5 ロイドとの決着 量産型鎧の開発
雨が降っていた
フレイルさんも大変だな。
いえ、そんなことはありません。
ふーん。そうなんだ。しかしなんか暇だな~。
騎士学校に向かう途中ジャンさんと会い他愛無い話をした。
それじゃ俺こっちだから
はい、お仕事、頑張ってください。
ジャンさんと別れ別の道を行く
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ロイドは今日も休みか。
あんなことがあっては登校もできなくなるのは当然だった
ガラガラ。
教室の扉が開くとロイドが入って来る
ロイドの友人ベンノが声をかけた
ロイド!おい、もう大丈夫なのか?
ああ、心配をかけたな。もう大丈夫だ。
そう言いながら顔色が悪い。
こればかりは時間が解決するのを待つしかない。
・・・・・・。
そういえば・・・騎士学校にウエイダーが来なくなって数か月がすぎた。近々、退学するそうだ
何とも言えない気持ちになる
いまだ騎士学生の身分ではあるが今日から王都の警備に配属される
考えることはただ一つ、悪即斬。
そんなある日
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
悲鳴が聞こえた。
こっちか!
街中を突っ走り路地に入るスラムを抜けて奥へと進むと巨大な犬の魔獣がいた。
魔獣の目の前で女が倒れ伏しておびえている。
女を背にかばい剣を構える
建物の影から1人、2人と不気味な黒いローブの集団が立ち上がっていく
まさか、邪教ヘキサセクスなのか!
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
魔獣が吠える
いまはそれどころではないか!
剣を構えて魔獣を睨みつけたそのときだった
人が駆けてくる気配がした。
女を抱き寄せると急いで身を隠す。
息を潜めて
言葉少なく指示を出すと女は泣きながら無言でうなづいた
ロイドだった。
そこまでだ!魔王崇拝者たちめ!
姉の仇だ!このロイド・ラフガディオが成敗する!
ロイドが兜の面を下げると緑の目がブォン!と光り鎧の色が黄色く染まる
あれは!いったい!
目の前の光景が信じられなかった。
清廉と同じ鎧だった
我が名は光の騎士!
はあああああ!
ロイドが剣を抜くと剣が黄色く発光している。
優しく人を慈しむ光だ。
あれは・・・聖剣か!目の前の光景は私とは別の聖剣を彼が得たことを物語っていた。
肉親を失い修羅の道に踏み入ったことを意味していた
魔獣が二足歩行に立ち上がると両手を振り回して襲い掛かって来る
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
とお!
ロイドが伏せると
大ぶりな右腕が頭上を通過、壁を粉々に粉砕する。
さらに今度は左腕が振り回され
ふん!
ロイドが右に転がり腕を回避、壁が粉々に粉砕される。
すかさずロイドの鋭い一太刀が魔獣の腹を切りつける。
光の筋が輝いた。
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
ロイドが左に一閃、
しかし魔獣の爪と激突、火花が散る。
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
魔獣がロイドの攻撃など聞いていないかのように腕を振り回し襲い掛かる。
ガン!
ロイドの体に魔獣の爪が激突する。
火花が散るほどの猛攻に耐え忍びロイドは活路を待った。
魔獣の牙が肩に食い込んだ。
ロイドの鎧から白い煙が交差して巻き上がると額の第三の目と左右の両目が緑色に輝き、魔獣を弾き飛ばす
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
ロイドが右腰だめに剣を振りかぶると呼吸にこうおして剣のつかから剣先まで優しい黄色い光が充満して最大の力を集束していく。
人を守る希望の光をより集めた剣は多くの人を救うだろう。
希望の剣、プロドキアスラッシュ!
一気に解放された光の奔流が犬の魔物をぶった斬る
はああああああああああああああああああああああああ!
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
次の瞬間、光の大爆発が巻き起こった。
爆発の中から魔獣の生首が飛んでくる。
すぐに兜の面を下げると青い目がブォン!と光り鎧の色が純白に染まる
はあ!
剣で両断、大爆発が巻き起こった
もうもうとした煙が晴れるとロイドと目が合う
ロイドは肩を震わせてたたずんでいた
清廉騎士・・・・・・貴様あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
ロイドは私が姉ロロナを殺したと勘違いしている。
話をできる雰囲気でもない。
ロイドの鎧から闘気が白い煙となって交差して巻き上がると額の第三の目と左右の両目が緑色に輝いた。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
ロイドが右腰だめに剣を振りかぶると呼吸にこうおして剣のつかから剣先まで黄色い光が充満して最大の力を集束していく。
馬鹿な!こちらには民間人もいるんだぞ!
