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12 王国の牙2


貧しい子供たちに神の祝福を

そう言って優しそうな人たちが塩を配っている

子供たちが塩に群がる姿はこの国の不安定さを表しているかのようだ。

何を隠そう、その優しそうな男こそ、王国三大騎士が一人、アリだ。

普段はこうして人々のために善意を向けてくれている。こわもてだが優しい男だ。

周囲にも似たような人々が塩を配っている。信者の方々だろう。

道を行く人々は塩を受け取り、口に含むと嬉しそうな顔をしている

ただの塩をずいぶんうまそうに舐めていると思った。

この世界の技術水準で言えば塩も貴重な部類だ。

その中の一人に美人の女がいた。

私も塩をもらおうと近寄っていくと

その女は嬉しそうな顔をしながら私から目線をそらした

あれ・・・?

もう一度目の前に移動すると

また横を向いた

あれ・・・?もしかして、・・・くれなかっ・・・た・・・。

そう思い何度か目の前をウロウロ行ったり来たりするも等々、塩をもらうことはできなかった

女たちがいなくなったあと

私は誰かが落としただろう塩を拾い上げると手の平に乗せ、塩をじっ、と見ながらしばらくその場に立ち尽くしていた。

私は塩を

うわああああああああ!

地面に叩きつけた

ピシャ!

こんな塩などいらない・・・。

ある日、

いい加減にしろ!

きゃ!

女が門番に突き飛ばされていた

声をかける

大丈夫ですか?

騎士様。

手を差し伸べるとそれをつかんで立ち上がる

突き飛ばした男に声をかける

何かありましたか?

いやね、その人、うちの施設にお父さんがいるって言って効かないから追い返したんだよ。

本当です。騎士様!お父さん、帰って来ないんです。

お父さんがこの施設に入って行くの見たんです!

だからそれは調べたからいないってば!

そのとき後ろから声がする

フレイル?

振り返るとロイドが立っていた。

ミレイどうしたの?

女は目を輝かせてロイドを見る。

ロイドさん!

知り合いのようだ

ミレイはロイドに事情を説明した。

わかったよ。ミレイ。

ロイドは門番に言った

改めて騎士団から正式に依頼します。中を調べさせてもらえますか?

私からもお願いします。と伝える

ダメですよ。

わかりました。では日を改めて出直しましょう。

そう言って私はロイドを呼ぶ

ロイド、こっちに

建物の外側に回り込む

ではミレイさんここでお待ちください。いま調査してきますからお父さんの名前は?

グルトです

待て、フレイル!僕も行く!

ロイドがついてくる。

施設内に潜入した

内部は人で溢れていたが私の剣術を使えば姿を消すなど造作もない

透明人間と化した私は室内を物色していく

ロイドは一人突然いなくなった私をキョロキョロ探す

しかたがないのでロイドの手を引き歩く

ロイドは相当驚いたらしく、ひどくうろたえていた

剣術で透明になるくらいしてほしいものだ。

まったくロイドは修行が足りない。

見張りがいる場合は事前に教えてあげることで回避していく

お父さんらしき人を見つけた

ロイドの方を見てお父さんは言った

君は・・・誰だ・・・。

そこで私は姿を現す。

わあ!

声をあげて驚くお父さん

会話はロイドに任せておこう

グルトさんですか?

そ、そうだが、

娘さんが探してます!

娘が?

そうです!とロイドが言う

ロイド、そろそろ人が来ます。行きますよ。

透明になるとロイドたちと一緒に脱出を試みる。

いくつもの部屋の前を通り過ぎると正気を失った人々が檻の中に入れられていた

あれは?

塩だ。あいつらは塩を舐めて狂ったんだ

魔力のこもった塩だ。

これはいよいよ処罰しなければならなくなった

私はたちグルトさんを娘さんの前に連れてくる

お父さん!

おお!

抱き合う二人

ありがとう。騎士様方!

感謝された

どういたしまして

にっこりと笑い笑顔を見せる

フレイル、僕はミレイを送り届ける。

ええ、わかりました。お元気で

分かれてからが、狩りの時間だ。

兜の面を下ろすと鎧の色が鉄色から純白へと変色していく。青い両目がブォン!と光った。

何の変哲もないただの鉄の剣だったものが聖剣へと変化していく。

正面正門から堂々と入るとさきほどの衛兵が静止してきた

何者だ!

悪いが通らせてもらう。

ちょっと!

