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第9話:適応力、次々と発動!成長する日々

異世界での生活に少しずつ馴染み始めた神崎守。「適応力」というスキルのおかげで、村人たちと過ごす中で様々な成長を遂げてきた。今日は朝から晩まで新しい挑戦が続き、そのたびにスキルの力が発揮される一日となる――。



---


朝、守は村の広場に集合していた。今日は収穫した野菜を使った保存食作りを手伝うことになっている。


「守君、今日はね、冬に備えて野菜を保存する方法を覚えてもらうよ。」


村のおばさんが、塩漬け用の大きな樽を指さしながら説明する。


「保存……って、これ全部塩で漬けるんですか?」


「そうよ。野菜を長持ちさせるためには、こうやって塩や酢を使って保存するの。」


「へぇ……初めてやりますけど、頑張ります!」


守は早速作業を始めた。


まずは野菜を綺麗に洗い、丁寧に切り揃える。前回料理をしたおかげで包丁の扱いには慣れている。


「これくらいでいいですか?」


「うん、上手よ。じゃあ次は塩を振りながら樽に詰めていきましょう。」


塩を均等に振りかけながら、野菜を樽に詰めていく守。その動作がスムーズになってきた頃――。


「保存技術スキルがレベル1になりました」


「あ、またスキルが……!」


「どうしたの、守君?」


「い、いえ!なんでもないです!」


突然のアナウンスに驚きつつも、守は作業を続けた。スキルの力か、自然と効率よく野菜を詰める方法が体に馴染んでいく。


「これ、意外と楽しいかも……!」


守は最後まで作業をやり切り、出来上がった樽を見て満足げに頷いた。


「うん、これで冬になっても安心だね!」


村のおばさんの言葉に、守は笑顔で答えた。


「僕もこういうの、もっと覚えたいです!」



---


昼食を済ませた後、守はジルに誘われて井戸の修理を手伝うことになった。


「井戸がちょっと壊れててな。今日はこれを直すぞ。」


「えっ、俺にそんな難しいことできますかね?」


「大丈夫だ。お前、何でもやりゃ覚えちまうからな。」


「そ、それは……まぁ、やってみます!」


守はジルの指示を受けながら、井戸のロープや滑車を調整していく。


「ここをこうやって締めればいいんですか?」


「ああ、そうだ。あんまり強く締めすぎるなよ。」


細かい作業に苦戦しながらも、徐々にコツを掴んでいく守。その時――。


「修理技術スキルがレベル1になりました」


「あ、またスキルが……!」


「なんだ、急に動きが良くなったな。もうコツを掴んだのか?」


「い、いや……なんか自然に手が動くんです!」


守は不思議そうにしながらも、手際よく修理を進めていく。


「よし、これで完成だな。お前、なかなかのもんだぞ。」


「ほんとですか?ありがとうございます!」


守は達成感を噛みしめながら、修理の仕上がりを見上げた。



---


午後、守は鍛錬場でガルドと剣術の稽古をしていた。


「ほら、もっと腰を低くしろ!剣がぶれるぞ!」


「は、はいっ!」


木剣を振りながら、ガルドの厳しい指導に応える守。だが、今日の鍛錬はいつもと違っていた。


「おい坊主、動きがかなり良くなってきたじゃねぇか。」


「えっ、そうですか?」


「ああ、お前、今日はいつもよりキレがあるぞ。」


守はガルドの言葉に驚きつつ、さらに集中して剣を振る。その時――。


「剣術基礎スキルがレベル6になりました」


「あっ、また上がった……!」


「おいおい、また何かあったのか?」


「いや……なんか、スキルがまた成長したみたいで!」


「なるほどな、適応力ってやつか。それにしても、成長が早すぎだろ。」


ガルドは呆れたように笑いながらも、守の動きに感心している様子だった。


「よし、その調子で次は実戦形式だ。俺を相手だと思って攻めてこい!」


「わかりました!」


守は全力でガルドに攻撃を仕掛けた。剣がぶつかり合い、力強い音が響く。


「おっ、いい動きだ!その調子で続けろ!」


守は汗だくになりながらも、一つ一つの動きを全力でこなしていく。



---


夕方、鍛錬を終えた守は広場で腰を下ろし、大きく息を吐いた。


「ふぅ……今日は色々やったな……」


料理、井戸の修理、剣術鍛錬。どれも初めて挑戦することばかりだったが、適応力のスキルのおかげで確実に成長を感じていた。


「適応力って……すごいな。何をやっても覚えられるって、こういうことなんだ。」


ふと、守の胸に湧き上がる思い。


「このスキルがあれば、俺……もっと強くなれるかもしれない。」


夕焼けに染まる村の景色を眺めながら、守は静かに拳を握りしめた。


「明日はもっと挑戦してみよう。この世界で、俺は必ず生き抜いてみせる!」


守の決意はさらに強まり、新たな挑戦の準備を始めるのだった――。

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