表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

kumaさん編

作品名:「魔族の姫は黒猫に転生後、猫耳少女へ生まれ変わりました~雨の日に拾われたので名前はレインです、私結構気に入ってます。」


作者様名:kuma さん

作品URL:ncode.syosetu.com/n9248fk/


「『風呂』のち『異世界』」より



~スーダラ文体~


雨・・・・・・あめぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!


めっちゃ降ってるしぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!


スパァンッ!

スパパァアアンッ!!

スパパパパパパパパパパパパパパァアアアアアアンッ!!


容赦がない。

雨にはまるで容赦がない。

とにかくさっきから身体中の皮膚という皮膚をスパァン! スッッパァアン! と、容赦ない感じの雨に「なぶられ」続けている。


・・・・・・雨、コノヤロウ。調子にのりやがって!


にしても、こいつらマジで手加減ってものを知らねぇのな。しかも集団で一斉に襲い掛かってくるとか。なんだ、おい? 君たちは山賊か? 「アンリミテッド・レイン」とか、そんな厨二ネーミングの一味ですか? ボスの名前は「レインボーさん」ですか? 七色の幹部とかいたりしますか? 「果てなき盗みの日々の先。俺たちだけの虹のかかる国を見つける」んですか? ぜってーねぇからな、そんな国はよぉ!


・・・・・・ところでさ。言っていいかな?


いや妙にさ。

全身全霊全ての毛穴にくまなく雨がタッチしてくるなって。

穴という穴のキャパオーバー敏感肌がダム決壊! 状態なんだけどさ。


これって・・・・・・俺・・・・・・もしかして・・・・・・


――裸? 

――え? 全裸? 

――ぜぜぜ、全裸なの、俺!?


ええええええええええええええええええええっ!!?


なに?

なんで?

なにゆえ全裸!?

ってかそもそも「俺」ってなにいいいいい?

俺、誰ぇええええええええええええええええええっ!!?


え? えええ? なにっ!? やだ怖いっ!! なんで俺、全裸全裸全裸で下半身丸出しにして山賊雨になぶられてんの!? ってか、マジ俺・・・・・・お、俺? 「俺」って誰誰誰なんだよっ!?


「俺」がどうにもこうにも状況がつかめず、せめてもの恥じらいで両の手の平でもって下半身を隠しながら心も頭もムスコも一斉にオロオロポロポロしていると、不意に頭の中にピカッ!! と閃くものがあった。


・・・・・・記憶? これは・・・・・・まさか「俺」の記憶ってやつですか・・・・・・?


『ゆうま––––––』


ゆうま? 誰それっ!? もしかしてソレ俺? そんでもってアンタ誰っ!!?


『あなたは、私の『未来』だから・・・・・・』


今度は誰っ!? ききき、記憶が切り替わったの!!?

女!? 女の人の声だった? いまの!?

え――? 誰? なんか・・・・・・ずっと聞いてた声のような・・・・・・ハッ!? ままま、まさか彼女とか・・・・・・!?


『レイン、お前だけが俺の家族だ・・・・・・』


また変わったし!? 自分の記憶ながらいっそがしいな、オイ! 今度はなに? レイン?

うわっ! 唐突にクロネコ!? やーめーて! 前横切らないで! 不幸になっちゃうじゃん!! シャーッ!! ってか!? こわっ!! 急に威嚇してくんなよネコチクショウが!! 大きく開いた口からのぞく牙が怖いから。ネコつっても肉食獣なのな。つーかさ、口と一緒に見開いた目がまた怖いね! 真っ青な目ん玉!! スカイブルーっつの? クロネコったら目、黄色がデフォでしょ? なんで青いかな? おいこらっ! ネコ! デフォルトと違うカラーリングしたくらいで個性だせると思ったら大間違いだかんなっ!? デビューしたてのお笑い芸人がとにかく目立つために奇抜な髪の毛にしちゃって、そのままマイナーチェンジのタイミング逃していつまで見た目の面白さに頼るんだっつうバットスパイラルに・・・・・・。 シャァアアアッ!! って!? だから威嚇してくんじゃないっつの!! ったくもぉ、怖いんだって!


