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【詠唱魔法】<エンチャントスペル>と少女の夢

前半部分は詠唱魔法についての説明になります。

後半部はノリで書きました楽しんでくれたら幸いです。

宮殿の中庭では、中庭といってもドームが二・三個は余裕で収まる広さがある、神官の悲痛な叫び声と共に集まってきた神殿騎士を加えて酒盛りが続いていた。

シズネによって切り倒された神木もワリアの精霊魔法によって癒されている。

その傍らでは、今もなお魔力の込めすぎで凶器と化している初級魔法が飛び交っていた。

シズネが「水よ」<アモーレ>と唱えれば「水斬剣」<ウォーターカッター>が木々をなぎ倒し、「火よ」<フェイ>と唱えれば「火炎弾」<ファイドブリッド>が倒れた木々を燃やし尽くす。


「なんでシズネ嬢が初級魔法を使うと、ヒットスペルになってしまうんですかね」


そのありえない光景を酒のつまみに、神官や神殿騎士たちはため息をついている。

通常、詠唱魔法<エンチャントスペル>は三つの魔言語<アクセスキー>を駆使して初めて「水斬剣」<ウォータカッター>のような意識的攻撃魔法<ヒットスペル>に昇華されるからだ。


まず、魔法の基本要素としての属性言語<エレメンタル>、これが初級魔法と呼ばれている、本来は行使した属性言語<エレメンタル>が少しだけ顕現する普通である。

たとえば通常の「水よ」<アモーレ>はコップ一杯ぶん程度の水が作れる魔法である。

属性言語<エレメンタル>の種類としては、

「陽」<ガリア>に属する、火<フェイ>、水<アモーレ>、土<アース>、風<ウィンド>、光<ライト>

「陰」<マギナ>に属する、雷<ライデン>、木<ドルイド>、氷<ヒョウガ>、金<ガウス>、闇<カオス>

などがある、分類「天」<ガイオス>、「地」<アイオス>などもあるが、それはまたの機会においておくとして、属性言語<エレメンタル>が一つ目の魔言語<アクセスキー>である。


残りの二つは意思言語<ライオネス>と表現言語<フェリオス>と呼ばれている。

たとえば意思言語<ライオネス>は「剣となれ」と意思を固定する言語、表現言語<フェリオス>は「天空に集い」と抽象的であるが意思言語<ライオネス>にいたるためのプロセスを作り出すための魔言語<アクセスキー>である。


この三つの魔言語<アクセスキー>を使って「水斬剣」<ウォーターカッター>を使おうとすれば、


「水よ我が手に集い剣となれ」<アモーレ・ラ・エイシュド・フェ・ソード>


という詠唱を経て初めて使うことが可能になる。

魔法の威力としては意思言語<ライオネス>がつかさどっており、高い威力を望むほど意思言語<ライオネス>が長くなっていくため、強力な魔法のほとんどは詠唱魔法<エンチャントスペル>ではなく断章魔法<フラグメント>となっているわけである。


「まあ、シズネの初級魔法が昇華されてしまう理由は、その膨大な魔力にあるわけだがな」


苦笑する騎士たちに、簡単に種明かしすると騎士たちも納得したようだ。

正確に言えば、昇華されてしまうのは魔力の量だけでなく、その魔力制御にあるわけだが。

シズネは今まで召還術を行使するためだけに魔力の運用を行ってきたため普通の魔法に必要な魔力量がわかっていないのだ、簡単に言えば初級魔法に必要な魔力値を1、一ページの断章魔法に必要な魔力値を100とする、そう考えればシズネは召還術で必要な断章魔法十八ページ分の魔力、初級魔法の1に対して1800もの魔力を注ぎ込んでいることになる、そんな馬鹿馬鹿しいことをすれば、魔法が世界の理をぶっ飛ばして勝手に昇華してしまうのも考えられる話である。


まあ、本人が楽しそうにしているので止める道理もないか、とほっといているのだが、魔力制御も本来誰かに教わるというより使っていくうちに自然と身についていくものだからと、気にしないことにしておく。

そんなことを考えていると、酔っ払ってふざけた誰かが教えたのかシズネが新しい属性言語<エレメンタル>を唱えていった。


-光よ<ライト>


なんとなく操り方がわかってきたのか空に向かって放たれた「光よ」<ライト>は優しく酔っ払いどもを照らしている。

その優しい光を何となく眺めていると、シズネの立っているあたりから不吉な属性言語<エレメンタル>が聞こえてきた、これもどこかの酔っ払いが教えたんだろう、俺はそいつを絶対に許さない。


