表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JC聖女とおっさん勇者(?)  作者: 景空
ギルドからの依頼
69/155

第69話 いつでもキレイ?

「ね、瑶さん。結局瑶さんが気になることって何だったんですか?」


あの話の後、3日かけてあたしはホーリーに込める魔力の感覚を掴む練習をしたのだけど、その間瑶さんは中庭でずっと剣を振っていたのよね。何が気になってなんの検証をしていたのかしら。


「ん、まあ大したことじゃない。いや、大したこと、なのかな?やってたのは剣の素振りと、汗をかいた時にクリーンを掛けただけなんだよ。ひょっとすると朝未も薄々気づいているかもしれないけど」


ああ、クリーンの件ね。あたしもおかしいとは思っていたのよね。だからそっと頷いたの。


「私達って狩場を出てすぐクリーン掛けると効果あるけど、ハンターギルドでアレッシアさんにお試しで掛けてもらった時には効果が感じられなかったよね」

「ええ、あれは不思議でしたね」

「あれについて少し仮説を立ててね。実証実験的なことをしてたんだよ」


実証実験?瑶さん、いったいどんな仮説にどんな実験を、いえ、実験は剣の素振りをしてクリーンを掛けることだったのよね。それがいったいどんな仮説の証明になるのかしら。


「それで、何かわかりましたか?」

「ああ、どうやら私達は、いや、今回は私だけでの実験だから、とりあえずは私個人についてか。私は、クリーンを必要としないみたいだね。そして、今までの経緯からすると朝未もおそらくクリーンを必要としない」


それは、あたしもなんとなく感じていたけど、瑶さんは理由もわかったのかしら。


「それはどういう事なの?」

「うーん、実験の結果なんだけどね。ちょっと汚い話もあるけど聞くかい?」

「え?汚いんですか?うーん、でも手加減してくれるのなら聞きます」


瑶さん、ちょっと考え込んだわね。視線もあちこちに泳いでるし、そんなに難しいのかしら。


「まあ、簡単に言えば、やったことは剣の素振りをすれば汗をかくよね。そこで色々なタイミングでクリーンを掛けてみたのが1つめね。これで分かったのは元の世界なら汗をかいて時間が経つと汗臭さが増すのが、時間がたつとむしろきれいになっていったんだよ」

「え?それって洗濯いらずで便利では?」

「ただまあ、このあたり少しは予想してたけどね。ほら最初の1カ月、川にそってくだってきてたから水はあったから色々水洗いこそしたけど、洗剤無しだったのに不快じゃなかったよね。あの頃は涼しい季節だからかなって思っていたけど……」

「実は自然にきれいになっていた?」

「そう、それに考えてみれば水洗いだけの割に服に染みとか残らなかったなとも今になれば不思議じゃないかな?」

「言われてみればあの1か月、服は水洗いだけ、身体も、その、瑶さんに周りを警戒してもらいながら短時間の水浴びだけだったのに不快感なかったですね。でも、そのくらいの実験なら別に汚いってことはないでしょ」


水は冷たかったし、周りに襲ってくる動物とかいたからゆっくり綺麗になんてとてもできなかったのよね。瑶さんは覗かないって思っていても、やっぱり恥ずかしかったし……。


「それで、念のためっていうか追加の実験がちょっと汚いんだよね。聞きたい?」


あら?瑶さん、そんな遠慮するような仲じゃなくなっていると思うのだけど。それでも程度問題かしらね。


「うーん、中途半端に聞いたままだと気になるので聞きたいですけど、あまり聞くに堪えないとこまで言ったらあたしがストップ掛けるっていうのでどうでしょう?」

「わかった」


あたしの提案に瑶さんが頷いて、ちょっと考えをまとめるように目を瞑ってから口を開いた。


「さっきも言ったけど、剣の素振りをすれば汗をかく。でその時に着ていたシャツを脱いで置いておいた。で30分毎くらいに汗を吸ったシャツを脱いで並べていったんだ」


瑶さんは、そこまで言ってあたしの様子を伺っているわね。まあ確かにちょっと汚い話ではあるけど、まだ許容範囲内かしら。


「瑶さん。まだギリ大丈夫ですよ」

「そうか。まああとは、にお……汚れ具合を確認しながら時間経過したものにクリーンを掛けていっただけだね」

「で、どうだったんですか?」

「まあ、時間が経ったものは普通に汚かったね。それにクリーンを掛ければスッキリとキレイになる感じだったよ」

「つまり?」

「まあ簡単に言えば、私達が身に着けた状態なら衣服も一時的に汚れはしても、キレイになるって感じかな。あとはどの程度にまで影響が及ぶか、だけど。まあ服以外は良いよねべつに」

「えーと、結論としては、あたしたちはお風呂に入らなくても清潔で良いね(はーと)ってこと?」


あら?ちょっと難しい顔になったわね。


「まあ、現象としてはそうなんだけどね。原因がちょっと……。一応仮説は立ててみたんだけど。嫌な仮説になったんだよ」


あたしも、ある程度予想してるのよねえ。


「あたしの予想だと、クリーンってホーリーの超下位互換なんじゃないかって思ってるんです。だから汚れみたいなものを邪なるものとして浄化してるんじゃないかと思ってるんです」

「ああ、朝未もそういう予想になったんだね。そうなると魔法を使わないでもクリーンを使っている状態って事かな」

「そういえば、エルリックに入るときにミーガンさんが言っていた神威ってあったじゃないですか。あれが関係しているのかもしれないって感じませんか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