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自称神様の加護?で異世界最強  作者: しるばぁ
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第1話 プロローグ

主人公!転生します!

「オワタ…」



 とある公園のベンチで頭を抱える人がいた。

 彼の名は真城一真(ましろかずま)。三日前に無職になったばかりの新人ニート。趣味はマンガ・アニメ鑑賞等、特技はこれといったものが無い。以前までの彼はバイトに行き、自宅に帰ってからはマンガ・アニメを見てダラダラと過ごしていた。

 ちなみに、なぜ公園で頭を抱えているかというと、バイト先の店長と少し言い争って感情的になり『なら辞めてやる!』と言ってしまい三日前クビになった。



「はぁ~、明日からどうすっかなぁ~」



 半ば後悔の入った表情でそう呟き重い腰を持ち上げて、どこか遊びに行こうかと思ったが、こんな気持ちでどこかに行っても楽しめるわけでも、ストレスが発散できそうもなかったので自宅に帰ることにした。

 ちなみに、なぜ22歳にもなってバイト戦士だったのかと言うと、就活がうまく行かなかったのだ。決して遊んでいた挙句、ろくに就活をしていなかった訳じゃないんだからね!と、誰に言うわけでもなく、ただ心の中で自分に言い聞かせていた。



 そう頭の中で嘆いている間に一真はアパートに着いた。

 ちなみに、一真は田舎から都会に上京してきているので、一人暮らしだ。

 だが、その生活も今日で終わる。というのも、明日にはこの部屋を空けないといけないからだ。



「にしても唐突だったな、あの大家さん。一昨日急に訪ねてきたと思ったら、いきなり今週中にこのアパート立て直すから出て行ってくれとか。このアパートにいるのが俺だけだから急に決めたのか。自由気ままな大家さんだな…まぁ、今月の家賃は払わなくていいって言われたからある意味ラッキーだったと思っておくか」



 本当にいきなりだった。

 三日前、家に帰って電気をつけた瞬間、見張っていたのかと思うぐらいのスピードで大家さんが二階までの階段を駆け上がる音がして、ドアをノックしてきたのだ。そして俺が扉を開けたとき、かなり新鮮な話題を振ってきた。



「あんたバイト、クビになったんだって?三ヶ月分の家賃まだ滞納中なのに、バイト辞めて払えるのかい?」



「えっ…なんで知って、いや…その…すいません。明日にでも新しいバイト先見つけるんで勘弁してもらえないですかね?」



 いや、あれだよ。

 みんな大学生になって、時間に余裕が出てくると、色々遊びに行きたくなるでしょ?

 ちょっと俺も、遊びに行って、それで後先考えずにちょっとだけ、お金がなくなっちゃっただけなんですよ。決して、家賃の事がどうでもいいなんて思ってないですからね?



「ふんっ。そう言うと思っていたよ。まぁ、丁度いいタイミングだし、あんたに伝えておくよ。今週中にこのアパート取り壊して、新しいアパート建てるから。それまでに出て行っておくれ。そうしたら家賃の滞納をチャラにしてあげるよ」



「…」



 そう言って、大家さんは隣の自宅に帰っていった。

 大学1年から4年までの4年間を、ここで過ごしてきた俺にとっては思い出の場所が今週中にはなくなると宣告されてしまった。

 衝撃的ではあるが、それよりも出て行けば家賃の支払いを免除してくれることの喜びが個人的に勝っていた。

 ここまでが三日前の出来事だった。



「この部屋で寝るのも、今日が最後か…長いようで短かったな。まぁ、なんだ‥4年間ありがとな」



 誰に言うわけでもなく、ただ段ボールが2,3箱と布団だけが残った部屋と、わざわざ俺のために4年間建て替えせずに住まわせてくれた大家さんに感謝を込めて一礼した。



「一応次に借りる予定の所は、ここの家賃より高いし、次のバイト探さないと。いっそのこと勇気出して実家に帰って親父の畑仕事でも手伝うという手も…いや、あそこで腐っていくのだけはごめんだ。」



 何とも親不孝者である。明日以降の多忙になるであろう生活にため息を吐きながら布団に身を沈める。



「…ル…ス…逃げ…」



 なにか聞こえたような…最終日にして心霊現象の類が拝めるのかと、部屋の周りを布団の中から見回してみるが、これといって何も見えないし、さっきの微かな声以外何も聞こえなかった。

 それよりも、なんか今日は布団が重く感じる。金縛り…いや、単純に疲れが溜まっていたのかな(主に店長との激しい激闘?のおかげで)。

 色々気になり頭を回そうとするが、意識がどんどん遠のいていく。


 …。


 ……。


 …………。


 ん?