妨害してきたので手でどけようとすると

はあ!

殴りかかってきた

拳を受け流し返り撃ちにする。

そのまま施設の中へ入ると剣術で姿を消した

廊下を突っ切るとさらに奥へと進んでいく

扉の前まで来た

中をゆっくりと押し開けると

老人、子供、女、男

全員塩を舐めて恍惚とした表情をしていた

ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!ハハッ!

不気味な笑い声をあげる人々狂っていた

中には泡を噴いて死んでいるものもいる

大丈夫ですか!

駆け寄って話しかけるも意識が飛んでいる。

とても正気とは思えない。

これほどまで酷いことになっていたとは許せない。

ドン!

扉を押し開くと王国騎士長アリが足で踏みつけたロイドを串し刺しにしようとしていた

はあ!

剣でアリをぶん殴るとフルメイルの男がくるくると跳ね飛び部屋の壁の四隅の壁にペタリと張り付く

ロイド!

呼びかけるも返事はない。気を失ったか。

アリが叫ぶ

てめえ・・・そうか、お前がダンテをやったやつか!執行者(しっこうしゃ)気取りの野良騎士が!

1000人の信徒がいたはずだ。たったひとりでここまで登ってこれるわけがない。

すべて剣術でかわして来ました。

アリ、三大騎士長ともあろうあなたが。なぜこんなことを。

アリは間の抜けた顔をしておどけて見せたあとに言った

ああ?金になるからに決まってるだろうが。

こんな時代だ。心の弱いやつらがごまんといる。教祖だなんだと、善人面してちょっと煽ってやれば

善意の寄付としておもしろいように金を吐き出すガチョウたち、いわば家畜だよ。

いずれ俺はこの世界を支配する。世界征服だ!世界征服!

私は怒りに震えながらなんとか冷静に言葉をつむぐ

勝手なことを言ってくれる。家畜だと・・・。どれだけの人が苦しめられていると思っている!

はっ!噴くぜ!野良騎士!

アリは突然、茶色い何かの足を取り出すとそれを飲み込んだ

アリの肉体が変形を始めていく

この身は長年魔物を食べることで肉体を変化させた賜物(たまもの)

俺が数だけの男だとでも思ったかああああああああ!

アリの体が完全に変化すると全長5mはある凶暴なアリの魔物へと変化した。

この究極の体でお前を肉団子にしてやるぜええええー!

私の感情の高ぶりに反応して両目が青く発光する。

貴様を斬る!

はあ!

両手で振り降ろしアリの爪攻撃を弾き飛ばす

はあ!

さらに爪に剣をぶつけ両断する

俺の爪を切り裂いただと!

はあ!

左上に斬り上げあごを切り裂く

ぐああああああああああ!

悲鳴をあげるアリ

左から爪が襲い掛かる

壁を蹴り上がってバク宙で回避

はあ!

右回転に斬る

ぶじゃあああああああああああああああああああああああああああ!

大量の血液が噴き出して噴水のように降り注ぐ

はあ!

右下に斬る

アリの体を切り刻んでいく

ば、馬鹿な!魔物の力を取り込んだ俺が押されている!

くらえ!濃縮毒液!

毒液が飛んでくる

転がって避けると壁がドロドロに変色してしまう

はあ!

正面から一閃するとアリの額が裂けて大量の血液が宙に舞った

ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!こんな・・・馬鹿な・・・俺様が・・・こんな・・・馬鹿な・・・馬鹿なああああああああああああああ!

私は聖剣を握る手が痛くなるほど固く握りしめていく。

すると剣から、見ていると心が温かくなるような優しい黄色い光が発光し、

次第にそれは許せぬものをより許さない修羅の白い光へと変化していった。

両手で剣をつかみ胸の前に持ってくるとピンと突き立てた。

それに呼応して鎧の体から白い闘気が交差して巻き上がり、鋭い二つの目が青く光った。

はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!

腹の底から呼吸することで、光と光を糧にして一個の悪意を粉々に虐待する圧倒的な白い光が剣のつかから剣先まで充満し最大の力を収束させていく!

多くの人々を薬で殺し、多くの悲しみを生み出した罪、万死に値する。成敗!

光の剣、シャイニング・スラッシュ!

膨大な光のうずがアリを両断し、

体の中に宿る一切の魔を塵すら残さず消滅させる。

ぐぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

光の奔流は天を突き、闇を討ち払う

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