6話
俺達が部屋を出て、直ぐに扉が閉まる。
目の前にいつから居たのか、メイドが立っていた。
「部屋へ、案内いたします。」
そう言いスタスタと歩き出す。俺達の付いて行き、おそらく前と同じグループで部屋に入る。
内装は、寝心地のよさそうな清潔なベッド、綺麗な机、椅子、更に三面鏡もあり、よく分からない魔道具(魔術で作った、或いは魔術を使った作道具)が置いてある。
もし金を払えと言われたら、間違いなく一流ホテルに匹敵するであろう部屋だ。
「やっぱ、金持ちって頭おかしいわ…」
「同意する。」
部屋に入って、第一声がこうなるほど、高そうな内装だった。
とりあえず荷物を下ろす。
荷物を下ろし終わった零也が、ベッドに腰を掛ける。
「それじゃ、説明してもらうか?今後の計画について。」
「ハイハイ、話しますよ、で何が聞きたいんだ?」
「最初からだよ、これからの計画、最終的にどう話を持って行くのかまで、全てだ。」
うん、まぁその辺のことは、まだ言ってなかったから、しょうが無いか。
「…まず、さっきの王との話で時間が少しだが出来た。
そして俺は依頼を重ねて似たような条件にした。」
「似たような条件?」
「ああ、今回の依頼は2つ、神隠しにあった奴の捜索と魔王との交渉。後者は間違いなく、ほぼ全ての国が動かないといけなくなる。」
「なるほど、それは王国も例外じゃない。」
「しかも、居る可能性が高い国にいけるし、俺もある程度自由に動ける。」
「OK。今後の計画は分かった。が、ここからどうするんだ。」
「歴史、こちらの魔術の研究のために!図書室へ行く。」
「りよーかい。」
零也はそう言い、ベッドに倒れ動かなくなった。
しかも寝息まで聞こえてくる。
俺はそれを無視して図書室に向かって歩き出した。
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「…迷った。」
俺は図書室を目指して王宮らしい城の中を探索していた。
しかし、かれこれ30分くらい迷っている。
更に、ご都合設定のように誰もいない
「王女相手にいろいろしたからなぁ、嫌われて当然か。」
そう独りごちりながらまた、歩き出す。
しばらくうろうろ歩き回っていると、足音がこちらへ近づいてくる。
(どうするかな…ヘタしたら死にかねない。とりあえず様子を見るか、)
足音どんどん近づき、だんだん姿が見えてくる。
ローブを着た男のようだった。