第3話 大聖女
骨隷呪……呪術師が考案した骨まで焼き尽くす呪い。その代わりに燃焼により身体の再生能力が高くなる。燃焼の際はかなりの激痛が伴う。壊れやすい奴隷を丈夫にして弄ぶために貴族がこぞって使った。
プスクが燃焼を分化させると少女は呼吸が回復していき、閉じていた眼を開いた。
そこには痛みを代替している綺麗な少年が手を握っていた。
「綺麗……」
「おっ!気が付いたか。ちょっと待っていろよ」
プスクはゆっくりと両手を合わせると大聖女の力を解放していくと、少女の背中にあった呪いの紋が消えて行った。
「これで大丈夫だ」
ゆっくりと立ち上がると少女は自分の手を見て痛みが引いたのを不思議そうにしていた。
「あ、ありがとう!」
子ども達が嬉しそうに駆け寄るがプスクは次の状況を危惧していた。
「孤児か元奴隷か……雑貨衆にまで連れていきたいが」
「ここから聖女の反応が出たぞ!」
外から大人の騎士が声が上がった。
「やはりバレたか」
息を吐き出すと眼を一瞬閉じて、開くと波状の念波をだした。
メガローガス!
力を貸せ
プスク……か
機械音の反応が返ってきた。
よし、メガローガスは生きている
ああ、雑貨衆で保護して欲しい子どもがいる
帝国に渡すわけには
ワカッタ
ムカワセル
よし、メガローガスが生きているなら
「世界の声」が使える
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「D地区の3ですね。プスク様がいるのは」
機械のヘルメットを取ると癖っ毛の翼の生えた少年がゆっくりと顔を上げた。
「さすがの演技力ね」
妖艶な雰囲気を感じるドラゴン族の女性が会議室のような部屋で頬杖を付いていた。
「雑貨衆リーダー麒麟殿下、ドラゴン族リーダーリーフ殿下。皇帝陛下が」
「ああ、別に気を使わなくて良いですよ」
「あたしもー」
さてプスク様をどのように説得するかな
悪の帝国が滅んだ事と
ツクヨミをプスク様が倒した事と
メガローガスが死んだ事を