『あかつきくん!私の人生を・・・・・・』


は、はい? え? なに? こんどは誰? あかつき? ってかクロネコに夢中でこれが自分の記憶(?)のなんかフラッシュバックっぽいやつだって忘れてたわww 


『おまェはァ…背信の王様だろォ?なァ・・・・・・良ィご身分だなァ・・・・・・エリヤ兄さん』


聴こえにくいな! なんで語尾がワァンワァンいった感じで歪んで聴こえるのよ? マイク、ハウリング起こしてない? 音響さんにちゃんとチェックしてもらって!! ハイ! マイクテスト! ワン、ツー、バッファファーイにゅーん!! OK? あ? 違う? マイク問題ない? ふぁぁん? え? もしかして俺の頭がハウリングしてんのか、これ?


『あナたハ……ワたシのモノ・・・・・わたシだケノユウマくン…ワタシのモノ・・・・・・』


もーー!! なによ今度は!!? 目まぐるしいし聴きづらいしっ!! ひらがなとカタカナがゴッチャ!! 統一して!! 人とハナシってか、人の記憶でゴチャゴチャ言うんだったらまずは整理して! その辺のルールとマナーしっかりしていうこうよ?

な? こっちも色々パニクってんだからさ。 ちょっとお前ら集まって! とくにそのクロネコから以降、全員こっち来て一回座って!! 落ち着こう。な? 一回落ち着いてお茶でも飲みながらさ、ゆっくり整理していこう。そんでもって俺が誰なのかを・・・・・・


ピッカァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!


いやぁああああああああああああああああああああああっ!!? 今度はなにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!? ってか眩しいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!?


唐突に自分の真横に・・・・・・コレ、太陽でも出てきたんじゃないの? っていうくらい眩しくて太っっっっっとい光が現れた。当然のごとく俺は目をやられてわけだがこんな時でもあの往年の名作アニメ映画のワンシーンをパロることを忘れなかった自分を誉めてやりたいと思う。


「目がっ!!? あぁああ目がぁあああああっ!!? 」


あ、ここにきてこれまた気付いちゃったけど、俺、初めて声出したわ。俺ってこんな声なのな。意外に甲高いっていうか、若い? 若者なんだな俺。全裸記憶喪失だけど。


ふいっ。

不意に太い光が一瞬で消えた。


もうツンデレヒロインが主人公から照れくさそうに「ふいっ」と顔をそむけるくらいの素っ気なさだった。ほら、白熱灯電球つけててさ、スイッチひねって消してもしばらく名残惜しそうに光がうっすら残るじゃない? ああいうのが一切ない。あれだけ太っっっっとい光だったのに、見事な暗転っぷり。


・・・・・・だっ? え? ちょっと暗転長くない? マジなんにも見えないんですけど? ちょっ、ちょっと早く灯りつけて! ローソクでもなんでもいいからさ! 暗いの怖いから!! ちょーーーーっと!! 誰かぁあああああああああああっ!!? 

ヤダマジコワイッ!!

暗いのヤダッ!!


何も聞こえないし何も見えないし何も感じないしいや正確にはめっちゃ恐怖は感じてるけど!! とにかく頼むよ! 誰か明るくしてよ!! 怖いって。こんな無、無、無、無な空間で記憶もなくてパンツも無くてホントこれ、俺にどうしろっていうのよ!? ムリゲークソゲーすぎんでしょうがぁあああああああっ!!


ああああああーーーーーーーーーんっ!!


気付けば俺は真の闇の中、大声をあげて泣いていた。


頬を伝って落ちた涙が自らの太腿を温かく濡らしていたのだがこれがけっこうベタベタして余計に気分がダウナーな感じになっちゃってまた泣いてホントにどうにもこうにも回っていかない感じだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