断ち話
「昨日の女の子、すごかったわ」
「まじか、お前あの固い子を落としたのかよ」
「ああ、セオリー通りさ。固かったのは最初だけで、そのあとはめっちゃ甘えてきたわ。これで19人だわ」
「……ふん」
男は結局は性欲。
馬鹿な猿でしかない。
もちろんそこで余裕ぶってカッコつけてるお前もだ。
「その鞄どうしたの?」
「これ? 彼がプレゼントしてくれたの」
「え? もう彼氏できたの?」
「そう。この前、付き合い始めたの、これ写真」
「うわ、イケメン。しかもこの人○○○で働いてる人じゃん、いいなー」
女はどこか男に背もたれする。
その癖に自分のほうが立場が上だと傲慢になり、男に指図する。
宝石、バッグ、服を装っては自分が美しいと勘違いする。
そして捨てられれば男は馬鹿だと罵る。
「いや、お前が悪いだろ。勝手に浮気したの、お前だろ」
「だってあなたが仕事ばっかりで、私のこと――――」
「喰わせるために働いてんだよ」
「……惨めねぇ」
お金さえあれば、このようなことにはならない。
そこまで働かなくとも、稼げるから、愛し合う時間がある。
それを知らずに貧乏な男と付き合うなんて馬鹿な女だわ。
妥協したんでしょうけど、あなたくらいの容姿ならそんな男が相応しい。
と見下す女は一人、すでに不倫している。
なおその相手は夫よりも貧乏だった。
自慢されて僻んだりするのではなく、もう諦めてしまえばいい。
勝手にやってろと。
自分を偽るのに私を使ってんじゃないぞと。
こんな話を聞いて感情が揺れないくらいに何かに没頭する。
それが趣味でも仕事でも、なんでもいい。
あるいは愛でもいい。
嫌いなやつの話なんて聞き流せ。
なお、この話は偏見です。
いるかもしれないし、いないかもしれないし、そればっかかもしれないね。
真実とかは知らない。