第三十二章 願い
マタムネが、今までの生い立ちを語っている間に、デナとラルースは全回復した。
「2メイノカイフクガ、シュウリョウシマシタ。」
マサヨシは、マタムネに報告した。
「ようやく一時間か・・・、もう少し改良した方がいいな。」
マタムネは、紙に何か書き始めた。
「はあ~、死ぬかと思った・・・。」
デナとラルースは、マタムネ達に近づきながら、言った。
「マタムネ・・・、よく生きてたな・・・。」
デナは、唖然としていた。
「え?もしかして、知り合い?」
ラルースも、唖然としている。
「そう、といえば、そうだな。」
デナは、顔を赤くしながら、言った。
「いや~!久しぶりだな!何年ぶりだろう?」
マタムネは、満面の笑みを浮かべた。
「分からない。だけど、会えて、良かった・・・。」
デナは、泣きじゃくり始めた。
「・・・、それより、ラルース、大会が有るって言ってたよね?」
ヨウは、感動のシーンに水を差すかのように、言った。
「あ!そうだ!確か、さらわれた時が、大会前日だったから・・・、やばい!今日は、大会当日じゃん!!」
ラルースは、あたふたし始めた。
「大丈夫!この研究所には、「オカサーファー」という、光よりも早く移動できるマシンが有る!こっちへ来なさい。」
マタムネは、みんなを、地下室へと案内した。
「ほら!これだよ!って・・・あれ?4台有ったはずなのに、1台しか無い!!「ムダン」に盗まれたようだ・・・、設計図も無い。どうしよう・・・。」
マタムネは、床に四つん這いになってしまった。
「とにかく、ラルースをこのマシンに乗せて、会場へ急げ。自分達は、後から行くから、安心しろ。さあ、行け!」
ヨウは、リーダー気取りになって、ラルースに指示を送った。
「分かった。じゃあ、行ってきます!」
ラルースは、「オカサーファー」に、乗った。
「到着場所を、告げて下さい。」
マシンのナビが、言った。
「「ダサマ」の「中央広場」!」
「了解しました。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!・・・・
凄まじい轟音を立て、発進した。
「大丈夫、かな?」
ヨウは、苦笑いしながら、言った。