表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JC聖女とおっさん勇者(?)  作者: 景空
召喚の影響?
151/155

第151話 リーダー

「ねえ、瑶さん。さっきのあれで本当によかったんですか?」

「どこにも問題はないよ。何か気になるところでもあった?」


あたしは、南門に向かいながらさっきのハンターギルドへの報告について瑶さんに聞いている。


「た、確かに嘘はありませんでした。でも……」

「わたし達が5級ハンターパーティーであることは間違いないよ。例えランクが実力に追い付いていなくてもね」

「でも、それで多くのハンターがしなくてもいい怪我をしたり、場合によっては……」

「そこは、ギルドの責任かな」

「え?」

「そうですよ。朝未様。1ハンターパーティーの報告を裏を取ることなく鵜呑みにしたとしたならギルドの責任です」


え?マルティナさんまで?


「朝未様。ハンターはそれぞれに秘匿したい情報を持っているものです。となれば、報告されたものより強力な戦力を想定するのは当然です。それを怠るのなら、それはギルドの怠慢です」

「え?報告内容に対してそんなことまで考慮するの?」

「当然です。そうでなくても偶然という因子はあります。より高位のハンターに確認させるのは当然のことです」

「いわゆる裏を取るってことかしら?」

「場合によっては、報告者の力量の確認や更なる事情聴取などもありえるのです。ですから、瑶様とミーガン様が報告直後にトランを出る日程にされたのは良き判断だったと思います。下手に付き合わされますと、場合によっては国が出てくる場合もありますので」

「うわ、それはたまらないわね。早くミーガンさんと合流してトランを出ましょ」





南門で待っていると、それほど待つことなくミーガンさんが馬車でやってきた。


「お待たせしました。少しばかり仕入れた商品の整理に手間取りまして」

「いえ、大して待っていませんし、依頼主であるミーガンさんを私達がお待たせするのよりずっと良いですから。むしろ丁度いい具合だと思います」


ミーガンさんと瑶さんの挨拶の間に馬車の中を覗くと、木箱が山のように積まれている。これを1日で整理したのなら時間が掛かっても当然ね。


「ミーガンさん、また随分と仕入れられましたね」

「ええ、商人としては、儲けられるのが分かっているのであれば出来る限り儲けるようにするべきですからね」


さすがは商人、可愛い顔はしていても、やり手ね。


「では、出発しましょう」


今日は瑶さんが号令をかけた。これが普通だと思うのよね。


「そういえば、今更ですが暁影のそらとしてのリーダーはどなたになるのでしょうか?」


ミーガンさんが、本当に今更な事を聞いて来たわね。大体聞くまでもなくリーダーは瑶さん……。あら?そういえばその辺り話し合ったことは無かったわね。でも普通に瑶さんでしょ。そう思って瑶さんを見ると、あたしを見てるわね。首を傾げて、今度はマルティナさんを見ると、マルティナさんもあたしを見てる。なんで?


「え?あたし達のリーダーって瑶さんでしょ?あたしずっとそのつもりでいましたよ」

「いや、私はずっと参謀ポジションのつもりでいたよ。むしろ朝未が、こうしたいって方向性をずっと出してきてたよね」

「え、瑶さん??」

「はい、わたしも朝未様をリーダーと思ってきていました」

「マルティナさんまで?」


え?ふたりともあたしをパーティーリーダーって思ってたの?


「でも、年齢とかいろいろな経験とか瑶さんのほうが……」

「だから、その辺りを利用してサポートしてきたつもりなんだよ」

「え?ええ?」

「わたしは、朝未様の奴隷ですし」

「それは形式的なものよね。マルティナさんの事は大事なパーティーメンバーだと思ってますよ」

「それでも、わたしは、朝未様に従います」


そ、そんな。いつの間にあたしがパーティーリーダーに?


「ぷっ、くくく。朝未、そんな深刻にならなくてもいいよ。そんなキッチリとしたものじゃなくても良いんだから。今まで通りに緩い感じで、みんなで話し合っていけばいい。何も責任を朝未に押し付けるつもりもないからね」


あたしが深刻に悩んでいたら、瑶さんがフォローしてくれた。


「もっとも、あたし達って別にリーダーがどうとかあまり関係ないですよね」

「う、うん、まあ、それでいいんじゃないかな」

「ええ、朝未様が、それでいいのでしたら」



「ええと、結局アサミ様がリーダーということでいいんですよね」


ミーガンさんに止めを刺されてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