はじめまして
心が全てだった。様々な外的環境を改善しようと、他人の評価、自分の容姿、その他整えるべき物体ばかりに気を取られていたけれども、大切なものはそれじゃなかった。
ぼくがいずれ、事切れる時。
幕切れを迎えるその瞬間。
自分に残されるものとは一体何か。
そこには他者や、自分に感触を与えるようなものは残されていないことに気づいた。
そして朧な意識の中、残っているのはその意識、つまり心だけなのだ。
自分と心だけが残され、ぼくは最後のその瞬間、そこに刻まれたいくつもの文字や絵や、焼き付けられた何かを眺める他ないのだ。
簡単にすると、
目を閉じ、耳を塞いでしまえば、外的世界に入り込む余地はなくなる。
触覚だけはあるかもしれないが、それはただの、心を守るためにそれに着せたプロテクターのようなもので、初めから心の一部としてあったものだ。
自分には心しかない。
真っ暗闇のなかで心の手足で動き続け、その下に伸びるのは、それが辿るべき軌道だけ。
本当は何を望み、何を大切にしているのか。
こんなに簡単なことだった。
興味を持ってくれて、どうもありがとう。