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鮮血に染まる山賊ども

ふう、NPCに気持ちが行き過ぎてかなり難産でした。

アマテリア神皇国、神獣テスラに守られた国家でありアインハルトを客将として迎えた国である、国家形態は皇帝の専制国家であり、その軍事力はテスラに集約されているといっても良い。

つまり、守りには強いが、攻める戦いは不得手にしているというわけだ。


そのアマテイアへの道を俺達は歩いていた。

なぜ、アインハルトだけでなく俺達もアマテリアに向かっているかといえば、星の船がアマテリアに現れたという報告があったからである。

俺達、アインハルトと俺とシズネとラミアの四人だ、一匹じゃないかって、賢竜であるアインハルトはもちろん人間の姿に変身することができるからだ。

銀の髪に青い瞳、若さの中に老練さを垣間見させるその立ち姿は、万人に好意的に見られるであろう美しさを持っている。


馬車などは無く、アマテリアへの険しい山道を駆けていく、シズネだけは「風よ」<ウィンド>と唱えたら、なぜか空中を滑空できるようになったため俺達の傍を飛んでいる。

前は、できなかったらしいのだがこれも修行の成果に違いない。

そう、俺を相手にした人体実験の成果に。ガクガクブルブル、

咲け...我が(クロノサマガ)憤怒のままに...黒き絶望の華よ(ワルインデスヨ)」<アビスシュラウド>を食らったあと俺は一日分の記憶を失っていた。

目を覚ますと、アインハルトが青ざめた表情で俺の部屋の外に座っており。

ラミアには、生きてて良かったと抱きしめられた。

本当になにあったのシズネさん。

一部始終を見ていたであろう、「薄蓮」も、小刻みに震えたっきり何も反応を返さなかった。

唯一変わったことといえば、俺の着ていた服が黒の法衣から、黒い儀礼服、葬式などに使う、物に変わっていたことだろうか。


「クロノ様、あれを見てください」


考え事をしながらブルブル震えていた俺に、シズネから声がかかる。

指を刺している先には、谷底の道を駆けていく馬車とそれを追いかけている山賊であろう者たちの姿、馬車を守っている騎士達の姿が見えるが、彼らは馬車の進む先に隠れている山賊たちの伏兵に気がついてはいないようだ、高所から見ているこちらだからこそ、発見できたとも言えるが。


「なんて、お約束だ」


「いうなクロノ、お前さんには昔からこんなこと日常茶飯事だろうが」


愚痴る俺にいさめるアインハルト、しょうがないなと俺も笑うと三人に指示を出す。


「アインハルトとラミアは伏兵の殲滅、俺とシズネで後ろの山賊を倒す、いいな」


「おう」


「「はい」」


俺達はそれぞれの戦場に駆け出した。






我らは、伏兵の殲滅に行く、それがクロノからの指示だった。

我の体の象徴、銀の髪を風になびかせて、崖を疾走していく、山道?そんなものありはしない、私達が進んでいた道こそが山道であり、その道から谷底までまともな道などは無かった。

下まで残り数十メートルを一気に飛び降りると、我はこちらに背を向けていた山賊どもに一気に襲い掛かる。


武器などはない、竜の体躯を人間の姿に凝縮したようなものなのだ、我の腕の一振りは、一番近くにいた山賊の身体を吹き飛ばし、そのまま数人巻き込んで近くの木に激突した。


その時点になってやっとこちらに気がついた何人かも、警告の声を発する前にその体の一部を光の槍に貫かれて絶命していた。


多分、崖を疾走しながらラミアが何か詠唱していたようだから、それだろう。

見たところ、光属性の中級魔法「閃光の迫撃」<フラッシュバスター>だと思うのだが、あの魔法は連射できるような類のものではなかったはずなので、彼女の力量は通常時でも相当なものだというのがわかるというものだ。


ラミアに感心しながらも、攻撃の手は緩めない、最初の数人を殺した時点で彼らはもう逃げ腰になっていたのだが、そのタイミングが馬車の駆け抜けるタイミングとぶつかってしまっても面倒である。


