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14 国王との戦い

雨が降っていた

ロイドたち王国騎士は国王謁見の間にいた。

クルーズ騎士長が死んだ。

何者かに暗殺されたのだ。

おそらくダンテたち騎士長の誰かのしわざだろう。

王国騎士長たちと共に悪事を働いていた先輩世代の騎士たちはその多くが牢屋送りとなった

指揮系統を失った我が国の騎士団は混乱の図中にある

陛下はそのことを話し合うつもりで我々を集めたのかもしれない

不意に頭をよぎる。

ベンノ、ヨーアキム、セロン

亡き友たち

そして愛すべき人

ミレイ・・・。

彼女のことを思った

女性にはモテるほうだ。

人を愛したこと経験は何度かあるが心の底から愛した女性はミレイだけだった

そのミレイが死んだ。

僕がもっと早く手を打ってていれば。

それからの日々は霞の中にいるようなただ流れるだけの色褪せた日々だった

(ほう)けているとディアスが言った

お前たち、今日は陛下から大事な話がある。

たーいちょ!任せてくれよ!

お調子者が声をあげるとザワザワと笑いが起こる

心して聞くように!

しばらくして貴族たちが入室してくると騎士たちの表情が引き締まる。

それからまもなくして陛下が入室した。

皆の物、よく来てくれた。近頃、王都を騒がす連中がいる。

やつらのせいで国は被害をこうむり度重なる苦境に立たされておる

今日、ここに皆を集めたのはほかでもない。

邪教エイレースケイア殲滅をここに宣言する!

貴族が取り乱す。

な、陛下!初耳ですぞ!

これは余が夢枕で聞いた。主神・パリョ・テオス様よりの啓示なのだ。

しかし!

逆らうか!そこのものをひっ捕らえろ!

衛兵たちが貴族の両腕をつかむと連行していく

な、何をする!陛下!お考え直しください!陛下あああああ!

騎士たちがざわめく

陛下が言う

王国騎士長たちよ前へ!

謁見の間の正門扉が開かれると三人の王国騎士長、ダンテ、ギエーリ、アリが姿を現す。

会場はさらに騒然となった。

死んだと言われた王国三大騎士長が生きて目の前に現れたからだ。

僕は何を見ているんだ?

事態の急展開に目まぐるしくなる。

自分でも信じられない。

清廉騎士が騎士長たちを殺すところを確認したはずだからだ。

ではこの3人は影武者?ありえない。ギエーリはミレイの仇だ。やつの顔を見間違えるはずがない!

他の騎士たちも声を漏らす

うそ!

生きていたのか!

では死んだというのは誤報か!

しかし罪人であるはずだ!

憶測があちこちでざわめきとなる

ダンテたちが陛下の前に片膝を付き首を垂れると会場が静まり返った

陛下、我ら王国三大騎士長、御身の前に!

陛下が命じた

お前たち、いまわしきエイレースケイア近代主義者を殲滅せよ!

そのとき謁見の間に声が響いた

よう!

8つある大理石の柱の影、その中に潜んでいた邪悪な黒い鎧の騎士が姿を現す

会場が騒然となる

ロイドはつぶやいた

ウエイダー。

かつての友の姿を見て我に返ると自分もすぐに兜を下げ参戦する。

王国騎士長ダンテは自らの目の前に立ちはだかる2人の騎士を見た

へキサセクスの邪悪騎士、それに勇者ロイド・ラフガディオ、お前たちがなぜ手を組む?どういうつもりだ?

ウエイダーは剣を構える

へキサセクスは関係ない。俺が強くなるためお前たちには踏み台になってもらう。

その隣でロイドもまた剣を構えた

ギエーリ、ミレイの仇だ。

ロイドの行動に騎士の誰も反感を覚えない。すでに王国騎士長たちの犯罪は明るみに出ているからだ。

成り行きを見守る騎士たちも王の御前でなければ、また王の王命でなければ、この騎士の面汚したちを成敗するため自らで動いていただろう。

使え!

ウエイダーが謎の鉱石を投げて来る。

それを受け取った

これは?

胸に当てろ。鎧を強化する聖なる鉱石カルティだ。

すまない!

