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新解釈童話・昔話シリーズ

おにの島

作者: イソジン

想像です

むかーしむかしある島は【おにの島】と呼ばれていました。


その島は要らなくなった人や体に障害があったり、仕事で失敗してしまった人などが棄てられる島でした。


お荷物を捨てる島から転じておにの島と呼ばれ、いつのまにかお荷物のおにが角がはえた化け物の鬼と間違えられ【鬼の島】となって知れ渡りました。


長い年月が経ち、おにの島の本当の意味を知っている人たちはいなくなり人々はその島を恐れ近寄らなくなりました。


一方棄てられた人々は島に不思議な力があるのか流れる時間が違うのか普通の人よりずいぶんと長く生き、動物としゃべれるようになりました。そしてお互いのできることしながら支え合って一生懸命に生活していました。また島で生まれた子供は強く丈夫で大人になるまでが早く1ヶ月で20歳ほどになります。


鬼の島はさかえました。技術を手にいれた人々は島でとれた赤い石や糸になる植物を使い指輪を作ったり服を作ったりしました。


鬼の島と呼ばれ恐れられてから100年ほど経ったでしょうか。そんなあるとき島の近くで嵐がおこり、流された船が一隻、島に漂着しました。船に乗っていた人々はひどい怪我をしていて意識がありませんでした。


心の優しい鬼の島の人々は自分達を棄てた人の子孫であろう彼らを助けました。


ですが目覚めた人々は「触るな化け物!俺らをどうする気だ!」「近寄るな!近寄ったら殺してやる」と暴言を吐き、更に無抵抗な島の人たちを傷つけ指輪や服等を盗んで帰っていきました。


そのままあげても良かったのですがこのままだと何度も奪われると思い、奪われた物を取り返すため島から出て大陸の村に行きました。村の人々は鬼の島から人が来たのを見ると逃げ惑いました。


ですが人が逃げていった村を探しても奪われたものはありませんでした。それどころかこの村には食べ物もほとんどありませんでした。島の人達は気になり隠れていた村の人を見つけ聞きました「この村にはなにもない。私たちから盗んだものをどうした」

村の人は答えました。「当たり前だろ…領主様が全部持っていってしまうんだ…米も作物も…そもそもこの村に船を持ってる人なんかいないよ」


島の人達は村の人達を驚かせてしまったことを謝り、島の食べ物を村にあげました。村の人達も姿を見ただけで逃げたことを謝り島の人達を理解しようとしてくれました。


本当の敵はその領主です。本当の敵を見つけた島の人達は次の日領主の家に行きました。領主を守っている兵は島の人達を見ると逃げ惑い「化け物だぁ…」「鬼がきたぁぁ…」と騒いでいます。

領主の家は村の人達の家とは比べ物にならないほど豪華で、食べきれないほどの食べ物で溢れていました。島の人達は盗まれた物を取り返し領主に村に食べ物を分け与えることを約束させ島に帰りました。


奪われたものを取り返し島の人達は大喜びをしました。また領主も余程怖かったのかそれ以来、島に来ることはありませんでした。


それからまた何十年か経ちましたが島の人達はやっぱり、歳をあんまりとりませんでした。村では鬼の島の人達がいい人であると思っている人がもう残っていませんでした。それどころか領主の一族が宝物を奪われたと教え込んでいたのでそれを信じこんでいました。そして村は貧しいままでした。


それを知った島の人達は村の人達の為にある作戦を思い付きました。


その作戦は英雄をつくり自分達を怖がってることを利用し、領主が威張れないようにするというものです。


詳しい作戦はこうです。島で生まれた子供を箱に入れ、川で洗濯をしている老夫婦に拾わせ大事に育てて貰い、自分達を退治に来るように仕向け、宝を持たせ領主一族を従わせるというものでした。


島で志願した親から子供を預り、島でとれた美味しい食べ物をいれたピンクの箱と一緒におばあさんが洗濯しているのを見計らい川に流しました。その子は拾われ桃太郎と名付けられました。


1ヶ月ほどたったとき、川に流した男の子が大きくなり猿犬鳥をつれ島にやって来ました。島の人達は桃太郎にこの作戦を説明すると桃太郎は理解し協力するといってくれました。桃太郎は本当の親との再会をよろこびました。その後、島の人達は宝を渡し桃太郎は村に帰っていきました。


領主はよろこび桃太郎に褒美をとらせると言いました。桃太郎は褒美はいらないから村を豊かにしてくれ頼み、約束させ、村は本当に平和になりました。


その様子を近くの海から見届けた島の人達も幸せな気持ちになり島に帰りましたとさ。



めでたしめでたし













本当の悪は人の中にある人を蔑んだり、除け者にする心なのかも知れません

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