ロイドは何の躊躇もなく剣を振り下ろした。とても冷静ではなかった。
希望の剣、プロドキアスラッシュ!
一気に解放された光の奔流が迫る
はああああああああああああああああああああああああ!
次の瞬間、光の大爆発が巻き起こった。
はあ!
女を抱きかかえ瞬時に跳躍、脱出した
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カランカラン
扉のベルが鳴る
おはようございます。
行きつけのパン屋に来るとロイドの友人アーリーが嬉しそうに笑顔を振りまく。
はい。
カウンターの上にかまどの使用料を置く。
報酬はパン3個で
はいよ!
アーリーがパンを焼き始める間、店の様子を眺めて時間をつぶした
カランカラン
扉のベルが鳴る
扉の前にはロイドが立っていた。
あ、フレイル。
こんなところで出くわすとは気まずい。
彼は気にした風でもなく
入店してくるとアーリーと楽しそうに話を始めた。
ロイドったらおもしろいんだから!
はははっ、そうかな?
私は言葉を交わすこともなく二人を無視してパンを待つ
アーリーがパンを用意してくれた
こんがり焼けた黒パンだ
ねこばばしてないから安心して
ありがとう。信用してる。
カウンターで受け取ると報酬の焼きたてパンを三個置いた
ありがとうございました。
店を後にした。
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王国内でへキサセクスに関する話はタブーとされた。
国の治安を維持するため脅威を隠すことにしたのだ。
これは軍事機密であり、騎士たちはもちろん、止む無くへキサセクスに襲われた民間人にも口止めがされた。
へキサセクスの存在は社会から完全に隠されたのだ。
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ロイドが活躍する傍ら私も細々と活動を続ける。
正体を知らせずどう姉の死を伝えればいいだろうかと迷っていると
街の外周、すたれた街並みで男と男が話し合っているのを見つけた
へへっ!お前も好きだなあああ~?
くれええええ!くれええよおおお!
ちゃ~んと金は持ってきてあるんだろうな?
男が銀貨の山を手渡すと売人の男は粉を渡す。
薬だ。
人を破壊する悪魔の薬、
ああやって売人は多くの人に取り返しのつかない毒となる薬を売りさばく、自分たちさえよければ周囲の迷惑など考えない存在、その罪は死罪に値する。
シュン!
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
薬を買った男は目の前の売人の首が落ちたのを見て腰を抜かす、
男の腕をまくると奇妙な紋章が刻まれていた。
邪教へキサセクスの呪いの印だ。
この男も信者の一人と見て間違いない。
まさか、騎士フレイルか!王都一のイカレ野郎がどうしてここに!
貴様も私の剣を受けるに値するか・・・・・・裁定するにはまだ情報が不足している。いまは捨て置こう。
おたおたと手足を振り逃げていく。
さあ、詰め所に死体を連れていかなければ。
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数週間前、ある計画が発表された
軍でロイドの鎧を研究し一般兵の鎧も超人化できるようにしたのだそうだ。
王城を歩いているとその鎧を見かけた。
ロイドの鎧のように魔法的聖法的処理を施された異能の鎧だ。
集められた会場でこれから模擬戦を始めるそうだ。
訓練場の中央には二人の騎士が立っている
騎士が兜を下げると両目が黄色く光る
鎧の色はオリジナルとは違い変化しなかった
互いに向かい合う騎士が同時に動いた
襲い掛かる剣を腕で受け止め
回り込むと背後から斬りつける
上体をわざとそらして紙一重で回避するもわずかに反応が遅れたのか鎧の上を剣がすべり
大量の火花が散った
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」
戦いを見物していた騎士たちから歓声があがる
素早い上に強力なパワーだ。
ロイドの光の鎧には劣るが常人よりもかなり強力になっているのがうかがえる
数日もすると私のところにも鎧が来た。
騎士学生の身分である私に回ってきたということは王国の標準装備は一新されたとみて間違いない。
鎧なら自分のがあるし。パッ、と見、見た目は同じものだ。使わないので家に放置しておくことにした
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数日後、衛兵詰め所
騎士隊長ディアスの元会議が開かれていた
今朝、薬の売人をまた一人取りしまった。
今回の犯人は組織で動いている。諸君らのおかげで敵があの邪教へキサセクスだと判明した。
にわかに騒がしくなる
やつらの本部を見つけ次第、騎士団を招集してもらいたい。
単身で逮捕しようとしないでほしい。
今回の相手はそれほどに危険な相手だ。いいな!
