プロローグ 呼ばれし者たち
勢いで、書いて投稿。
つたなすぎる文章力ですが読んでくれたらありがたい。
薄っすらと光の残滓が残る中、長い夢から覚めるような気分でゆっくり目を開けていく。光の奔流から目を守りながら、目の前の情報を一つずつ整理していく。
どうやら自分は、魔方陣の上、しかも召還系の魔方陣、の上に立っているらしい。周りを見ると同じような魔方陣がいくつも書かれており、自分と同じように現状が読み込めていないような目をした、人族や魔族果ては竜族など雑然とした面々が顔をそろえていた。
場所的には、巨大な建物の内部のようで等間隔に柱が連なっており、神殿のような建物なんだろうといった感想をもちながら、なお周囲を観察していく。
目線をまわしていくと、魔方陣が十ほど連なっている丁度向こう側、人族の騎士のような格好をした何個かの集団のが見えた。
先頭にいる集団の中心に自分たちを呼び出したであろう、その召還師の姿を確認して少なからず驚くことになった。
人族であろうその召還師は、一人の少女だったからだ。
周りを見てわかるのは召還された面々の、ただならぬ気配、たとえば自分のすぐ横に鎮座している竜族は古代竜、または賢竜と呼ぶにふさわしい風格をもっていたし。
後ろの方にたっている、魔法師であろう格好をした長耳族の、またはエルフ族と呼ばれる、青年は、その体から普通の魔法師としては、ありえないほどの魔力を放出していた。
そのほかの面々も、自分を入れて十人くらいだ、少なくとも並みの者ではない気配を纏っている。
それだけ、高位の生物を召還しただけで驚きなのに、その召還したであろう人物がたった一人の上、年端も行かない少女だったことは、かなりのおどろきであった。
「まっておったぞ、古の英雄たちよ、神代のころより時を越えて、我を、わが国を、わが国民を救うために良くぞ来てくれた」
騒然としていた雰囲気を破ったのは、少女のさらに後ろ、屈強そうな騎士たちを百名ほど従えた男だった。
「我は、ライオネル・ハルト・シュヴェライトⅤ世である、我がライオネル王国の国王にして、至高の女神ラウラをあがめる敬虔な使徒である」
その言葉を、聴いて顔をしかめたのは、自分だけではなかった。
あるものは、この馬鹿そうなのが国王なのかという思いから、またあるもの、たとえば神代のときを生きていた古代竜などは、友であり懐かしき名前の少女の姿をした女神を思い浮かべて。
自分としては、長き封印からその身をとかれ、すがすがしい気分だったのに何だこの馬鹿そうな人族は、といった前者の心境であった。
馬鹿そうな国王の方といえば、それだけいって満足したのか、召還師の少女に後は任せると、後ろの方で腕を組んでふんぞり返っている。
それではと、一礼して前に出てきた少女が自分たちに向けて話し始めた。
「皆様、まずは皆様の悠久の眠りを妨げてしまったことを謝罪いたします、その上で、どうか我々願いを聞いていただきたいのです」
少女の話し方は、さっきの馬鹿とは違い礼儀正しい見事のものだった。さっきの馬鹿とのギャップもあり召還されて戸惑っていた側の奴らには、かなり好感を与えただろう。
特に、反論が無いので少女は、話を促されているのだろうと解釈したのか、説明を始める。
「まず、自己紹介として私の名前は、シズネ・ユカと申します、この「ツクヨミ神殿」の身代であり、皆様をこのアクアポリスにお招きした召還師であります、若輩者ではありますがしばし私の話に耳を傾けていただきたいのです」
彼女の話は、ぶしつけであったし、礼儀は守ってもこちらの事情などはまったく考慮する気はないというのが見え見えではあったのだが、悠久の眠りというより永遠に解かれぬ呪縛にとらわれている状態であった自分にとっては、彼女の力に興味があったし、気分的にも、開放してくれた彼女の話なら聞いてみてもいいかなといった気分であった。
ほかの召還者にしても、思いは違えど気分的には自分と似たり寄ったりであったらしく、少女が語るのを積極的にとめようとする者はいなかった。
「私たちが生きる世界、アクアポリスは今未曾有の危機にさらされています、この、アクアポリスに突如空から星の船が現れたのは数ヶ月ほど前でした、その圧倒的な力の前に、ある国は彼らに降伏し、最後まで交戦した国はこの大地からその姿を消しました
もともとアクアポリスには、小国を合わせて三十を越える国々があったのですが、星の船によってまだ滅ぼされていないのは、強力な神獣に守護されているアマテリア神皇国、魔工都市国家レイブラウン、魔導師国家であるシルベリア帝国、そして大地神ラウラをあがめる我らライオネル王国の四つです
皆さんには、それぞれどこかの国家に客将といった感じで属してもらい星の船の撃退に手を貸していただきたいのです」