-「闇よ」<カオス>


それが、俺たちが最後に聞いた言葉だった。

その後、シズネの魔力を注ぎ込まれて昇華した「闇に包まれし悪夢」<ナイトメア・カーズ>が俺たちを苦しめたのはいうまでもない。






中庭で突然倒れてしまった皆さんをそれぞれの部屋まで運び終わったころには、頭上には優しく月が輝いていました。

アインハルト殿だけはその巨体のため、中庭においてきたのが気がかりだったのだけど、酔っ払って寝てしまっても竜族なので大丈夫か、と自分の心を鬼にしておいてきました。

でも、やっぱり皆さんひどいと思います。

いくら気持ちよく酔っ払ったからって、一生懸命魔法の練習をしている私の横でいつの間にか寝ているんですもの、いくら温厚な私だって怒るときは怒るんですからね。


とぷんすかしながら、私、シズネは今、クロノさまのお召し物をつくろっている最中でございます。

寝ているクロノさまをせっかくだからと魔法で運ぼうと思って「風よ」<ウィンドウ>をかけたら、あら不思議、クロノさまのお召し物がズタズタになってしまったのです。

隣で、一緒に皆さんを運ぶのを手伝ってくれていた神殿騎士の方たちは、驚いたり倒れたりしていたのですがどうしたのでしょうか。

その後もいろいろありましたね、クロノさまをお部屋まで運んだのですが、暗かったので部屋にある松明に火をつけようとして「火よ」<フェイ>となえたら松明が吹っ飛んだり、一緒に運んでくださっていた騎士の方が「固定化の魔法ごと吹き飛ばしただと!」とびっくりしていましたがこていかって何でしょうね、まだまだ勉強不足な私にはいまいち理解ができませんわ。

その後も、クロノさまが寝苦しそうにしていたので、涼風をふかしてあげようとと考えて、もう一度さっきのを反省しながら「風よ」<ウィンドウ>唱えたら、クロノさまは急にお空を飛びました、不思議ですね、クロノさまは私の中で不思議さんに任命された瞬間でした。

ちなみに、なぜか私が呪文を唱えたときに全力で走り出した騎士の方は、後で見たら廊下の天井に突き刺さっておりました、騎士さまそんなとこで寝るとお風邪をひきますよ。

その後も、自分の部屋まで魔法の練習をして帰りました。

暗い廊下でもう一度「火よ」<ファイ>にチャレンジ、私一度くらいの失敗じゃめげませんから、昔もよく召還術を教えてくれた先生の方にほめられましたからね、お前さんは魔法量と根性と空気の読めないところは一流だなって、ほめてる割にはどっかあきれたような瞳が特徴的な先生でしたね。

今はどこにいるんでしょうか、ラクテクス先生、まあ時たま、自分は歩くぐりもあだーとか意味わかんないこと口走っておられましたが、私は先生のこと嫌いじゃないですよ、頭が多少弱くたって嫌いになる理由がありませんからね。

ちなみに、「火よ」<フェイ>を唱えた後、明るくなったんですけどね、私が歩いている後ろでガッシャーンッ、て大きな音がなった後、暗くなってしまいました、あれは廊下に吊るされたシャンデリアでしょうか、鎖がだめになってしまったんでしょうかね、明日神官様に報告しときましょうか。

「火よ」<ファイ>がだめなので今度は「光よ」<ライト>にチャレンジ、イメージはさっきみたいに光の帯をイメージ、


-「光よ」<ライト>


私の手から迸る光の奔流が廊下を照らしていきます、本当魔法ってすごいですね。

ちなみに廊下の突き当たりの司祭様のお部屋からくぐもった悲鳴が聞こえたのですがどうしたのでしょうか、腰痛でしょうか、人間お年を召されるといろいろ大変ですね。しかし、さすが司祭様ですね、司祭様のお部屋に新しく小窓があいていたのですが、きっと廊下を歩く人たちを暖かく見守るためにおあけになったのでしょう。

そんな、感じで感動したり練習したらして、お部屋に到着です、繕い物をしたら私も寝ようと思います、しかし、神殿全体がにわかに騒がしくなっているのはなぜでしょうか、チクチク、特にさっきのシャンデリアのあたりから結構声が響いてきます、チクチク、皆さん働き者ですねー、チクチク、これなら明日報告しなくても済みそうです、プチリ。

完成です、我ながら見事な腕前ですな。


それでは、私も寝ましょうか、ごそごそ着替えて、もぞもぞと布団にもぐりこみます。

しかし、魔法って本当に楽ですね、今までは松明火を消してから布団に入っていましたからね。

今日からは、ここから魔法で消しちゃいます。「風よ」<ウィンドウ>でいきましょうか。

うーん、でも失敗してまた服とか破れてしまっても困りますし、そうですね。

今日一番成功した魔法でいきますか。


それでは、皆様、ラウラ様、司祭様、クロノ様、おやすみなさい。


-「闇よ」<アビス>






この日、神殿で生活している者たち、召還された英雄たち、各国の代表たちを「闇に包まれし悪夢」<ナイトメア・カーズ>が襲ったのは、いまさら説明する必要もない事実である。







えーと気づいた方もいるかもしれませんが、姑息にもちょっとだけ複線をはらせてもらいました、今後、出てくる予定なので楽しみに待っていてください。


そして、ここまで書いてまだ召還から一日しかたっていないことに気づく作者がいました。


誤字脱字感想、それと詠唱魔法の名前などこんなのあったらいいなーなど、軽い気持ちでいいので書いてくれたらうれしいです。

正直、陰と陽を書き終わった時点で作者の貧弱な脳みそはパンク寸前なもので。


それでは最後まで作者の脳内垂れ流し駄文を呼んでくれた方々に感謝です。

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