第三話 別室待機。
二週間ぶりの投稿。
なんか今まで以上に長くなった。
しかも最後が中途半端なところで切れてる。
何が言いたいのかっていうと駄文ってことです。
※この小説は基本はルナ視点で進みますが、視点が変わる時は〇〇Sideという表記で表します。
例 王女視点で進むとき・・・王女Side
昔からそうだった。
今だってその時からあまり周りの状況は変わってない。
どこへ行っても、
どんな時でも。
誰にだって。
言われた。
あの子たちと同じ姉妹でしょうって。
第三話 別室待機。
一体どこまで行くんだろう?さっきから何十分も歩いているように感じる。
さっきから同じような廊下ばっかり歩いているせいかもしれないけど。
何回曲がったかわからない角を曲がった時、とてつもなく大きい扉が現れた。
なんか金色にキラキラしててすごく分厚そう。
あれって黄金製?無駄にお金かかってるねー。
その前に止まって王女はやっとこちらを向いた。
「勇者様。この扉の中が勇者の儀が行われる祭壇の間でございます。準備は整っておりますので私の後について中にお入りください」
王女すっごいニコニコしてる。なんか営業スマイルみたい。
結構失礼なことを思っている私の心情など露知らず、王女様は中に入っていく。
サワ姉、リン姉、ユカ、ミナミがそれに続く。
私もそのあとに続こうとすると、いきなり中に入ったはずの王女が出てきて私の前に立った。
「勇者様の御姉妹様。ここは勇者様と王族しか入ることができない特別な場所でございます。誠に申し訳ありませんが、私共が用意した別室にて勇者の儀が終わるまでお待ちください」
その笑顔はどことなくさっきより曇っているように見えた。
in別室
「・・・はぁ」
窓もなく、光源と言えば蝋燭の小さな明かりしかない部屋の中で私はため息をついた。
ここに私を案内した兵士は部屋から出て行ってしまい中には私一人。
あるのは床にひいてある絨毯とテーブルと椅子の一組だけで、他には何もなかった。
とりあえず、今はなにもすることがないので用意されている椅子に座り、テーブルの上のゆらゆらと動く蝋燭の炎をじっと見つめる。
普段から一人には慣れているとはいえ、こんなどこかわからない場所に一人きりになってしまうとなんとなく寂しい。・・・だからと言って、あの姉や妹たちにここにいてほしいわけじゃないけど。
昔から一緒にいてもろくなことがなかったし。
むしろ、一人の方が気楽で動きやすい。
まぁ、私だけが別行動ってのもそんなに珍しいことじゃないし。
それにこのことで明らかになったことがある。
つまり、私は勇者じゃない。
勇者なら私だって“勇者の儀”なるものを受けさせられているはずだし、その証拠に私がこの世界に召喚された時だってあのおっさんおばさんだって妙に慌ててたし。
もしそうなら、勇者じゃない私が召喚された理由はただ一つ。
要するにサワ姉たちの勇者召喚に私も巻き込まれちゃったってこと。
・・・まぁ、サワ姉たちが起こす厄介ごとに巻き込まれたのはこれが初めてじゃないけどねー。
となれば、これから私はどうすればいいわけ?
サワ姉たちが魔王退治に行くことになれば、当然戦うことができない私は邪魔者。
となれば、とりあえず魔王退治のメンバーからは外されるということで。
じゃあ、私はサワ姉たちが魔王を倒す間で待ってればいいってことか。
あの営業スマイル全開の王女だって、さすがにこの国を救う勇者の妹(姉でもあるんだけど)となれば面倒ぐらい見てくれるだろうし。
魔王退治なんて面倒くさいこと、しなくてもいいわけね。
いやー、サワ姉たちみたいな超人人間じゃなくてよかったー。
じゃあ、その“勇者の儀”とやらが終わるまで机に突っ伏してここで眠っておきましょう。
おやすみなさーい・・・。
どうしてあなたはいつもそうなの?少しはサワさんを見習いなさい。
なんだよー、リンの妹だっていうから試合でも役にたつと思ったのに・・・。
ユカはえらいわね。なのにどうしてルナは・・・。
どうしてルナはあの子たちのようにできないの?
どうして?
ねぇ、どうして?
あなただって
あの子たちと同じ姉妹でしょう?
ガタッ
あれ?いつのまにか寝てた。
・・・ずいぶんと昔の夢だったなー。
もう終わったのかな?外がなんだか騒がしい。
ふと、扉の方を見てみると誰か入ってきたのか、ほんの少しだけ開いていた。
でも、周りを見回してみても誰もいない。
誰か入ってきたと思ったのに。
そんなことをしている間に誰かの足音が近づいてきていた。
お迎えかな?