ロイドとウエイダーがそれぞれの鎧の胸部に鉱石を押し当てると二人の鎧が異形の鎧へと姿を変える。

片や、光の鎧

片や、闇の鎧だ

ただその身に宿す力はいままでの何倍にも増幅されていった。

凄まじい力、これさえ、あれば!

ダンテは言った

いいだろう。お前たちの相手をしてやる。

おおおおおおお!

ダンテたちが斬りかかる

ロイドが叫ぶ

ミレイの仇!

はあああ!

らあああ!

ロイドとウエイダー2人の剣が振るわれた

2人で上段からの振り下ろし、元々騎士見習いでありながら鎧の力によってベテラン騎士並みの実力を持っていたロイドたち

カルティの力によってそれを数倍化させた今、王国騎士長にだって遅れは取らない。

頭上から迫る凶器にダンテたちは反応してみせる。

半歩後方に下がりかわされる。

おおおおおおおおおおおおおおおおお!

ロイドの苛烈な猛攻が炸裂する

狙うはギエーリただ一人

剣を右に左に振り回し、とことん追い詰めていく

ウエイダーもダンテとアリを相手に死闘を繰り広げる

ふん!

ギエーリの剣がロイドを弾き飛ばすと、すかさず跳躍、空中でロイドに襲い掛かる

剣と剣が火花を散らす

ぐはああああ!

2人が剣で吹っ飛ばされると床の上をゴロゴロと転がった

ロイドがつぶやく

つ、強すぎる・・・。

余裕でを二人を見下ろす三人の騎士長たちは強大な壁として立ちはだかるのだった

どういうことか王国騎士長たちが全員よみがえって目の前に立っていることに驚く。

床の上でロイドたちがへばっている

私もこっそり兜を降ろし鎧を変化させると謁見の間の中央に躍り出る

誰かが言った

清廉騎士だ!

皆の注目が集まる

ダンテたちは私を見るやいなやいまにも斬りかかってきそうな表情をした。

奇妙だ。私に対し恨みもあるはずだ。ではなぜ隊列にいたときに私が清廉騎士だと知っているはずの彼らから名指しで呼ばなかったのだろうか。

お前が清廉騎士か!お前を見ているとなんだかイライラしてくるぜ!

同感だ。

俺もだ。

三人とも口々にイラつきを言葉にするが一向にフレイルとは呼ばれない。

正体を知っているはずだ。

それに確かに殺した。

ではよみがえったとでも?

言動からして私のことは覚えていない?記憶がないのか?

陛下が命令を下す

さあ、その男を殺せ!

そう言った瞬間、国王の魔力が何倍にも膨れ上がった。

それで理解する。黒幕はやつだ。

そのことに気が付いたのは私だけでなくダンテたちも同じようだった

ダンテが言った

へ、そういうことだ

ギエーリが言った

どうやら俺たちは陛下に命を救われたらしい。

アリが言った

お前に対するこのわけのわからないイラつきも。お前の血肉で慰めとしよう

王国三大騎士長たちが一斉に襲い掛かって来る

おらあああああああああああああああ!

大きく振り下ろし、右に薙ぎ払い防ぐ

ダンテと剣がつばぜり合う

清廉騎士!今日こそ決着をつけてやる!

記憶が戻ったかのような言葉を言う!

はあ!

なめらかに剣を振るうとサクッと外壁を削り取る

何度も×を描くように剣と剣がぶつかり合い火花を散らす。

ふん!

剣が横に振るわれ

はあ!

それを受け止めながら身を寄せ合う

鎧の肘と肘がぶつかってガツンと音がする

相手の顔を見つめて互いの健闘にほくそ笑む

それは兜をかぶっていたとて手に取るように感じ取れた

俺もいくぞ!

ギエーリが剣を振るう

おおおおおおおおおおおおおお!

ギエーリの剣の上を転がるように回避する

着地直後、アリの剣と激突する。

アリは口の中でつぶやく

我等三人を相手になんという剣技、魔法による人体の強化か!

くるくるとダンスするように剣を受け止め弾き返し三人と同時に戦う

ダンテたちも人間離れした動きで対抗する。

どちらもハイレベル。

8本にすら見える剣撃をヒュンヒュンと受けながし三騎士たちの猛攻を真正面から押していく

これが清廉騎士か!

