第十八章6 【アンサー・クリエイト/余談?】2/超闘種族の愚かさ2
【超闘種族】と名もなき男の言い争いは続いている。
【超闘種族】は、
「俺を殺さない限り、ずっとお前をつけねらい、いつかはお前を殺してやるよ。
ざまぁ見ろ。
殺せ、殺して見せろ。
俺を殺して見せろ。
そして、お前の言う戦いが全てじゃないってのを自ら否定してみせろ。
お前には勝てないかも知れないが俺の考えが正しかった事はそれで証明される。
所詮、この世は弱肉強食。
強い者が弱い奴を食う世界なんだよ」
と強がった。
名もなき男は、嘆息し、
「やれやれ・・・
ここまで愚かだとはな・・・
弱い奴でも戦わない方法はある。
それは逃げる事だ。
逃げて戦わなければ負けはない。
負けとは死んで消滅することだ。
逃げられないとか言う奴がいるがそれはしがらみを持っているからだ。
何かを捨てきれないからそれが枷となり、自滅する。
本気で逃げたいと思ったら全部捨てれば良い。
全部捨ててやり直せばまた積み上がる。
そいつ自身が狙われているのなら自分の価値を無くせば良い。
美人だってんならブスになれ。
そうすりゃ、相手も狙わない。
そう言う戦い方が出来るはずだ。
それとな、本当に強い奴ってのは儚さの価値を知っている者だ。
儚いものは壊れたら終わりだから滅多に傷つけない。
傷つけない様にそっと扱う。
そう言うものだ。
お前等の思考にはそう言うものが全くない。
薄っぺらのぺらぺらだ。
中味がないつまらん生き方だ」
「黙れ。
てめぇがどうこう言おうが、俺は生きている限り、お前をつけねらう。
それは俺を殺す以外に防ぎようがない。
どうだ、ざまぁ見ろ。
てめぇの理論は破綻してるんだよ」
「やれやれ・・・どこまでも愚かなんだな・・・
そもそも、本当に強い奴がお前に対して死を与える事しか出来ないと思っているところが愚かなんだよ。
こうは思わなかったのか?
お前の心をいじくって戦う意思を無くしたり、お前の成長を止めたり、出来ると思う想像力は無いのか?
俺はお前等より強者なのだろう?
だったらそれが出来てもおかしくないと思うが?どうなんだ?
そもそも戦って強いか弱いかしか価値基準がないお前等と俺を一緒にするな。
こっちはお前の存在価値をまるごと変える事だって出来るんだ。
だが、それはお前のか弱い存在を壊すことになる。
だから言って聞かせようと思っている俺の心遣いが解らないのか?
そこまでバカで愚かなのか?」
「そ、そんな事が出来る訳が・・・」
「なら、実際にやってみようか?
言っておくが後戻りは出来ないぞ。
お前はお前の想像出来る事しか他の存在が出来ないと思っている様だが、お前ごときの貧弱すぎる想像を超えることなんか俺程度でも余裕で出来るんだぞ」
「俺・・・程度・・・?」
「何だ、お前・・・俺程度が頂点だとでも思っていたのか?
俺なんか、足下にも及ばない強者は腐るほどいるぞ。
お前のちっぽけな視野では視界にすら入らんとは思うけどな。
意識的に避けて居るんだろうな。
俺程度なら絡めるが、俺を超える存在には見ただけで萎縮する。
存在価値が出逢っただけで一目で否定される。
それが解っているから、俺みたいな雑魚に因縁をふっかけているんだろ?」
「ざ、雑魚?お前が?」
「俺を何だと思ってるんだ?
俺は何処にでも居るごく一般的な存在に過ぎない。
俺より強い奴なんざ、腐るほど存在するってのは事実だ。
俺を殺せると仮定したとしてもお前の前に立ちふさがっているのは掃いて捨てる程いるんだよ。
つまりお前のやっている事は不毛なんだよ。
お前の一生かけても俺程度にすら全く追いつかない。
だから馬鹿な真似はやめとけ・・・
俺は優しく言っているつもりなんだが?」
「そ、そんな・・・」
人間の知れる範囲は極限られている。
上には上が居て、その上も遙かに存在する。
これはそう言った話となる。