 急に体が軽くなったような…。いや、それより急に周りが騒がしくなってきた。あぁ、多分あれだ、夢の中だ。

 そんなことを思いながら瞼を開けた。

 そこには黒い板が中に浮いていた。それ以外は何も無かった。

 あれ?さっきまで俺、自宅で寝てたよな?どうなってんだ?

 何故こんな何も無い場所にいるのかと考え込んでいると、黒い板に何かが映され始めた。よく見ると、何処かで見たことのあるアパートがものすごい勢いでファイヤーしていた。



「あれって、俺が住んでるアパートだよな。それにしても今日に限って妙に生々しくて悲しい夢だな。せめて最後なんだから楽しい夢でもいいじゃないか。」



『これは夢じゃないよ』



「…は?」



 俺の後ろの方から突然声がした。



『だから、夢じゃないって。君、今さっき死んじゃったんだよ。』



 後ろを振り向くと、そこには少年が立っていた。

 見た目は十代前半ぐらいで、金髪のような銀髪のような微妙な色合いをしている。目は赤色で片方の目は髪で隠れていて見えないが、微かに発光している様に見える。

 その少年にいきなり、死亡宣告をされた。



「…い、いや、意味がわからない、もう少しわかるように説明求む」



『そうだね…君が寝た後、燃えたとしか言いようがないね』



「結果も大事だが、もう少し過程を教えてくれよ」



『いや、過程って言われてもね…あっ、丁度いいところに!あれ見てあれ!』



 そう言って、何かを見つけたように黒い板を指差した。

 そこには、俺かは分からないが黒い人の形をした何かが担架に乗せられているのが見えた。



『あれが今の君、真っ黒に焦げてるアレ。』



「いやいや、納得出来ねぇよ。そもそもアレが俺って言う証拠が無いだろ」



『う~ん…そうだね…』



 そう言って少年が空中に手をかざすと、何も無かった彼の手の中に分厚い本が出現した。



『え~とね…あっ、あったあった!これによると、君はあそこの唯一の住人なんでしょ?そしたらあそこから出てくる死体は君しかいないじゃないか』



 そいつは、『はい論破!』とでも言っているかのような顔をしていた。その顔に俺は若干イラッとしたが。

 少年によれば俺は死んだということで間違いないらしい。まだ、信じきったわけではないが、俺も別にそこまで捻くれたりはしない。



「…というか、さっきから普通に話してたけど、お前誰だよ?」



『あぁ、自己紹介がまだだったね!僕の名前は、「―――」』



「え?よく聞こえなかったが」



 聞こえなかったというよりも、名前の部分だけひどいノイズが掛かっているかのような感じだ。

 そうすると、そいつはドジっ子感満載の態度を取って言った。



『あっ、ごっめ~ん。名前は教えられないんだった』テヘッ♪



 完全にふざけたような感じで謝罪してきた。



「…からかってるのか?」



『違うよ~、教えられないというより君達にはうまく聞き取れないってのが正解かな、人間には理解できない言語だからね。まぁ、僕の名前を認識した時点で君は文字通り死んじゃうけどね』



「死んじゃうって、俺はもう死んでいるんだろ?」



『そうなんだけど~、魂はここにあるから生きてないわけではないし、完全に死んだわけでもないんだよ。そして、もし君が僕の名を知った瞬間、魂ごと消滅、文字通りこの世から消えていなくなる。さらに言えば、二度と新しい命として生まれることも出来ないってわけ』



「…分かった。じゃあ聞かないことにする」



『理解が早くて助かるよ~』



 正直、俺は内心とても動揺していた。そりゃ誰だっていきなりお前は死んだとか言われた挙句に、目の前の奴の名前を知ったらこの世に存在しなかったことになるよ~とか言われたら動揺しないわけ無いだろ。



「とりあえず、初めてあった人にお前っていうのもなんだから、他に呼び方とかないのか?」



『そうだねぇ~、じゃあ神様ってことでよろしく』



「神様なのか?」



『実際は神様じゃないけど、それに近い存在とでも思っていてくれればいいよ』



「わかった。じゃあ神様、単刀直入に聞くぞ。俺に何をして欲しいんだ?」



『ほえ?』



「いや、こういうのはアニメとか漫画の定番で、死んだら神様的な奴から異世界に転生してもらってハーレムを作るなり、異世界最強になるとかよくあるし」



『まぁ、色々よくわからない単語があるけど、そんな感じだよ。君を生き返らせてあげようかなと思っていてね。もちろん君の思っている異世界ってやつにね』



「それは嬉しいが…でも待てよ、なんで俺なんだ?俺はこれといって何かに秀でているわけでもないし、選ばれるような要素は一つも無いと思うが…」



『フフン、それはねぇ。なんと君がこの死後の世界の訪れた人数ピッタリ世界累計200億人目にきたからさ!』



 なんだよそれ、つまり累計昇天者数200億人目の人に特別に異世界に転生させてあげるってことか!?ここは観光地か!



