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第三十九章 悲文
しかし、皆、前に進む勇気が無かった。
「・・・・・。」
ただただ、泣いていた。
「こころ」に湧き上がる、悲しみ。
胸が張り裂けそうな程。
ペザは、床を見渡していたら、何かを発見した。
「・・・?「遺言」だって?」
ペザは、その封筒を開け、その中に入っていた、手紙を読み始めた。
やはり、ラルースの手紙だった。
内容は、こうだった。
「この手紙が、読まれているということは、その頃は、私はこの世から消えているでしょう。突然のことだということは、十分承知です。だけど、もう泣かないで。もう、あなた達の泣き顔を見たくない。後ろを向かずに、前だけを見つめて。最後に、一言。「あなた達は、独りじゃない。信頼出来る仲間が、付いている。もちろん、私も。」」
彼らには、どれ程の試練を、乗り越えただろう。
そして、彼らは、どれ程強くなったのだろう。
彼らは、以前の孤独な人間では、なくなった。
彼らに、どんな辛い宿命が、立ち塞がろうと、彼らは、屈しない。
ハッキリと、言える。
「僕らは、お前らとは違う!」
さあ、前へ進め。
<第五節 終>