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自称神様の加護?で異世界最強  作者: しるばぁ
4/8

第4話 突然ですがピクニックです。

かなり久しぶりの投稿

申し訳ありません…orz

 時間というものは、過ぎるのがとても早く感じることがある。


 そんなこんなで、今年で俺は異世界に転生してから3年が経過した。つまり俺は身体的に3歳児まで成長したということだ。もう一人で立ち、家の中を自由に歩き回れるようになっているし、言葉も一度きりの冒険以降、ルーラリアの書斎に毎日のように行き、この世界の事を教えて貰っていたのもあって、それなりに喋れるようになっている。


 この世界のことの色々分かってきた。


 ちなみに、月日と時間は地球と同じだった。1年、12ヶ月、365日、1日24時間と、とても覚えるのは楽だった。


 だが、やはりここは異世界。年号は違った。


 この世界での年号は、昔の全大陸の戦争で勝利を収めた大陸の国が年号を決めたらしく、それ以来、大戦は起こっていない為、歴史上年号は一つしか存在しない。今は玄武歴751年だ。


 これは、どこの国が一番権力を持っているのかという事を表しているらしい。


 もう一つ言うと、750年間大陸同士での大きな戦争は起こっておらず、長い間、世界は平和だということも表している。



 次に分かりやすかったのが、季節だ。この世界にも春夏秋冬と4季があり、今は春真っ盛りである。今日は、近くの丘に行きピクニックを楽しむ予定です。



 目的地の丘は、一面広大な草原が広がって居て、周りにはヒツジのような動物が数頭で固まって日光浴をしている。頂上にはかなり大きく立派な木が立っている。


「さぁ、着いたぞ!」


 ジークスはそう言うと、シート諸々を用意し始めた。


「…あの、リア様。私達も付いて来て良かったんですか?やっぱり留守番をしていたほうが良かったんじゃ…」


「だめよ!あなた達も私たち、フロヴァルト家の大切な家族なんだから、一緒に行くのは当たり前じゃない」


「ミレイお姉ちゃんは、僕たちといるのは嫌なの?」


 リアと手を繋いで歩いていたルークスは、目をうるうるさせてミレイに近づく。ちなみにミレイは、ルークスが演技をしているなんて知らない。


 なぜ俺はこんな羞恥プレイみたいなことをしているのかと言うと、前世の記憶はあるものの、普通の3歳児が難しい事を言うと面倒なことが起こりそうだったので年相応の会話をしようと心掛けているのだ。


「うっ、そんな目で私を見ないでぇ~」


「ホッホッホッ!ミレイ殿はルークス様には敵いませぬな」


 メイドのミレイは、ルークスの事を本当の弟のように可愛がっているせいか、彼には物凄く弱い。


 ちなみに、ジークスと一緒に準備をしているのは執事のクレイルさん。ジークスと共に道場の師範をしている人で、家のこともほとんど彼が済ませてくれる。そして、とても紳士的な人だ。


 ただ、時々不思議に思うことがあった。以前、1階で朝食をとった時、キッチンの方で食材の在庫などを調べていた彼を見たあと、2階の自室に戻ったら、部屋の中に彼がいて、掃除をしていた。


 その時、俺はクレイルさんって何人いるんだと思って、ルーラリアに聞いた事があるが、「何言ってるの、クレイルは一人しかいないわよ」って言われてしまった。


 それから、時々彼を追っていると家の中だというのに見失うことがほとんどだった。本当に不思議な人だ。


「…おーい、もう準備できてるぞー」


 ジークスが、敷き終わったシートの上で座って、こちらの様子を眺めていた。ルーラリアとミレイと俺は、急いでシートに腰掛けた。そして、ルーラリアは持っていた弁当箱を広げる。


「じゃじゃーん!今日のお弁当はね、ルークスも一緒に作ったのよ」


「おぉ!それは楽しみだ!」


ルーラリアが広げたお弁当は、今回俺も手伝ったものだ。転生前は、一人暮らしというのもあって料理は多少していたが、ほとんどがコンビニ弁当などで済ませていたため、料理自体は十数年ぶりだった


「これが僕の作ったおにぎりだよ!」


 俺はそう言いながら、自分の握ったおにぎりをジークスに差し出す。


「おぉ!可愛らしいおにぎりだ!」


 まだ子供が握ったおにぎりなので、ジークスの手のひらだとすっぽり覆い隠せてしまうくらいのサイズだった。さらに、おむすびのように綺麗な三角形にならずに、可愛らしく丸く出来上がっていた。


「どれっ…(パクッ)…うん!美味い!」


「えへへ///」


 どうやら、美味しかったらしい。まぁ、自分の息子が作ったおにぎりだ。親バカな父から『不味い』なんて言葉飛んでくるはずもないか。


 それからは、ジークスが俺の握ったおにぎりを次々と口に放り込んでいった。それに負けじと、ミレイも可愛いおにぎりを口に放り始める。最後の一つになった時に、ジークスとミレイが壮絶な取り合いをしている所にルーラリアが、さりげなく口に放り込み、2人が膝から崩れ落ちたのは面白かった。


 お昼を済ませたあとは、俺はジークスとクレイルの3人で剣の稽古をした。


 まだ幼いというのもあって、これといって剣術と言えるものは教えてもらっていない。


 基本的な走り込みや、筋トレ、素振りのみで正直毎日同じことの繰り返し、飽きるような事ばかりだ。しかし、体を動かすというものは、スポーツなども同じで基本的なトレーニングをして身体を作り上げるとともに、同じことを繰り返し、習慣として身体に覚え込ませて、実際に剣術を覚える時に体がしっかりついていけるようにする。


 この飽きるような作業をひたすらやり続けることは、とても大切な事だとクレイルさんから教えてもらったので、諦めずに続けている。


 とは言うものの、体はまだ子供なので、大人と同じトレーニングをしようとしてもついて行けないのは当たり前で、素振りをしている途中で俺は疲れ果てて、ルーラリアの膝を借りてバテている。


「こんなことでバテているようじゃ、まだまだ剣術を教えられないな!ハッハッハッ!」


「仕方ないじゃないの。ルークスはまだ小さいんだから、これでも頑張っている方よ」


「何言っているんだ。俺がルークスぐらいの頃は山の中を走り回ってスライムやらゴブリンやらと何度も戦ったものだ」


「フフッ。それはジークがおかしいだけよ」


「そうですぞ、ジークス様。私も、その頃はまだ兄弟と家の中でしかかけっこをしたことしかありませんぞ」


「何だ、みんなして。俺はいたって普通だぞ!」


 ジークスの昔話をして皆は和気あいあいとしていた。そんな中、俺は今スライムでもなくゴブリンでもない強敵と戦っている最中だ。それは…睡魔だ。これが何とも強敵で、今まで一度も勝った事がない。


「ふぁ~…スゥ…スゥ…」


 そして今回も睡魔に勝つことはできなかった。


「…あら、ルークス。気持ちよさそうに寝ちゃったわ」


「おいおい、俺の小さい頃の話の途中だってのに…ったく、仕方ねぇやつだなぁ」


 そう言ってはいるが、ジークスも頬を緩ませてルークスの寝顔を眺めている。


「いったい、どんな夢を見ているのかしらね」


「きっと、楽しい夢でも見ているんだろう」

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