「「はっ!」」
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地下
拷問室
へっ!誰が仲間を売るか!
両手足をしばられた姿勢の女が中指を突き立てている
すでに尋問を頼まれた騎士は叩き疲れ地面に手をついてへばっている
早々に泣きが入るかと思えばかなり強情な女だった。
コンコン、と扉をノックして中に入る。
時間です。代わりに来ました。
フレイルか、ほら、
棒を受け取る。
首尾はどうですか?
ダメだ。てんで口を割らない。
では、ここからは私の時間ですね。
シンプルにいきましょう。
ペチペチと右手に持った棒を左手の平に打ち付けてもてあそぶとシンプルな拷問が始まる。
はあ!はあ!はあ!
女売人を棒で殴り続けて1時間
棒で罪人の頬を押し上げてこちらを向かせる。
強情な人ですね。それもいいでしょう。私はあなたの苦しむ姿を見るのが何よりも楽しみなのですよ。
無論、そのような趣味はありませんが、冷酷な審問官を装おうのも仕事です。
すでに8時間が経過している。
殺さないよう相手の体が長持ちするよう適度な力で殴り続ける。
手の豆が潰れようと辛抱強く執拗に殴り続けている。
他の騎士たちは交代の時間を告げるのも忘れ戦々恐々と言った顔で見ていた。
一切の休みなく殴り続けている。この狂人はここまでやるのかと、そう思っていることを当のフレイルは知らない。指摘されたこともないからだ。
女はついに口を割った。
お、お願いだから、もうやめて!
では言いなさい。
だ、だからしらないの!
そうは言うものの何かを隠しているような顔をしている。
怪しい。
そうですか!
ニッコリ笑い畏怖を抱かせるのも仕事です。
はあ!はあ!はあ!はあ!
ある程度ボコボコにしたところで再度
もう一度聞きます。アジトはどこですか?
わ、わかった!言う!言うから!
しぶしぶとした顔を見せたので
棒を振りかぶってみせる
本当に!本当に!本当に言うから!もうやめて!もうやめてください!叩かないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!
女は涙ながらに懇願してきた
しおらしい対応ですが、まだ手ぬるいと思います。
少なく見積もってもこの女、邪教の手先として男と女合わせて500か600人か、大勢の人の人生と命を薬で狂わせてきた人物だ。
薬を買う方の心が弱いから悪い?
そんなことはありません。心の弱みに漬け込むほうは悪いのです。
救いがあるとすれば金銭目的であって狂信者ではないこと
しかしその罪は決して性差ごときで償えるものではありません。本来なら死罪。情報のため生かしているにすぎません。
ディアスたちはただの牢屋送りにしたいようですが。
私から言わせればはなはだおかしな話です。
男女は平等であらねば
ですが同時に美しい女に暴力を振るうのは私も心苦しいです。
しかし、しかしここはきっちりと心を鬼にしなければ!公私混同をしない。それとこれとは話が別なのです。
やはり本音を隠していましたか。
女は知っていることを洗いざらい吐いた。
どうやら薬の製造元は売人にはわからないようになっている。
いつでも切り捨てられるようになっているようです。
これでは継続して調査するしかありませんね。
それから半日後、街で聞き込み調査していると
パカラパカラパカラ!
ヒヒーン!
フレイル!招集だ!薬の製造工場が見つかったぞ!
わかりました。
私は急ぐ
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雨が降る
現場にはすでに騎士団が勢ぞろいしていた。
ロイドもいる。
ディアスが宣言する
これから一斉に取り締まる。各自持ち場について一人も逃がすな。いいな!
今日は誰も乗り気だ。
新型の鎧を装着しているからだ。
誰もが兜を降ろすと両目を黄色く光らせている。
私も擬態させてあるので見た目は新型鎧にしか見えない
「「はっ!」」
突撃!!!!
一気に工場へと攻め込んだ。
木製の扉をけ破り、建物の中へとなだれ込み、抑えにいく
中には黒いローブを羽織った邪教へキサセクスの信者たちが大勢いた
ウィンザー王国騎士団だ!全員動くな!
それでも何人かが怪しい動きをしていたので
動くな!動くなと言っている!
ディアスが重ねて警告する
騎士たちは作業員たちの手を拘束にかかり
武器を手に襲い掛かって来る男たちと戦いを始める。
ロイドもまた襲い掛かってきた敵を瞬く間に切り伏せいていく
そのどれもがみねうちであり、生きていた。
ロイドが叫ぶ
できるだけ殺さない!
