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■第4章 ネル

■第4章 ネル


俺とロイは警護所に向かい、先ほどの出来事を伝えた。

警護官達はすべてに納得をした訳ではなかったようだが、

ロイの説得もあり、長官を含め総勢10名の警護官が現場に向かった。


しかし、すでにフードの男はおらず、警備官3人の死体があるだけだった。

俺とロイはその後も詳しく事情を聞かれた。

時空を超えた後遺症なのか、ひどく頭痛があったが時間とともにひいてきた。


***


「国王陛下。ご報告致します。昨日も三名の警護官が亡くなり、

国の警護が行き届かなくなるのも時間の問題です。」


豪華絢爛。ありとあらゆる宝石や黄金に彩られた王室の中で、

国王陛下と呼ばれた、白ひげを長く生やした老人がゆっくりと口を開いた。

「・・・うむ。ネル。君の意見を聞きたい」


ネルと呼ばれた、くせ毛が酷く、年齢はまだ12歳くらいの子供が

どこかそっぽを向きながら話しだした。

「はい。長官のおっしゃる通り、このまま警護官殺しが続けば兵力に支障がでてきます。

早急に兵力を集中させ、一気に叩くのがいいでしょう。

上級の警護官もやられていることから、精鋭5名の連携部隊を3部隊用意。

常に連携がとれるように配備し、さっそく今晩あぶり出しを行いましょう。

それと精鋭5名とは別に昨日の報告でフード越しにでも顔を見た2名のものも部隊に加えてください。

これが配備員リストと巡回経路です。」

かなりの早口だが、理路整然とした話し方で説得力がある。


「長官。ネルの言う通りに警護官の配置を行い、今晩作戦を実行せよ」

国王は長官へ命令した。老人とはいえ、やはり国王だ。態度、言葉一つ一つに重みを感じる。


長官は国王からとはいえ、少年の作戦に従うことに、

面白くなさそうな顔をしていたが、資料を受け取った。


「それと、長官。昨日の報告に時空間を跳んだ者がいると言いましたね。

その方に今すぐこちらに来るよう伝えてください。とても興味があります」

「・・・わかりました。ただの戯言を抜かす頭のおかしいやつですがね」

渋々、長官はネルの言う通りにソラを呼びに向かった。



***


ーーー国王の城。ネルの部屋にてーーー


「すみません、ネルという方に呼ばれたのですがー。」

俺はいきなり王室から呼ばれ、驚いたが、お城の中がどうなっているのか興味はあった。


「あなたが、ソラさんですね」

「・・・君がネルさん?」


「はい。急に呼び出してしまい申し訳ありません。何点かお聞きしたいことがありまして」

抑揚がない声でまだ中学生にもなっていなさそうな子供がペラペラとしゃべりだした。


「昨晩、あなたは時空を超えて、ロイ警護官の前に移動、その後、ロイ警護官とともに寮へ移動した。

と報告していますが、このような時空を超えたことは以前ありましたか?」


「いや、そんなことは・・・あ、信じてくれないだろうけど、

今思えばこの世界に来たときには鍵のようなものをもって時空を跳んできた気がするな」


「鍵を持って時空を。。あなたはここを夢の世界だと思っているようですが、

この世界で私は12年分の記憶をもっていますし、私にとっては紛れもない現実です。

あなた自信に時空間移動の魔法の素質があり、跳んできたと考えるほうが妥当ですね。」


「・・・いやいや、俺がここに来る前の世界はね、そもそも魔法なんてないんだ。

火も電気もみんな科学の力で利用しているんだよ。」


「科学の力。。それはどういものです?」

「えっと、原理はね、、確か、酸素を・・・あれ?」


「あなたが魔法がない別の世界から来ていることはわかりました。

ですが、この世界で魔法が使えないということにはなりません。鍵をもって時空を超えたといいましたが、

その鍵がこの世界のもので、この世界の影響を受け魔法を使ったと考えれば、こちらにくることも可能でしょう。」


「・・・初めて俺の話を信じてくれた人に出会ったよ!!でもそれじゃここは夢の中ではないってこと?」

「先ほども言いましたが、この世界は現実です。時空間移動の魔法はそうそう使えるものではありませんが」


(驚いた、確かに夢の中にしてはリアルだし、俺の頭の中ではこんな子供は出てこないだろう。

ということは昨日俺はなんて無茶なことを・・・というよりどうやったら元の世界に帰れるか?)


「ソラさん、ちょっと話があります。」

ネルは俺に今晩の作戦のことについて話をしてくれた。



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