救われている。
気付いたら
立ち上がれなくなっていた
どうして
ベッドから出ることすら
できないんだろう
滲んでいく世界の中で
元々嫌いだった弱い自分が
更に脆くなってしまったのだと
感情が乾いていく頃
もう戻れない
悟った気がして
絶望にふれた
勇気を持って
踏み出した一歩先
外の世界では
白い目で見られ
自分を守るために
逃げ込んだ部屋の中は
自分の場所なんかじゃない
仮住まい
自分の居場所なんかどこにもなかった
心が休まる
そんな場所なんてなくて
意識を保つ間は
独りで自分を責める日が
僕にとっての日常として
染み込んだ
誰からも愛されるはずもない
誰かを愛していいはずがない
だって僕は
こんなに弱くて醜いから
そう刷り込み切るには
充分過ぎる
時間と孤独と暗闇だった
外の世界で過ごせるようになって
闘って闘って
他人と比べてしまえば
倍以上の時間をかけて
少しずつ進んだ
誰にも理解されない傷で
ぼろぼろになりながら
それでも
恐がりながらも
人とふれあいながら
僕はまだここにいる
そして明日も
愛されたい
愛したい
僕なんかが
そう恥じながら
一人じゃない
理解されない傷
そう思っていた痛みに
ふれてくれる人がいる
共感してくれる人がいる
醜い僕が
それでも生きること
誰かの力になるのなら
これまで生きてきた理由に
今も恐くて仕方ない
折れそうで仕方ない
毎日を過ごす理由に充分すぎるくらい
なっていくから
僕は救われている
一人じゃない