勇者ロイド、人を慈しむその姿は高潔の一言だ。が、当人は人気取りでしているにすぎないことをフレイルは見抜いていた。
歓声があがる
俺たちも続くぞおおおお!
私は目の前に来た男を
はあ!
あっさりと切り伏せる。
鮮血が飛び散った。
ロイドのおこないが甘いと思った。
それでは悲劇は繰り返されるだけだ。
この国の法では薬を売っただけでは処刑できないのだから
こうしてやむ無く切り捨てた形にしてしまうほうがいい。
劣勢を悟ってか。一人の信者が一気に走り出した。
待て!
ロイドが急いで止めにかかる
私もそのあとを追った。
男はある部屋に入る
我々も後を追うと、目に飛び込んで来たのは鎖につながれた魔物だった。
魔物が口から粉を噴き出していた。
悪魔の薬の原材料とみて間違いない。
まさか魔物の吐瀉物だったとは
それはそうと男は急いで魔物の鎖を外していく。
やめろ!
ロイドが叫ぶと同時、魔物が一斉に口から粉を吹いた。
爆発に近い量の粉が空中を舞いそれは解放した男すらも巻き込んでしまう
うわあああああああああ!
男の悲鳴が上がる中
ロイドがすぐに兜の面を下げ、緑の目がブォン!と光り鎧の色が黄色く染まる
私も擬態を解除すると青い目がブォン!と光り鎧の色が純白に染まる
そして私はすぐに建物の影に身を隠す。
幸い鎧と聖剣の力で粉の影響はないようだが。
粉の量からしてディアスたちも無事ではないだろう。
祈るばかりだ。
はあ!
そうこうしている間にロイドが魔物と戦闘状態に入る。
姉の恨みだ!
そう言ってロイドは上段に剣を構え左に一閃、
はあ!
右に一閃、
はあ!
左に一閃
軽快に剣を振るっていく。
魔物の長い鼻が上から叩きおろされると
はあ!
ロイドはそれを剣で支え受け止めた。
ロイドの足元の地面にひびが入る。
でや!
剣で何とか押し返したと同時に
ブジャー!
毒か!
魔物が液体を噴きロイドの体を襲う。
ロイドは白い煙を噴き上げながら何とか後退するとそこにすかさず触手が振り下ろされる
ぐあああああ!
吹き飛ばされ壁に激突
そこから執拗な触手の連打がロイドを襲う。
ぐっ!くああ!ぐああ!あああ!
追い詰められている。ここまでか。
私は意を決してロイドの前に踊り出ると剣で触手を両断していく。
はあ!はあ!はあ!
三か所、目の前の左上、右上、左下に青い血が花開く。
グジィイオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
痛みに鳴き声をあげる魔物
お、お前は・・・。
ロイドはボロボロの体で膝を突きながら私を見た。
さぞにらんでいるのが想像できる。
その視線から逃げるわけではないが、背中を見せ私の生き様を見せつけていく意味を込めて、前進していく。
斬らねばならない。
手を抜いていい相手ではないのだ。
魔物も。
この場にいる罪人たちも。
襲い掛かる触手を
はあ!
切り裂いていく。
右上で青い血が散る
はあ!
左上で青い血が散る
はあ!
左下で青い血が散る
あ、あの攻撃を剣でさばききっているだと!
右上で青い血が散る
はあ!
左上で青い血が散る
はあ!
左下で青い血が散る
はあ!
右上で青い血が散る
はあ!
左上で青い血が散る
はあ!
左下で青い血が散る
はあああ!
最後に切り裂くと剣筋状の青い血が散り。
魔物の目の前にたどりついた。
終わりだ。
私は薬に悲しんだ人たちの無念を思う。
それは当人だけではない。その家族もだ。
自然と聖剣を握る手が痛くなるほど固く握りしめていく。
すると剣から、見ていると心が温かくなるような優しい黄色い光が発光し、
次第にそれは黒を拒絶する真っ白い光へと変化していった。
あらゆる魔と邪悪を滅する滅魔の剣を両手でつかみ
胸の前に持ってくるとピンと突き立てる。
鎧の体から白い闘気が交差して巻き上がり、鋭い二つの目が青く光った。
はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
腹の底から呼吸することで剣の光が興雄する。
強い力を前に室内の床、四方に亀裂が走った!
強い正義の心が一切の悪を撃滅し、白い光となって剣のつかから剣先まで充満し最大の力を収束させていく!
