第二話 異世界に入りました。
第二話です。前回より短めにしました。
どれくらいの文字数が読みやすいんでしょうか…?
※話し方、行間などを少し変更しました。
落ちていく。
とても静かに真っ暗な中を落ちていく。
落ちるというより、沈むといった感覚に近いかもしれない。
どこか懐かしいその感覚に私は抵抗もせず、身を任せる。
永遠にも感じる時間の中で、私は小さな声を聞いた。
『・・・・・・』
小さすぎてよく聞こえない。
だんだん周りが明るくなってきたのを感じる。
『・・・・よ、・・・の・・・にこい』
周りが明るくなるにつれ、声も大きくなる。
『わたしのところに、こい』
声がはっきり聞こえた瞬間、私は空中に投げ出された。
第二話 異世界に入りました。
落ちる。
このセリフ、本日二度目。
重力に逆らわずに、まっさかさま。
たぶんこのままだと、床にたたきつけられて死ぬんだろうなぁ。
ああ、私の人生ここで終わりか。お父さん、お母さん、親不孝な娘をお許しください。
ドサッ
「げふっ!」
あれ?意外と痛くないね。
下を見てみると私の下敷きになったのであろう、鎧っぽいものを着た男が一人。
ご愁傷様。
「早くどけっ!」
あ、ごめんなさい。
というかここどこよ?よくよく見てみると、床には魔法陣みたいなのが描かれてるし。どこかの神殿の中みたい。日本?・・・そうだといいなぁ。
「何っ!!」
「六人目の勇者だとっ!?」
うるさいなぁと思って後ろを向いてみると、今度は西洋風の見慣れない格好をしたおっさんやおばさんがいっぱい。
・・・・・・・。
なんですか、このファンタジーな世界観。
そして、その真ん前には
「ルナちゃん!?」
「よっ!久しぶりだな!」
「あんたもきたの!?」
「・・・・・・・」
私の姉妹四人勢揃い。っていうか、リン姉、始めにするべきあいさつ絶対それじゃないとおもう。っていうかユカ、あんたはなんか喋れよ。
いつものように心の中でそう突っ込んでいると、見慣れないおっさんの一人が話しかけてきた。
「・・・すみません。勇者様そちらの方とはどういったご関係で?」
「あっ、この子は「私の妹だ!」・・・です」
「「「妹!?」」」
リン姉、サワ姉が話している途中で無理やり入るのやめて。っていうか私が妹だからってそんなに驚くこともないだろ。たしかにサワ姉と顔は似てないけど。・・・というか似てるところまったくないけど。
「ほっ、本当に妹なのですか、その子は!義兄弟ではなく?」
「はい、正真正銘の血のつながった妹です」
その途端、周りのおっさんおばさんみんなが慌て始めた。
・・・なにもそんなに慌てなくても。
「あのう、別に「静まりなさい!!」
さえぎられた。
とりあえず声のした方向を見る。と、そこにはミナミにも劣らないほどの金髪の美少女が立っていた。
「勇者様。このたびの私たちの国へのご来訪に感謝を申し上げます。ここでは冷えますので、いったんこちらへおいでください」
in案内された部屋
「数々の家臣のご無礼、どうかお許しください」
「いえいえ」
さっきの美少女といつのまにか仲良くなっているサワ姉が相手をする。
私たちはというと・・・もの珍しそうにあたりを見回してばかり。いやーこういうの全然慣れてないんだよね。
私たちが案内された部屋はなんにもなかった。
あるのは部屋の中央付近の床にクリスタルのような石がはめ込まれてるってことぐらい。
こういうのを殺風景っていうんだろうね。
ここに私たちを案内した美少女本人といえば、サワ姉と話し終わってからずっと私のこと見てくるし・・・。
「ミナミ、ここってどこよ?」
「ルナがここに来るちょっと前まで寝てたから知らない。とにかく今はあの王女様についていくしかないでしょ」
・・・いざというときに頼りにならん妹だね。あーなんかまた質問するのめんどくさいなぁ。
そんな私の心情を察してか
「ちょっと、そこのあんた」
「えっ?」
美少女に話しかけてくれた。怠惰な姉でごめんねー。
