■第3章 魔法
■第3章 魔法
キィーーーーン、ヴォンッ!!
う、頭が痛い、、ここはっ!
ーーー俺は気づけば倉庫の中にいた。
「え、、?・・・ソラ??」
そこにはカナがいた。縛られてはいるが、なんとか無事のようだ。
「カナ、助けにきたぞ。」
途端にカナは泣き始めてしまった。怖かったのだろう。つらかったのだろう。
俺が目の前に現れたことにより緊張の糸が緩んだのか。
人目もはばからず、わんわん、泣いた。
「・・・ん?人目もはばからず?」
俺は振り向くと覆面をかぶった大男が3人目の前に立っていた。
ジーンズに黒いドクロがはいったTシャツを着ている。いかにも育ちの悪そうな連中だ。
「てめー!どこから来やがった!!」
3人の中でも、少し太っている大男が、覆面越しにでも分かる程、怒った顔で怒鳴り声をあげた。
「自宅から直行便でね。悪いけど、警察がすぐくるから逃げるなら今のうちだよ。」
俺は内心ビビりまくっていたが、カナの手前、精一杯の格好をつけた。
「くそっ!もう警察がここを突き止めていたのか!早く逃げるぞ!!」
小太りの大男は慌てて叫んだ。
「・・・いや、まて!警察にバレているなら、こんなガキが一人でこないだろ?
通報はしたのかもしれないが、まだ多少時間はある。
顔が見られたかもしれないこのガキは殺し、女を連れて逃げるぞ!」
細身の大男はこの中のリーダーだろうか、やけに冷静に指示をだしてきた。
(いやいや、逃げてくれ!顔はみてないから!!)
警察の名前をだせば、すぐ逃げてくれるという算段だったが、そうもいかないらしい。
心臓がバクバクと鳴っている。なんでこんな出しゃばったことをしてしまったんだ。。少し後悔した。
「・・・いいだろう。警察はもうすぐ来るが、それまで遊んでやる。」
とても怖かったが、フードの男の前に立ったときに比べれば大した事はない。
それにカナの前だ。どうしても格好をつけたかった。
(サンダーってちょっとださいんだよな。よし、)
「来れ雷、愚か者へ罰を与えよ!雷電激流!!!」
俺は鍵を持った手を相手に向け、中二病全開の呪文を唱えながら、サンダーを放った。
ーーーバチバチ!!バチィ!!!!、、ズドンッ!!!
手の先から雷がほとばしり大男3人が激しい電流に包まれた。
(やっぱりだ!!鍵を持っていれば、この時代でも魔法が使える!!)
目をつぶりたくなるような眩しさと轟音が響き渡り、黒焦げになった大男3人は倒れた。
(鍵の力で魔法の威力が強くなってる、、まさか死んではいないよな・・?)
少し不安にはなったが、3人とも息はあり、俺はすぐに警察へ通報した。
「ソラ、ありがとう、、でも今の雷、何?この鍵から出てきたみたいだったけど?」
カナは何が起きたのかよく分かっていなかったが、助かったことは分かったのか、声をかけてきた。
「え?あぁ、魔法だよ。信じてくれないかもしれないけど、、」
「魔法?」
ーーーカナが、鍵に手を触れたとき、なぜか嫌な予感が走った。
キィーーーーン、ヴォンッ!!