表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

ウィッチ☆プリンセスって何!?

ぐれっちょんの合図に私と愛美は顔を見合せて、息を飲む。


ついに変身して悪魔と戦う時がきたんだ……突然のことにまだ頭が混乱してるけど、戦わなきゃ皆が危ない!


「オレは今の内にこの辺全体に被害がないように結界を張っておく!

お前らはその間に変身しろ!

"ウィッチエボリューション"だっ」


「やりましょう、みっちゃんっ!」


愛美が力強く頷いたのを見て、私も大きく頷いたの。


そして大きく深呼吸をして、愛美と同時に髪飾りをほどいた……。



「「ウィッチエボリューション!!」」



私と愛美の声が重なると同時に、私達は淡いオーロラみたいな光に包まれたの。


それは凄く優しくて、温かくて、ずっと包まれていたくなるような……ふわふわする感じ。


これが魔法なの……?


ふと身体を包んでいた光が消えて、私は夢から覚めたみたいにぼんやりした感覚のままゆっくり目を開けたんだ。


すると目の前には相変わらずすっごく怖い顔をしたリリスと、そのリリスをキッと睨むぐれっちょん。


どんよりした黒い空には薄くて、もやっとしたものが見える。

あれがぐれっちょんが張った結界なのかな?


そして私はアニメや漫画に出てくるような服を着ていたの!


これは愛美がよく言ってる"こすぷれ"っていうのだよね?


「あぁっ、そういえば愛美は!?」


近くに愛美がいない事に気付いて、私はキョロキョロと辺りを見渡したの。



すると私の少し後ろに私と同じような"こすぷれ"みたいな格好をした愛美がいたの。


でも少し様子がおかしくて、目を閉じて、背筋をピンっと伸ばして、何だか妙に凛々しい表情で立ってたんだけど……。


も、もしかして変身して性格まで変わっちゃったとかっ!?


「えっと、ま、愛美……?」


私が、そーっと呼び掛けると愛美はキリリッと、目を開けた。


「あなたの黒くくすんだ心……。私の愛の羽で浄化させてみせます!

悪魔さん、覚悟なさい!

愛の戦士ウィッチ★プリンセス華麗に登場です!」


決め台詞とともにキラーンという音が出そうなくらい、ポーズまでバッチリな愛美……。


愛美ってば、また好きなアニメの影響みたい……それにしても"ウィッチ★プリンセス"って何!?


「みっちゃん、いきましょう!」


「えっ、う、うん…」


ノリノリな愛美に付いていけなくて、私はぼんやりしてしまう。

普段ぽけっとしてるのにこういう時だけ真剣なんだからっ。


「クフフ~、ほんとーにおばかさん達~。変身してもリリスに勝てる訳ないよ~」


リリスが指をパチンと鳴らすと、先とは比べものにならないくらいの凄い音を立てて雷が落ちてきたの。


「ひゃうぅっ」


あまりもの音と衝撃に私は愛美に抱き付いてしまう。

愛美も少しだけ身体が震えてるみたいだけど、私を力強く抱き締め返してくれたんだ。


でもずっと雷を落とされたら、怖くて戦っていられないよ……。


「おい、お前ら!怖がってばかりいねーで戦え!」


「そんな事言われても、変身したばかりなのにどうすればいいか分からないよぉっ」



雷が怖くて、中々リリスに近付いていけない私を見て、ぐれっちょんは少しイライラしたような口調で叫ぶ。


「美月、とりあえず両手を前にかざしてみろっ」


「え、こ、こう?」


私はぐれっちょんに言われた通りに訳が分からないまま、ゆっくりと両手を真っ直ぐにかざしてみたの……。


すると青い光がパッと浮かび上がった後に目の前に魔法陣が現れたんだ。

映画やゲームでは何度も見た事があるけど、これは本物なの……?


これもぐれっちょんがくれた髪飾りの魔力?


それとも私の力?


「凄いです! みっちゃん、素敵ですっ」


私が戸惑っていると、後ろから興奮気味の愛美の声が聞こえた。


魔法陣が出たのはいいけど、ど、どうすればいいのよ~!


私がオロオロと戸惑っていると、リリスはニヤニヤと笑いながら、こっちに近付いてくる。


「そんなのでリリスに敵うと思ってるの~?すっごーく弱そう~クフフ~」


「みっちゃんっ!」


「美月、ありったけの力を込めて魔法陣を放て!」


き、急にそんな事を言われても……。


だけどリリスが、どんどん近付いて来る……このままじゃ、やられちゃうっ!


「とりあえず、やってみるっ!」


私はぎゅっと強く目を閉じると、思いっきり力を込めて魔法陣をリリスに放った!


「うくぅっ」


お願い!あいつをやっつけてっ!


「クフフ~、全然だめぇ~。

弱すぎて、リリスつまんな~い」


だけど私の願いは虚しく、放った魔法陣はリリスに人差し指ひとつで軽く跳ね返されちゃった……。


「みっちゃんっ、危ないっ!」


「美月、よけろっ」


愛美と、ぐれっちょんの声が重なると同時にリリスが跳ね返してきた魔法陣が青い炎をまとって、私めがけて飛んでくる。


突然のことに私はどうする事も出来ずにその場に立ち尽くしたまま、衝撃に備えて無意識に強く目を閉じてしまったんだ。


その瞬間、何かがぶつかる音

がした。


私もうだめかもしれない……ここで死んじゃうの……?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