■第5章 フードの男との決闘
■第5章 フードの男との決闘
ーーーー夜になり、精鋭部隊を揃えた国中の探索作戦が始まった。
部隊の連携が常にとれるよう巡回し、しらみつぶしでフードの男を探した。
しかしフードの男は中々現れず、街の外れまで精鋭部隊がたどり着いたとき。
国王の城から大きな稲妻が流れた。
***
「お前達、何をしている!やつを倒せ!」
精鋭部隊が探索にでて、手薄となった国王の城に突然、フードの男が攻めてきたのだ。
国王の側近の兵はこの国でも最強クラスであり、探索で兵が少ないといっても
簡単にやられるような兵力ではなかったが、フードの男には攻撃が効かず次々に倒されていってしまった。
探索へ向かった主力部隊は街の外れまで進行しており、連絡すらとれていない。
「兵力を割いたのが裏目にでたか。。ネルの作戦は失敗したことがなかったので油断したよ」
国王は探索に向かった部隊がいなくては勝てないことを悟った。
「想定外の強さですね。攻撃が効かないのは厄介だ。」
ネルは国王の椅子にすっぽり座り、髪をくるくるいじりながらつぶやいた。
「あなたがこのタイミングできた理由が気になります。今晩の作戦を知っていた。そうですね?」
「・・・・」
フードの男は突然しゃべりだした、少年に只者ではない気配を感じているようだ。
「実はこのようなパターンも想定はしていました。
探索に向かった兵ですが、いま全部隊が合流し、もうすぐここに来るはずです。」
「・・・・それはおかしいな。先ほど全部隊は街の外れまでいっていることはわかっている」
とても冷たい声でフードの男は答えた。
「やはり、内通者がいましたか。しかしあなたは昨日の夜、取り逃がしたもう一人の人物を忘れたのですか?」
「・・・・まさか。」
キィーーーーン、ヴォンッ!!
「さーーて!ご一行様のご案内っ!!」
空間が歪み、昼にネルと打ち合わせした決め台詞とともにソラは現れた。
想定外のことがあったとすれば、探索部隊全員と跳んでくるはずが、ソラ一人だけしかいなかったことだ。
「・・・・あれっ?」
ソラは焦った。。ご一行様といいながら一人という恥ずかしさからではない。
昨日、死ぬ程恐れたフードの男が目の前にいて、国王の兵も皆、倒されている。
状況を冷静に見ると、ネルと国王は戦力にはならないし、ロイがいない分、昨日よりも絶望的だ。
「・・・ソラさん、国王を連れて安全なところへ跳べますか?」
流石のネルもここまでは想定外だったのだろう。少し困っている様子だ。
「いや、部隊全員を跳ばそうと無理をしたのか頭が割れるように痛い。
おそらく時空間移動の魔法はしばらく使えない。。」
頭痛で上手く思考できないが、とてもまた跳ぶことはできそうになかった。
「はははっ!わざわざ殺されにきたのか。だが、まずは国王からだ。」
フードの男は国王へ近づいていく。
(まずい、まずい!このままだと何もできずにまた人が死ぬ!何かないか、、!)
腰には探索時の護衛用に剣があるが、斬り掛かったところで簡単に殺されるのがオチだ。
サンダーも前回全く通じなかった。。やはりだめか、、でももう逃げるのはいやだ!
「根拠なんてなくていい。自信があればなんとかなる」
ーーーふと父の口癖を思い出した。・・・そうだ。どんな絶望的な状況でも自信をもてっ!
「おい、そこのフードの男!俺には必殺技があるんだ。最後にもう一度勝負をしないか?」
「・・・やはり不思議なやつだ。」
口から必殺技という言葉がでてきたが、根拠は何もなかった。
それでも自信をもって前に進まなければ、状況は変わらない。
フードの男は国王を狙うのを止め、こちらにじりじりと近づいてきた。
俺を殺そうと思えばすぐにでも殺せるはずだ。
しかし、必殺技というハッタリが効いたのか、慎重に動いている。
・・・そういえば、初めて会ったときも、フードの男はなぜか俺のことを警戒しているようだ。
もしかしたら、俺が異なる世界から来た何か異質なものを感じているのか。
俺のもとの世界。。。魔法はないけれど、科学ではこの世界よりも発達している。
・・・科学、、剣、、電気、、・・・そうだっ!!
できるかは分からないけどやってみよう。
俺は剣先を相手に向け、剣に電流を流した。
・・・バチィ、バチィバチィ!!ジジジッ!!
(・・・やっぱりそうだ、電流を流せば、磁場が発生する。魔法で電流と磁界どちらもコントロールできる!)
ーーー電磁誘導。確かそのような名前を学校で習ったような気がする。
とにかく電流と磁場を手元でぐるぐると回転させ、剣へ力を生み出そうとした。
(・・・ッ!!こ、この感覚だ!剣が相手の方向に向かって引っ張られる!
ここでもっと強く電流を円形に回し続ければ・・!)
俺は最後の力を振り絞り、ありったけの電流を一気に流し込んだ!!
「俺が、、英雄だーーーっ!」
ーーーバチバチ!!バチィ!!!!、、ズドンッ!!!
次の瞬間、自分でもびっくりするくらいのスピードで剣が手元から発射され、
フードの男の腹を突き抜けた。
フードの男の攻撃をはじく魔法がどのような原理かは知らないが、あまりにも速かったためか、
防ぐことはできなかったようだ。
フードの男はその場に倒れ、意識を失った。
後で分かったことだが、命に別状はなく牢獄に監禁されることとなった。
ーーーこうして俺は国を救った英雄となった。