アマテリア神皇国、魔工都市レイブラウン、シルベリア帝国、その名前が呼ばれたときに、それぞれ違う集団が自分たちに対して略式の礼をしていたので、この召還がこの国を守るためだけではなく。この世界に残っている国の合意の下であるということがなんとなく予想ができたが、各国間はあまり中の良いわけではないだろう雰囲気感じ取れる。
星の船のことや、敵の目的などはほとんどわからないことなど説明し、少女はいったん話を切ると。
手を貸してくれる決意をしたものから、自分の名前、職業やレベルなどを提示して言ってほしいと言って一歩下がった。
その際、手を貸す気が無いものは送還魔法できちんと送り返すという条件もきちんと付け加えていく。
しかし、この言葉はほとんどのものにとっては、脅迫でしかなかった。悠久の眠りからわかるとおりほとんどの物は死んでいるのだから。ここに呼ばれたのは、ほとんどは過去を生きた英雄たちだろう。せっかっくこうして肉体を与えられた状態で召還されたのに、送還されてしまえば、生きている保証などどこにも無いのだ。
自分にとってもそれは同じで、何千年ぶりかに地上に出てきたのに送還されてしまえば、またもとの穴倉に帰って次は、いつ出てこれるかわからない。
とりあえず、様子を見ていると最初に動いたのは隣にいた古代竜だった。
「我が名は、アインハルト、見てのとおり竜族だ。使用系統魔法はこの時代で言うなら、古代魔法といったところだろう
出身は仙界ハクウン、職業というなら賢者といったところかの、レベルは天界法で言うところの600にあたる、以上だ」
賢竜と呼ぶにふさわしい、重みのある声質で竜族の王は自己紹介をすませる。
そう、自分の記憶が正しければアインハルトと呼ばれていた竜は一頭だけであり、竜族の王と呼ばれ地上神ラウラの補佐役の役目を行ったことがあるほど賢竜だったと記憶している。
次に、前に出たのは、金髪碧眼の青年だった。
「私の名前は、ライオネル・ザビーナ、人族で職業は剣士、レベルは人界法で180、出身はセイクリアだ」
レベルというのは、その者の強さを表す基準であり、人界法、天界法と言うのは、種族によって基準となる初期ステータスが違うため、そうクラスわけされているのである。ただ人間族は短命な分ステータスのあがり方が高いため、初期ステータスが低くても高レベルなものになれば同レベルの竜族に劣らない力を持つことなる、たとえばこの青年なら一般的な竜族の戦士と一対一で戦っても引けをとらないほどの力を持った剣士ということになる。
簡潔に済ませた青年が一歩下がると、場がざわめいたのは同時であった。
青年のレベルというよりも、青年の名前を聞いてだ、青年の名前は過去アクアポリスで英雄と呼ばれたものの一人であったからだ。ただし、救国の英雄としてではなく戦争の英雄として、つまりそれだけ戦争で人を殺したということだ。
その後も、続々と名乗りを上げていくものたち、中にはとても戦闘に向いているとはいえないものや。伝説の大魔道師や、凶悪な犯罪者の名前などが会った。どれもこれも一癖ありそうなのが自己紹介していき、残りは自分とエルフ族の青年だけとなった。
エルフ族の青年がうなずくのを見て、お先にどうぞと手招きする。それに答えるように青年が一歩前に出ると自己紹介を始める。
「どうも、四カ国の代表のかたがた、私の名はワリア・ラク・ラスタこの国より東方ラクエスタの森より参った、精霊魔法と弓術と得意としている、レベルは精霊法で250、森に住む同胞の族長をしている
今回の星の船には、我が一族も頭を悩ましていた、一族合わせて加勢させていただこう」
古の英雄並みの強さを持っていることにも驚いたが、彼らエルフ族が生き残っていたことにも四カ国の代表たちは驚いていたようだ。
そして、気難しい精霊族の協力が得られると聞いて彼らは、大いに喜んでいるようだ。
ほとんどの自己紹介を終え、神殿内部には、安堵の空気が流れ始めていた、召還した側の彼らにとっても古の英雄たちが反旗を翻して自分たちに牙を向くのが恐ろしかったのだ。
召還師の少女もここまで召還した者たち全員が、それぞれの思惑は別にして、協力を承諾してくれたことに安堵しながら、最後の人、一番端に立つ自分に目を向ける。
彼女の視線を受けて、軽く一歩前に出る、しばらく鏡などとは無縁の生活をしていたので伸びっぱなしになっている髪、腰まである黒髪、を後ろに流し、その黒き瞳に決意をこめて。
軽くゴホンと咳払いして、全員の注目を集めると、自分的には勤めて明るく自己紹介を開始した。
「どうも皆さんこんにちは、私の名前は、クロノ・クロス、レベルは900で」
その瞬間、神殿内は驚愕と恐怖と静寂に包まれた。
「職業は、魔王です」
ふうっ、長かった。
まあ、ありがちな感じですが、面白かったら感想プリーズ、
面白くなくても感想OKです作者が泣くだけなので..。