第十一章 タイムマシン。
MASK OF HEART
第十四章 タイムマシン。
「ふはは!きえろ!!」
モルモンは、既に「悪」の「こころ」に飲み込まれていた。
「クソ・・・、これじゃ、セオと一緒じゃないか!」
ヨウは、泣き出してしまった。
「まあ、落ち着いて。今は、モルモンを普通の「こころ」に戻すのが先決だろう!しっかりしろよ!ヨウ!」
マタムネは、一生懸命ヨウを励ました。
すると、
「グラモス・・・、許さない!!!」
ヨウは、モルモンに、飛びかかった。
「ふふふ・・・、君の実力はこの程度か?ハッキリ言って、雑魚だ!!さっさと消えろ。」
モルモンは、マドウを使おうとしている。
「何だと・・・、なら、使ってやる!!」
ヨウは「シャント」を唱えた。
あの時のように。
「何だ・・・、君はマドウが使える、のか?しかも、そ、その、ま、あああああああ!!!!!」
モルモンは、床に倒れ込んだ。
「お前、絶対に許さない!ふふふ・・・、君の親友の、セオという奴が、「カマシンバ」を使って、この世界の五年後に跳んだぞ。私は、「カマシンバ」を使い、その五年後とやらに行って、必ずお前に復讐してやる・・・、ははは!!!」
モルモンは、狂ったように、笑い出した。
「な、なに・・・、セオが五年後に居るだと・・・、そんなのあり得るはずが無い!何しろ、タイムマシンは、存在することが出来ない筈だ!」
ヨウは、今、現実と戦っていた。
「それが、出来るのさ!私の持っている「ときの石」さえあれば!しかし、そのときの石は、ある程度のマドウが使えなければ、「ときの石」を使うことが出来ないのさ!しかも、世界に一つしかないと言われている「カマシンバ」もなければ、タイムスリップなんか、夢のまた夢さ!
フハハハハハ!!!!」
モルモンは、優越感に浸っていた。
「「カマシンバ」か・・・、何処かで聞いたことのある言葉だが、思い出せない・・・。」
ヨウの記憶の中に、「カマシンバ」という言葉が、あるような、ないような、そんな感じだった。
「まあ、とりあえず、さよなら、だな!君達!五年後に又会おう!ハハハハハ!」
モルモンは、「カマシンバ」を起動させ、あっという間に消えてしまった。
「ちょっと!待ってくれ!モルモン!セオが五年後に居るってどういうことだ!!!」
ヨウの言葉は、モルモンには、届かなかった。
*
世界は、滅びへと、歩みを進めているらしい。
怪しい「ムダン」という団体が動き始めている。
世界を救えるのは、
誰だ。
<第十四章 終>
<第二節 終>