おしろいばな
ピンク色のおしろいばなの花
その根元には早くも真っ黒の
おしろいばなの実が実ってます
おしろいばなの実をつぶすと
中から出てくる粉のような
胚乳を手の甲にこすりつけて
なんとなくお化粧のまねごとを
かつての子供たちは
していたものでした
手にはおしろい口には紅
花々の恩恵でほんの少し
大人のまねごとをしたのです
今では小学生の間にでも
しっかり化粧をした子供が
雑誌のモデルになったりします
実はその若さこそが最も
高貴な化粧であったという事を
彼女たちはいつ知る事でしょう
そのわずかな時の間だけ
ただ想いだけを代償に
人と繋がれたのだということも
子供に狩られる事もなくなった
おしろいばなは今は心安く
その実りを迎えるようになりました