第三十七章 影
何かしら、両者、迷いはあった。
今では、それを、感じることは、出来ない。
「フフフ・・・、怖いのか?」
悪魔は、囁く。
「怖くなんかないさ。自分には、お互いに支え合える、仲間がいる。それだけでも、力になるさ!」
ヨウは、ハッキリと怒鳴った。
「なら、これでもか?フフ・・・」
悪魔は、ラルースの「こころ」を操り始めた。
「ケケケ・・・、何一つ信頼し合えない仲間よ・・・、君達全員、お互いを、心から、信頼出来るとでも思ってるのか?ハハハ!!!アホらしいぜ。にんげんなんか、簡単に裏切るものさ。用が済んじゃえば、赤の他人さ。ほら!友情なんて、簡単に無くなるもんさ!!そんなもので、我に、どう立ち向かうんだ?え?」
悪のラルースは、引きつった笑いで、こちらをじっと見つめている。
「何寝ぼけたこと言ってんだ?友情や、信頼がお互い通っている仲間こそ、一番強いんだ!今まで、自分たちは、そうして、嬉しい出来事や、悲しい出来事を、乗り越えてきたんだ!!!目を覚ましてくれ!ラルース!!」
ヨウの叫びは、ラルースに、少なからず、届いていたに、違いない。
「ふ~ん。ううう・・・、止めろ!!・・・、出てくるな!・・・・、フッ、それで良いんだ。何を言っても無駄か。なら、これでも食らえ!!「ザバラウド」!!」
悪のラルースは、「こころ」の支配が、乱れ始めた。そして、闇のマドウを放った。
「うわあああああ!!!!」
ヨウ以外は、気絶してしまった。
「さあ、君だけだぞ。これで、友情パワーとやらは、消滅だ!!一対一で対決だ。かかって来い!」
悪のラルースは、鼻で笑った。
「なら!「シャザレオン」!!」
ヨウは、少し強い光のマドウを放った。
「うっ・・・、なんだ・・・、うわあああああああ!!!!!!!!」
悪のラルースは、光に飲み込まれた。
そして、ヨウの目の前も、真っ白になった。