『まぁ、とは言っても君が了承しなければ普通に天国or地獄に行ってもらうしかないんだけど』



「つまり、俺は死後の世界にきた人数ピッタリ賞を見事獲得。そんな幸運の持ち主の俺には、プレゼント的な形で転生のチャンスを今ここで貰えるわけだな」



『まぁ、そうだねぇ~』



 ものすごく適当だな。ってか、鼻ほじくりながら受け答えすんなよ!



「…まぁ、そんなウマい話、受けないと損ってもんだよな」



『あぁ~よかったぁ、今までピッタリ賞を取った人たちは皆おじいちゃん、おばあちゃんばかりで、現世でやり残してきたことは無いから楽にさせてくれとか言って断られ続けていたから、若干諦めていたんだけど、OKをもらえて安心したよ』



「じいちゃん、ばあちゃん達にまでこんな事してたのかよ…なんかもう見境ないな神様ってやつは」



 そして、自称神様から定番の言葉が放たれた



『まぁこっちも色々あってね。それじゃあ、異世界に行くにあたって、君には特別に何か1つだけ好きな能力をあげるよ』



 来ました!恒例の能力贈呈タイム!ここで選択肢を間違えると確実に今後の異世界に置いて俺の存在が役に立つか立たないかが決まる。ここは慎重に考えるべきだ!

 まず一つとして、魔法適性を全部最大値状態…これだと、容姿が不細工で女の子にモテない可能性がある。そして、ハーレムルートが不可能になる。

 かと言って、イケメンにして欲しいとか、裕福な家庭に産まれたい…この選択肢もあるが、魔法とか一切使えなかったりしたら、せっかく異世界に来たのに能力の無いただのイケメン貴族になりかねない、これではせっかくの異世界が楽しめない。

 アニメでは、あんなに主人公達が悩んでいるのをイライラしながら見ていたが、実際にその立場になるとその心理状況がわかる気がする。

 もしこれより良い案が浮かんだとしても、本当に転生する異世界で使える能力なのかは分からない。


 …。


 ……。


 ………。


 しばらくして、俺は考えるのをやめ、そして一つの答えに行き着いた。



「よし決めたぞ」



『随分悩んでいたみたいだけど、決まったみたいだね』



「あぁ、決めた。俺の望みは…」



 俺は頭が良いわけでもないし、生前でも運動神経などは平均そこそこだった。得意な科目も、特技なんてものも無かった。いわゆる普通の人間なのだ。

 だから、いきなり何でも好きな能力を叶えてあげると言われても、そんなもの思いつく訳もない。だから俺の望みは…



「俺の望みは、神様頼んだ!!」



『えっ?…一体、どういうことだい?』



「俺はいろんな望みを考えに考えた、だけどどれも欠点の多そうなものばかりだった。だから、俺が次に行く異世界の事を知っているであろう神様に何か勝手に付けてもらおうかなと思ってさ。それに、最初から能力を知っている状態じゃ面白くないし、能力が見つかった時までのお楽しみってことにしておくよ。」



『ふ~ん、なかなか面白いこと言うじゃないか。』



 正直これで良かったのかは俺にはわからない。でも自分で付けるより異世界の事を知っている者に付けて貰った方が少なくとも異世界で役に立つだろうということだ。



『わかったよ。君が転生した後の暇つぶしになりそうだしね』



「ちょっと待て。今聞き捨てならない事を言っ…」



『じゃあ、頑張ってね~』



 自称神様が、手をかざすと俺は青白い光に包まれ、それと同時にものすごい眠気に襲われ、瞼を閉じると同時に意識が遠のいていくのを感じた。


初投稿になります。

色々日本語がおかしい所がたくさん出てくると思うので、生暖かい目で見て頂けたら嬉しいです。

更新はあまり早くはできないと思いますが、頑張って早く更新していきたいです。

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