに驚き、思わず工藤部長は審判の顔をみます。
(これは打てないな。なかなかいいところになげるじゃないか。)
2球目は、外角高めの速球です。「ボール。」振ってくれません。
第3球は遅い球、それも低めに外れるボール、ぴくりと動きましたが見逃されました。
第4球は、さらに遅い球をインサイドにさっきよりも高めに投げました。
(ふん、これくらいの球でタイミングが外せると思うのか!)
ブンという音、カーンとい言う金属音!
ボールはファーストの横をライナーで抜け、ファールグランドにそれていきました。
(ふぅ・・・ファールか。内野に飛んでいたら長打だった。)
高めの速球!それも一か八かの真ん中。
「ボール!」
振りません。
(高めの釣り球かで、フライに打ち取るつもりか。そんなのに引っかかるか。)
速いテンポの主人の動きがぴたりと止まりました。受け取ったボールを前に構えたままぴくりとも動きません。顔は下を向いたままです。
(つぎは、どっちにしよう。 速い球か、遅い球か。)
(サア、どっちだ!もう、ボールは使えんぞ。)
「日下部さん。がんばって!」
「後、1球!」
「後、1球!」
「後、1球!」
突然起こった。「後、1球!」コールに答えるように、主人はボールを投げます。胸を大きくそらし、ベストをはだけて腕を後ろに大きく振ります。ここからさらに加速したゆけば、速い球です。足を踏み出しつつ減速してゆけば遅い球なのです。
(お、速い! 速球か。)
部長はバット握りしめ、早い他タイミングでバックスィングを開始しました。
主人のは渾身の力を込めて、腕を振り下ろしました。腕が太股の脇を抜けてゆきます。
(あっ・・)
そのとき、ボールが手の中でおどったのです。滑ったようです。このままではとんでも無いところに飛んでゆくと思い、必死で立て直します。
その結果、速い腕の振りから飛び出したボールは遅い球でした。
部長は異変に気づきましたが、もう遅いです。速球に合わせて降り出したバットはとまりません。
(ボールが届かない!チェンジアップか。ともかく当てねば・・ファールで粘れらないと。)
スィングを遅くし、バットを合わせようとします。しかし、さわれません。ボールが直前で落ちたのです。
ブンという鋭い音に、遅れてスパンというミットの音。三振です!
「おお、今の球は何だ! ボールが落ちたぞ!」
井村さんミットのボールを呆然とながめています。部長はバットのグリップを眺めていいます。
「ス、ストライク!バッターアウト。スリーアウト!」としばしの沈黙を破って審判がコールしました。
「う、うぁあああ。勝った!」と主人が両手を挙げて叫びました。
「勝った。やったー」と一斉にベンチからみんなが飛び出しました。
「勝ったなあ。日下部!」と思わずキャッチャーの井村も飛び出しました。
主人も大きな胸を振って、井村さんに飛びつきます。むぎゅと井村さんの顔に豊かなバストを押しつけて抱きつきました。
「井村さん。ありがとう!ぐすん。」ともう半泣きで抱きついています。
(日下部やめろ!息苦しい。胸が・・・気持ちいいけど)
「みなさん。集合してください。」との審判の声。
「試合終了!3-2で食品研究所の勝ち。」と高らかに宣言されました。
ここは、決勝戦のグラウンドです。マウンドの白線の側にあった赤い線の入ったボールが、夏風に吹かれてころころとマウンドからころがりおちました。そして、ベース上に放置されたあるみバットにコツンとあたりました。遠くでは勝利者をたたえる声が聞こえます。また、一斉に嬌声が上がりました。別のグラウンドでは表彰式が行われているようです。
本人が恥ずかしがって、写真を焼き増しする対象からことごとく外しましたが、ピンナップの闇取引が行われたことは言うまでありません。
だったら、化粧なければいいのにと・・・そういう意見は意に介しませんか。
ここは、総合研究所の空き地です。いつものように食品研究所のメンバーがノックをして遊んでいます。主人が守る側を、井村さんが通りかかりました。あれ以来、井村さんは胸の感触が忘れられないのです。主人は作業服をゆるめに着て、胸の膨らみがわからないようにしています。
カンという音ともにボールで主人ほうに飛んできました。そのときです。
「おまえ、胸なんぼだ?」
「え?」
思わぬ質問にボールを取りこぼしてしまいました。
「突然、何をいいうんですか。85です。」
「そんなにあるのか。どおりで弾力があった訳だ・・・」
「なにを考えているです! 僕は男です。」
「おーい。エース何やっているんだ。」という声が遠くできこえました。
相変わらず男と主張する主人でした。
いよいよ、総合研究所編も終わりが近づいてきました。