意外なことにここに来てから、一度も口を開いていなかったミナミがいきなり話しかけてきたもんだからあっちもすっごく驚いている。
「ここってどこよ?なんで、私たちこんなところにいるの?あなたたちはどこの国の人?それより、私たちを吸い込んだあの穴って何?それに「ちょっと待ってください」・・・なにか?」
あっ、またさえぎった。この美少女さえぎるの好きだな。ってそうじゃなくて。
「すみません。説明が遅れました。私はエレメントル王国の第一王女サン・シャイリン・エレメントルと申します。ここがどこなのか、あなたたちがどうしてここにいるのか、あの穴がなんなのか今から順序を追って説明いたします」
この美少女、王女だったんだ。納得。
そこから王女のこの世界が異世界であること、今のこの国の状況などのとてつもなく長い話が始まった。
全部説明するのもめんどうなので省略すると
封印してた魔王が復活したらしいので、勇者様倒してください。
ということらしい。なんかこのままではこの世界が滅亡してしまうとか。
ファンタジー系のゲームじゃよくある話だねー。
「まぁ、大変!魔王がなんなのかいまいちよく分からないけど早く倒さないと」
「そうだな!魔王なんていてもいいものじゃないし!喜んで力を貸そう!」
「まあ、世界の運命がかかってるわけだし・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「では、みんなで力を合わせて魔王を倒そう!」
「「「えいえいっ、おーーーー!!!」」」
えいえいっ、おーーーーーー。
・・・・・・・。
って、なんでやねん!(関西弁風)
「はい?どこかおかしな所でもありますか?」
いや、魔王を倒してくださいっていうのは分かったんだけど、いきなり召喚しておいて魔王退治よろしくねっていうのはさすがに図々しいんじゃない?
それに私たちって元の世界にちゃんと帰れるかもどうかまだ聞いてないんだけど。
といった旨をなるべく行儀がいい言葉で王女に伝えると。
「大丈夫です。ちゃんと魔王を倒してくださったなら勇者様返還用の魔法陣で貴女方をもとの世界にお返しします」
それ裏を返せば魔王倒さないともとの世界に帰れないってことだよね。
何が大丈夫なのかさっぱりわけがわからないんだけど。
っていうか、あなたたちが図々しいって点はスルーですか。
そんな私の心情もいざ知らず。天然なサワ姉と正義感のかたまりみたいなリン姉、そして一応人並みの正義感を持つミナミはすっかりその気になってるし・・・。
でも、リン姉もサワ姉も魔王なんていてもいいものじゃないって理由でそんな簡単に引き受けてもいいの?
ここはゲームみたいに死にかけたら、電源切ってリセット!なんてできないんだよ?
ユカはどうなのかって?あいつの考えてることなんか私は知りません。
まぁ、一応やる気はあるみたいだけど。と、いうか・・・
「王女様、いくつか質問してもいい?」
「はい、なんでしょうか?」
「だったら聞かせてもらうけど私たちなんの力も持ってない普通の一般人だよ?そんな世界を脅かすほどの力を持ってる魔王を倒せるとは到底考えられないんだけど・・・」
「その点はご心配なく。この後【精霊の祭壇】で行われる【勇者の儀】にて勇者様たちの体の中に眠っている精霊を呼び出し、力の覚醒を行います故」
・・・確かにうちの姉妹(私以外)はみんな常人とは思えない能力の持ち主だけど、まさか体の中にそんなものがいるなんて知らなかったよ。
いや、逆にあの能力はその精霊のおかげなのかな?
ゴーーン、ゴーーン
こんなことを考えていると、どこかで大きな鐘の音が聞こえ始めた。
すると、じっと私たちを見ていた王女はにっこり笑って。
「勇者様、準備が整われたようです。こちらの扉から祭壇へおこしください」
ゆったりとした物腰で、しかし、きっぱりとした口調で言ったのだった。
なんか前回よりも読みにくい。
上手く書けるようになりたいです。