逃げようとするものを四、五人殴り倒したときに、一人骨のありそうなやつがこちらに向かってかけてきた。


その手には二本のロングソード、二刀流など戦争においてあまり意味は無いのだが、かの者動きには乱れは無い、我に向かって右のロングソードを振りかぶって切りかかってくる、それを我は右腕を盾にして受ける。

パキーーン

と、鉄同士を打ち合わせた音とも違うすんだ音が、響き渡った。

双剣の剣士にとっても丸腰の我が、右腕でロングソードを受け止めたことに驚いたようでその動きを止めてしまった、本来なら、我がかわすなりして体制を崩したときに、もう片方の剣で突きこんでくるつもりだったのだろう。

そして、その驚きによる硬直は我と戦っていたものにとって、致命的な時間であった、受け止めた右腕でロングソードを払うと、剣士の左脇が開く我はそこに左の裏拳を叩き込んだ。

剣士がその勢いが止まらぬまま近くの木に突撃するのを見送って、周りを見渡すと、残りの敵は血溜りに沈んでいた。

死体の中に立つ、一人の聖女、その姿は伝説と相違なく神々しかった。






馬車の後方、馬車を追っていた山賊たちは、空から降り注いだ光線によって、まずなぎ払われた。

驚き、足を止める山賊たち。

そして、その真ん中に舞い降りた、圧倒的な殺戮者。

懐から、怪しい紅色の光を纏う刀を引き抜くと、一振り。

それだけで、数十人の命が刈り取られる。

刀を振るごとに舞う、鮮血。

一振り、二振り、それだけの動作の後に、彼に向かって突き進む勇気のあるものは一人もいなかった。

が、その山賊たちの後ろ、そこに無常にも先ほどと同じ光の剣が、空から振り払われる。


前に待つ、絶対的な強者、後ろを刈り払う、姿無き光剣。

恐慌状態に陥った、山賊たちの末路は死への道しかなかった。


双剣の頭が、道の先で伏兵になっている今、彼らを阻む剣士に勝てるものはいず。

ただ、突き進む彼らは、屍の山となってこの世に別れを告げた。






隣国、ライオネル王国を英雄召還のために訪れていた、私達に国許から星の船が現れたことを聞いたのは昨日のことであり、わが国に迎えるはずのアインハルト殿と宰相をライオネル王国に残し、帰国の途に着いたのが今朝の、日が昇る前のことだった。

そして、山賊たちに乗っていた馬車が襲われたのは、山道を避け、谷底の道を幾分か進んだときの事であった。

こんなことなら、アインハルト殿に同行してもらえばよかったと後悔するも遅く、馬車を守っていた騎士達も馬車を守ってその命を散らしていく。


ここまでか、とあきらめていた私達の前に、そのとき天から救世主が舞い降りた。


救世主の割には、その立ち姿は真っ黒で、その戦い方も凄惨なものだったが、その振るわれるルビーでできたような刀身も、降り注ぐ光の雨もそのすべてが綺麗だった。


そして、急に馬車が止まり、前方に目を向けることとなった、そこには、双剣の剣士を無手であしらう銀髪の麗人と、山賊たちを血祭りに上げる蒼き聖女が戦っていた。


三人のうち、二人に見覚えがあり、魔王クロノと聖典騎士のラミアと呼ばれる少女であろう。


そして、すべての山賊を血溜りの中に沈めて戦闘は終わりを告げる。


もう一度後方を見ると、何度か顔をあわせたこともある巫女様がゆっくり空から降りてきたところであった。


それを、見てから私は静かに馬車を降りる。


そして、騎士達の静止も聞かずに黒き魔王の元まで歩いていく。


「クロノ様でございますね」


「ああ」


振り向いた青年は、特徴的な黒い髪と漆黒の瞳に、なぜか死体ようの黒い儀礼服を纏っていた。


一昨日、チラッと見たときは黒い法衣を着ていたはずだが。


と、不思議に思いながら、私は彼にしゃべりかける。


「私のは、神聖アマテリア神皇国の第一皇女、シャリア・アマテリアでございます、どうか、今回のわが国の危機をライオネル王国にいらっしゃるアインハルト様の変わりに、お救いいただけませんか」


馬車の前方で銀髪の麗人が、顔をしかめていたそうですが、私は気づくことは無かったのであります。



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