第三十四章 背負うべきもの
その頃、ヨウ達は、現場に辿り着いた。
「あそこで倒れているのは、誰だ?」
ヨウは、倒れている人に、近づいた。
「も、もしや・・・、ラルース?」
ヨウは、更に、近づいた。
「そんな・・・、ウソだろ?・・・。」
ヨウは、それ以上、言葉が出なかった。
そこに、マタムネも近づいた。
「これは、只の気絶じゃないぞ・・・、「ムの種」による「悪心病」だ!!一刻も早く措置を執らないと、大変なことになるぞ!」
マタムネは、ラルースの顔色を見ながら、言った。
「何で分かるんだ?」
ヨウは、首を傾げた。
「実は、昔、医者をやっていたんだよ。たった1ヶ月だけどね。その時に、同じ症例があったんだ。その患者は、あまりにも有名な、あの「セオ・アルバード」だ。」
マタムネは、顔色を暗くした。
「何だって??!!!そんな・・・。」
ヨウは、「あの時」を思い出してしまった。
「嫌だ・・・、そんなの嫌だ!!!」
ヨウは、地面に四つん這いになった。
「とにかく、何処か治せる人がいたような気がするが・・・。」
マタムネは、頭を抱えた。
「私、知ってるわ!確か・・・、カナード大陸の北の方にある、「ウィータ」という町に、「ペザ」という人が、強力な「マドウツカイ」だと聞いたわ。」
デナは、ハッとした。
「じゃあ、早く向かわないと!「トビハネ鳥」で!」
マタムネは、冷や汗が、一滴、地面に落ちた。