多くの者たちを不幸へと落として入れる元凶、その一端を断つ!
光の剣、シャイニング・スラッシュ!
膨大な光が魔物を両断し、
ギャバシュブバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
魔物断末魔が響き渡る。
光の奔流が天を突き、闇を討ち払う。
戦いが終わる。
これで薬に惑わされた人びとの無念も晴れただろうか。
振り返ると光の騎士、ロイドが私をにらんでいた。
清廉騎士・・・貴様があああああああああ!
剣と剣がかさなり合う。
姉さんをよくもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
押し付けるように剣を上に弾かれるもそうやすやすと思い通りに受けてやるつもりもない。
すぐに手元に戻して見せる
はあ!はあ!はあ!
三連撃が右上段、中段、下段へと振るわれるも
はあ!はあ!はあ!
すべて上段、中段、下段に3発ずつ合計9連撃をロイドの剣に叩き込む
が、ぐあ!
手がしびれるほどの衝撃にロイドが声を漏らす
ふうん!
大ぶりな右スイングがロイドの剣を叩きのめした
ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああ!
ドカアアアアン!
横の壁に激突してドサンと地面に落ちるロイド
すぐに立ち上がるとバク転して距離を取る。
あの身のこなし。天才的だ。だがこれがあの天才ロイドだと?ぬるすぎる。私が騎士学校で見た彼はもっと鋭くもっと苛烈だった。
前世での生涯善人であり続けた善行、そのすべてが聖剣を介することで力とわが身に宿っていた。
聖剣を手にした経験が私を精神的肉体的に変えてしまったのだと理解する。
清廉騎士いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!よくも姉さんを!姉さんをおおおおおお!
ロイドの慟哭がこだまする
彼の原動力は憎しみだ。
へキサセクスに対するあくなき憎しみ。
さらに私を憎むことで生きていけるとするならば黙っておくのも彼の姉を助けられなかった私の務めか。
そう悟ると覚悟が決まった。
私が憎まれ役を引き受ける。
内心を心の中に留め
はあ!
ロイドを剣で弾き飛ばすと剣を構えて言った
いいだろう。貴様の怒り私が受け止めてやる。
光の騎士の鎧から白い煙が巻き上がると額の第三の目とすぐ横の左右の目が緑色に輝いた。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
右腰だめに剣を振りかぶると呼吸にこうおして剣のつかから剣先まで光のが充満して最大の力を集束していく。
希望の剣、プロドキア・スラッシュ!
一気に解放された光の奔流が迫る
私は聖剣を握る手が痛くなるほど固く握りしめる。
すると剣から、見ていると心が温かくなるような優しい黄色い光が発光し、
次第にそれは壮絶な真っ白い光へと変化していった。
両手で剣をつかみ胸の前に持ってくるとピンと突き立てる。
鎧の体から白い闘気が交差して巻き上がり、鋭い二つの目が青く光った。
はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
腹の底から呼吸することで剣の光が興雄する。
正義が白い光となって剣のつかから剣先まで充満し最大の力を収束させていく!
光の剣、シャイニング・スラッシュ!
膨大な光が希望の剣、プロドキア・スラッシュと激突する。
清廉騎士いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!
ロイドの憎しみのこもった声が響き渡る
ロイドの剣は光を含んでいたが私にはわかった憎しみにおぼれた酷くよどんだ光だ。
これで光の騎士とは・・・笑止!
ジャイン!
強烈な音がしてプロドキア・スラッシュが真っ二つに両断されると力の余波がロイドに襲い掛かった
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
大爆発が巻き起こる。
そのまま吹き飛ばされたロイドはゴロゴロと転がった。
面が自動的に持ち上がり、鎧の体色が鉄色に戻ると、ただの騎士へと戻った。
気を失ったか。
まだ、やるべきことがある。
そう言い残し私はこの場にいる罪人たちの首を落としに歩みを進めた。
・
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気絶した内情を知るリーダーの男を残し全員の首を跳ねた。
目を覚まして頭のない死体の山に唖然とするディアスたちだったが、話を聞くなら一人残っていれば問題あるまい。
これで犯罪組織の密輸ルートも暴かれるだろう。
ロイドは悔しそうにこそしていたがそれは果たして死者を悔やんでのことか単に手柄を立てられなかったからかはたから見ればわからない
だが私にはわかる。彼は手柄が欲しかった。そして復讐も果たしたかったのだ
私は踵を返してその場を後にした。