私は椅子から立ち上がって扉のほうに歩いた。
ビュンッ
変な音がしたと思うと同時に、私の視界が一回転した。
王女Side
「御姉妹様。準備が終わりましたのでお迎えにあがりました」
部屋に入ると同時にこれまで何度も繰り返してきた言葉をいつもの笑顔で話す。
そうすれば、大抵の者は簡単に警戒を解くと私は知っている。
いつものようにする。
そうすれば何の問題もない。
はずなのに。
「・・・いない?」
おかしい。
さっき私を呼びに来たこの部屋の見張り番の兵士によれば、部屋の中にいた女は私が事前に蝋燭に仕込んでおいた魔法によって眠ったという報告だった。
なのにいない。
報告と違う。
兵士が報告のためにこの部屋を離れ、私がここに来るまでの時間は一分もなかった。
その間に出て行ったとは考えにくい。
私が蝋燭に仕込んでおいた魔法が不完全だった?そんなはずがない、今まで何度も使ってきた魔法だ、目をつむってでも正確にかけられる自信がある。
それにもし魔法がかからなかったとしてもこの世界に来て間もない女が出ていく理由がない。
ここまでの演技は完璧だったのだ、不審に思うはずがない。
・・・いや、待て。
確かあの女が召喚された時、大臣たちが異常な反応を示した。
今まで何百年も勇者以外が召喚されるなどなかったのだから、当然の反応だともいえる。
そのことを不審に思って出て行った?
だが、そんなことで出ていくだろうか。ここはあの女にとっては未開の世界。何のつてもなく出ていけば飢えて死ぬだけだ。
これら以外に考えられるのは・・・
頭に思い浮かぶのは最悪の可能性。
でもアイツに気づかれた可能性は十分にある。
もし、そうなら早く手を打たなければならない。
あの女を渡すわけにはいかない。
「ちっ、魔王風情が!」
魔法で火を放つ。放たれた炎が魔物のように椅子とテーブルを飲み込む。
それらが燃えきったのを確認すると、足早にこの部屋を後にした。
ルナSide
ただいまの状況。
なんかのひもが私の腰に巻きついてつりさげられて宙ぶらりんの状態です。
下には私がさっきまで座っていた椅子の燃えカス。
王女が開け放ったままの扉から少し風が吹いてきています。
結構高いのでちょっとだけ恐いです。
って、そうではなく。
私は恐る恐る顔を上に向ける。
でも、さっきの王女の炎でこの部屋唯一の光源である蝋燭が燃えてしまったので、顔どころかどんな姿をしているのかすら判らない。
急に浮遊感を感じ、体が床の上に落ちた。
床に叩きつけられて痛む体を起こすと、頭のすぐ上で明かりの様なものがついた。
その明かりが部屋の中を照らし出す。
「大丈夫か」
私が明かりの方に顔を向けると、そこには黒いマントを羽織った長身の男。
伸ばしている黒髪を金属製の指輪の様なもので束ね、マントの隙間からこれまた黒い鎧の様なものが明かりに照らされて光っている。なんというか、黒ずくめ。そんな異様な格好をしている奴が私を覗き込んできている。
・・・誰ですか、この人。
「危なかったな。もう少し俺が来るのが遅れていたr「すみません、どちら様ですか」
なんだかこの黒づくめ男が勝手に話し出したので、私が話をさえぎる。
黒づくめ男は自分の話をさえぎられたのが気に食わなかったのか、少々顔をゆがめる。
しかし、私が言うことにも一理あると判断したらしく、コホンと咳ばらいをした。
「すまない、先に名を名乗るべきだった。俺の名前はアイネスという。お前はルナで間違いないな?」
「・・・はぁ」
「そうか。とにかく今は時間がない。ここを出るぞ」
黒づくめ男ならぬアイネスは言いたいことだけ言うと、私を軽々と肩に担ぎ、部屋を出て廊下を駆け出そう・・というところで私は目の前にあった黒い尻尾の様なものを引っ張った。
「イダァ!」
「あ、神経とおってるんだ」
「とおってるも何も、それは俺の髪の毛だ!」
「説明も何もしないで一人の可愛い女の子連れ出そうとしてる奴が悪いんでしょ。この誘拐魔」
「ゆ、誘拐魔だと!俺はお前を助けにこの処刑室にきt「別に頼んでないし。それに今見知らぬ誘拐魔に連れて行かれるほうがよっぽど危険・・・処刑室?」
今、大変物騒な単語が聞こえた気がしたのですが。
「処刑室って・・・まさかここってs「まさかもなにもこの部屋が処刑室だ」
アイネスはさっきの仕返しとばかりに、私の言葉をさえぎった。
本人は仕返しが成功したのが嬉しいのか、口元を少し緩めている。
いつもならここで言い返すんだけど、でも、今の私にはそのことよりも重大な問題があるわけで。
処刑室?それって重大な罪を犯した人とかが裁かれる部屋のことだよね?
私が思いつく限り、“この世界”ではまだ何もしていないと思うんだけど。
「・・・まさか部屋が満室でこの部屋しか空きがなかったとか?」
「仮にも勇者の御姉妹様をそんな部屋に入れるか、馬鹿。お前をそんな物騒な部屋に入れる理由は一つしかないだろう?」
「お前を殺すためだ」
「・・・はい?」
呆気にとられている私を見て、アイネスはため息をついた。
新キャラアイネス登場。
なんかサワさんたちが全然喋ってない・・・。
ちなみにルナがアイネスと会ってる時、サワさんたちはまだ勇者の儀の真っ最中です。