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MASK OF HEART   作者: 天川 榎
第四節 みなとまち
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第二十二章  最後の楽園



「うわ〜!海が綺麗だな・・・」

マタムネの、その声で、ヨウの船酔いが覚めた。

「あ・・・、良かった!マタムネの声で、船酔いが覚めたよ!」

ヨウの声が、爽やかになっていた。

「良かった!癒しの「ボイス」なのかな・・・?」

マタムネは、何か怪しいことを考え始めた。

「ほらほら!マタムネの家に行くんでしょ?早く行こう!!」

ラルースは、二人を急かすように、言った。


港から、たった5分で、マタムネの家に着いてしまった。

マタムネの家は、南国の高床式の家みたいであった。

屋根は、何故か、瓦で出来ていた。


「お〜!ココがマタムネの家か!凄いな・・・、で、何で屋根が瓦なんだ?」

ヨウは、上を見上げながら、言った。

「エヘヘ・・・、一応ジパング人だからね。瓦ぐらいは、と思ってね。」

マタムネは、照れた。

「で、ラルースが言ってた、天空大陸には、どうやって行くんだ?」

ヨウは、何故か、不気味に笑っていた。

「あ〜!この家の裏庭からでも行けるよ。この、トビハネ鳥を使ってね!」

マタムネは、嬉しそうに、押し入れから、トビハネ鳥を出した。

「久しぶりに使うな・・・、もう10年位経ったよ。この世界に飛ばされて、最初の主人に会って、貰ったのが、これなんだよな・・・。」

マタムネは、懐かしそうに、語った。

「え?マタムネは、何処の時代から飛んできたの?」

ラルースは、ウキウキしながら、言った。

「確か・・・、世が言う、「室町時代」だな。今じゃあ、昔の言葉の訛りが殆ど無くなってしまったがね。」

マタムネは、嬉しいんだか、悲しいんだか、分からない顔で、言った。

「で、どんなきっかけで、飛んだの?」

ラルースは、更に問いつめて来る。

「あ〜!何か、変な物体があったから、思いつきで触れたら、変な黒い穴みたいなのに吸い込まれてしまったんだ。」

マタムネは、「ウ〜ン」と唸っているような顔で、言った。

「へぇ〜!」

普通にラルースは、受け流しした。


それから、マタムネは、お茶(もちろん緑茶)を持ってきて、10分間程沈黙が続き、

いきなり、

「そろそろ、行く?」

と、ラルースが、小声で言った。

「そうだね。」

ヨウとマタムネが、まるでそういう風に言うのを待っていたかのように、直ぐに答えた。


そうして、三人は、トビハネ鳥という変な機械に乗って、天空大陸を目指し、発した。


これから、さらなる試練が、彼らの前に立ちはだかることも、知らないで。



<第四節 終>


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