第三十五章 覚醒
ラルースを乗せたまま、「トビハネ鳥」で、地界に戻ることとなった。
「覚醒するまで、あと、30分か・・・、耐えてくれ!」
マタムネは、急ぐこころを落ち着かせようとしていた。
そして、町が見えてきた。「ウィータ」だ。
「何処に居るんだ・・・、ペザ・・・。」
ヨウは、困惑していた。
地面に、降り立った。
かなり寂れた雪の降る寒い町だった。
「こんな町に、マドウツカイなんて、いるのか?」
デナ以外は、首を傾げていた。
「こっちにいるわ。付いてきて。」
デナは、現在位置から、北西の方向に歩き出した。
「何で知ってるんだ?」
ヨウは、さりげなく質問した。
「ああ、私のお父さんですから。」
デナは、素っ気なく答えた。
「え・・・、そうなの・・・。」
ヨウは、何気なく驚いた。
「ここよ。」
デナは、無事に案内出来た。
小さい小屋の様な家で、扉が一つしかない。
「あと・・・、10分で手遅れだ。早く診てもらわないと。」
マタムネは、扉を三回、ノックした。
コンコンコン。
鉄のような、鈍い音がした。
「はい。誰ですか?」
ペザと思われる人が、応答した。
「私よ!デナ!」
デナは、にっこりとしていた。
「おお!帰ってきてくれたのか!入ってくれ。」
ペザは、扉の鍵を開けた。
「どうぞ・・・、なんか、人数多いな・・・。」
ペザは困惑しながらも、四人は、家に入った。
そして、今まで起こった出来事を、全てペザに話した。
「・・・そうだったのか。とうとう「グラモス」が動き出したのか。で、この娘を救いたいのか。なら、彼女の「こころ」の中に入って取り除けば良いじゃないか。」
ペザは、平然と言った。
「どう入るの?」
デナは、ラルースを見ながら、言った。
ペザ「お前に教えただろう?「マイディ」だよ。それを使えば出来るだろ?」
デナ「分かった・・・、めんどくさいけど。」
「混沌なる心よ、その扉を開け。マイディ!」
その瞬間、ラルースの目の前に、暗い1メートル程の暗い穴が、姿を現した。
「うわあ!!凄い!」
ヨウは、終始驚きっ放しだった。
「さあ、この中に、入れ。」
デナは、穴に入った。
続けて、三人が、焦るように、入っていった。