第十章 悲劇
MASK OF HEART
第十章 悲劇
三人揃って、いざ市長の家へ向かっていた。
そして、無言のまま、到着した。
「とうとう着いた・・・。」
ヨウは、戦々恐々としていた。
「大丈夫さ!我々には、仲間がついているではないか!」
マタムネは、ヨウを元気づけようと、言った。
「さあ、行こう!」
ヨウは、希望に満ちあふれていた。
*
いざ、市長の家に入ってみると、まるで研究所みたいに、壁が白く、出歩いている人も、白衣を着ていた。
「これは、市長の趣味なの。仕方ないわね・・・。」
ソールは、ため息交じりに言った。
「う・・・、キモい。市長のセンスが問われる。」
ヨウは、皮肉った。
「やれやれ、とにかく、市長の所へ向かおう。」
マタムネは、そそっかしく言った。
*
市長は、5階にいるのだが、そこまで辿り着くのに、かなりの時間を要した。
まるで、「ダンジョン」みたいだった。
そして・・・
コンコン。
扉として使われている、木の乾いた音がした。
「はい?なんでしょう。」
モルモンは、元気に、答えた。
「入ってよろしいでしょうか?」
ヨウは、かしこまった声で、言った。
「いいですよ。」
モルモンは、あっさりと答えた。
「あの・・・、どうしてたった三年間で、こんなに大きな大都会になったのですか?」
ヨウは、率直に言った。
「ふふふ・・・、知りたいのか?」
モルモンは、脅し交じりで、言った。
「は、はい!」
ヨウは、鳥肌がたった。
「そう、なら教えてやろう。何故この都市だけが、発展したのかを。それは「ムダン」という団体の一番偉いお方、「グラモス」様のお告げの通りに都市開発を進めた結果だ。あのお方は、全てを見通す力が有るのだ。私にも、その力を、少し分けて貰った。ふふふ・・・、すべてを知ったからには、ただでは帰さん。我のマドウの餌食となれ!」
とうとう、モルモンの化けの皮が剥がれた。
<第十章 終>