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第8話

肉料理に熱視線を送ってきていた連中は、


「輝く日光団」という冒険者集団のようだった。




はなしを聞くところ、


メンバーは全員村の出身から自由民として都市部にやってきた若者で、


その都市部でも職が貰えずいた者たちで一念発起し冒険者になったらしい。




こん棒などを手作りして、


畑を荒らす害獣などを追っ払ったりして生計をたてていた。




最近ようやく全員分の武器を調達できたところで、


貯めていたお金が尽きてそれゆえ食うに困った事態となっていたということだ。




「だから若旦那あんたにはほんっとうに感謝してるっ!」




と短髪の女性冒険者こと「アラナ」は、


冒険者集団としての半生をそう締めくくった。




ところで、




「どうして僕を「若旦那」呼ぶんですか?」




と尋ねると、




「そりゃあ、金払いが良くて、豪華な杖を持っていて、言葉遣いも良くて、私たちにも偉そうにしないならどっか商家の子なのかなと・・・・・・」




と言われた、端から見れば自分が思うのかと一つ知見を得た。




それから、


自分はある商家の出身ではあるがすでに家を出ており、


今は魔術師の見習いとして旅をしていると弁明したあと、




「なので僕のことは若旦那ではなく、「マヤ」と呼んでください」




と伝えた。




一通り話を聞き終えた頃、


店の主人である恰幅の良い男性が上の階から降りてきて、




「若旦那さまっ!部屋の準備が出来ましたよ!」




と機嫌よく呼び掛けてきて、「若旦那」呼びに苦笑していると、


女性冒険者のアラナは、「やっぱり、みんなそう見えるみたいだねっ!」と陽気な笑顔を見せてきた。




案内された部屋で、


身に着けている装備を外し、




「あぁー疲れたっ」




と倒れるようにベットに横になる。


慣れないしゃべり方に気疲れしたため、


寝返りをうつ間もなくそのままその日は寝てしまった。




翌朝、階段を下りるとすでに、


出発の準備を始めている者や、朝食後の談笑している者が見受けられた。




その中に、「輝く日光団」の面々もテーブルに座り朝食を食べている。


アラナはすでに朝食を食べ終わっている様子で仲間と談笑していた。




向かいの席に座っている精悍な顔のリーダーは、


青白い顔で頭を抱え目の前にある食事の乗った皿を見つめている。




彼の名前は「カルー」だと、


彼らが村の出た経緯とともにアラナから聞いていた。




「婚約者とどぉーしても結婚したくなくてね・・・・・・、夜逃げしてたら偶然カルーに見つかっちゃって心配性のあいつがそのまま付いてきちゃったんだ」




という事らしい。




「わかっマヤ、おはようっ!ここ座ってっ!」




こちらに気づき、


と自分の座っている横を開けトントンとその場所を叩きこちらに招く。




「ありがとうございます。ではお言葉甘えて」




とアラナの隣に座る。




斜め向かいに座っていたカルーは、ゆっくりと頭を上げ、




「おぉ若旦那ぁ・・・昨日はありがとぉ~」




と苦しそうに頭を抱えながら昨日のお礼を伝えてきた。




それから朝食のパンとスープを飲みながら話をする。




「皆さんはこれからどこに向かうのですか?」




と尋ねると、




「あたしたちはねっ、これからこいつを退治しにいくのっ!」




と一枚の紙と取り出し見せてくれた。




そこには猫科の動物が狂暴そうな面で描かれており、


下には詳細が書いておりいくつかの注意書きと特徴が記載されていた。


そのなかには(「黒豹」のような見た目をした食肉植物です)と書いてあった。




(見たこともない文字だがどうして読めるのだろう?)




と思ったが今更驚くことでもなかったのでそのままその疑問を流してしまう。




「それでねっ、ちょっと相談なんだけど退治するのを手伝ってほしいんだけどどうかな?」




と手を合わせお願いしてくる。




はなしを聞くとどうやら昨日の宴会で、


メンバーの何人かが悪酔いしてしまいまともに動けない状態とのこと。




だが日付を伸ばすわけにもいかず、


厚かましいのは重々承知の上でこちらにお願いしているということみたいだ。




(まぁ、責任の一端が僕にないともいえない)




それを選択したのは彼らだがこのまま知らん顔して立ち去れば後味も悪い。




(まぁコネクションづくりの一環とでもしておこう)




と自分を半場無理やり納得させ、




「ほんと助かるよぉー!」




彼らに協力することにした。

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