なんたる技巧!

相手に取って不足はなし!

500人近くいた騎士たちは全員かたずをのんで戦いを見守った。

ともすれば演劇のようにすら見える芸術的な剣の応酬だった

ダンテが顔目掛けて剣を振りかぶり

首を曲げて回避する

ちっ!避けたか。

ぐあああ!

ダンテを剣でぶっ飛ばすと鉄鎧の体がドテンとバウンドしながらレッドカーペットの上を転がっていく

国王が指示を出す

(つるぎ)を使え!

黙れ!

ダンテが激怒すると国王が私の術を解いたのか!?と言って驚愕する

やつは俺の騎士としての誇りにかけて(けん)のみで相手をする。小細工はなしだ。

これほどまでの好敵手称賛に値する!

乾坤一擲(けんこんいってき)すべてをかける!

ギエーリとアリまでも賛同する。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

ダンテの一撃で剣ごと弾き飛ばされ、地面に指で手を付いて着地する

よい、打ち込みだ。

「「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」」

三人が一斉に走り寄って来る。

集中しすぎて三人の動きがスローモーションに見えた

ギエーリが右から剣を振り

アリが左から剣を振るう

ダンテが正面から剣を振るった

俗世にまみれ、魂の薄汚れた騎士たちが戦いの中で本来の騎士としての誇りを取り戻した。よき戦いであった。なごり惜しいが、これで終わらせる!

でやあああ!

アリの胴に一閃叩き込み

はああ!

振り返ってギエーリの背中に一閃

ダンテの振り下ろした剣を左にかわし

おおおおお!

首すじを斬り裂いた

み、見事だ・・・。

ドサン、

王国三大騎士長たちが全員地面に伏した

目の前で見せつけられた別次元の剣術

清廉騎士があの強大な三騎士長たちを斬り地伏せさせたのだ

そのときだった

ふふふふふふふふ

陛下が不気味に笑い声をあげ倒れると

陛下の体から灰色の衣の女が現れた。

我が名はゲー・ミテラ、エイレースケイア原理の聖女

貴族が驚きの声をあげる

聖女だと!原理と言ったか!今は亡き聖女様がなぜ!

騒然となる場内。

その聖女こそ、自分に戦う力を与えた超常の存在だった。

そう、いままでの事件はすべてへキサセクスを偽ったエイレースケイア原理主義のしわざだったのだ。

ふふふふふふふふふ、

聖女は不気味に笑うと

ロイド!

自分の名を呼んだ

聖女は両手を広げて抱擁の構えをした

そのまま異形の姿へと変貌していく

赤い眼が8つカマキリとハエに似た巨大な怪物だ

ば、化け物か!

ゆうに十数メートルある怪物が人語を話した

この世界に死を、存分に斬りなさい。

聖女がクチュクチュと奇妙な笑い声をあげる

なぜ聖女がここにいるのか。何を言っているのか。唐突過ぎて理解が追いつかないがゆっくりと状況を整理して合点が行った

そうだ。お前が国王を操って、お前のせいでミレイが!

力を貸すぞ!

そう言ってウエイダーも並び立つと剣を構えた

ロイド!斬ってはいけない!

突然、こちらを振り返った清廉騎士が叫んだ

何を言っている!これは千載一遇の好機だ!

そうだ。この怪物を倒すには今しかない!

鎧から白い煙が巻き上がると額の第三の目とすぐ横の左右の目が緑色に輝いた。

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

右腰だめに剣を振りかぶると呼吸にこうおして剣のつかから剣先まで光のが充満して最大の力を集束していく。

それはさらに剣が3つに裂けて中心の剣に左右の剣が聖力を送り込んでいく。

光の鉱石による。聖なる力だ。

同時にウエイダーは全身から闘気の黒い煙を巻き上げ、上段に剣を構えた。

剣が3つに裂けて中心の剣に左右の剣が魔力を送り込んでいく。

闇の鉱石による。魔の力だ。

希望の剣、プロドキア・カルティ・スラッシュ!

闇の剣、ダーク・ネス・カルティ・スラッシュ!

一気に解放された光と闇の奔流が聖女を斬り裂く

次の瞬間、光と闇の大爆発が巻き起こった。

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