第十八章51 【アンサー・クリエイト/新現】45/【フェイマス・グローリー】が見ている悪夢4
【10番】には、【10】なりの【正義】があり、同じ【超高位神】の加護を受けている者は殺せない。
だから、【覇王/オーバーロード】として相応しくない横暴な振る舞いをし続けている【フェイマス・グローリー】の悪行を苦々しく思いながら見のがしていた。
【覇王/オーバーロード】としての力はどちらかと言えば、【集団】であり、【NNJ】の力は基本的に【個】である。
それでも拮抗した力があるとされているのは、【NNJ】の力が突出しているからに他ならない。
基本的に、【覇王/オーバーロード】は【開く力】があるとされる。
これは、【虚構のものを現実に変える力】があるとされ、自分の考えた【想像】を【展開】させて現実化させる力がこれに当たる。
これに対して、【NNJ】は、【閉じる力】があるとされる。
これは、【現実のものを虚構に変える力】があるとされ、【現実】の物事や存在を例えば【本】などに封じ、【存在しないもの】とする【力】があるのだ。
【閉じられてしまった者】は閉じられた【本】などの【世界】の【牢獄】で過ごす事になる。
基本的に【閉じたNNJ】本人が出さない限り脱出は【真の強者】の様な規格外の化け物以外はほば不可能とされる。
そう言った実力を有しているのだ。
つまり、【栄光主】と異なり、【NNJ】とは真の実力者の集まりである。
とは言え、【トップ10】の【覇王/オーバーロード】には、【超高位神】の加護があり、【11番】以下の【NNJ】であっても歯が立たない。
そこで、同じ【超高位神】の加護を持つ【0番】から【10番】の11名には、それぞれ同じ【超高位神】の加護を受けている【覇王/オーバーロード】と同等の権利が与えられ、お互いを殺傷する権限を持たされている。
【第1覇王/ファースト・オーバーロード】から【第9覇王/ナインス・オーバーロード】と【0番】から【9番】まではお互い、自分達の行動を監視しあい、それぞれが道を踏み外した時には、倒すという関係性が出来上がっている。
それに対して、【第10覇王/テンス・オーバーロード】と【10番】にはこの関係性が出来ていない。
【10番】は、【フェイマス・グローリー】の素行が、討伐に値すると思いながらも、同じ【超高位神】の加護を受けているという事から簡単には決断できずにいるのだった。
【10番】は【次体位席】のトップであるが、やはり、その辺りが【9番】以上の席次より、未熟であると言えるだろう。
自分の判断で均衡を保っている【覇王/オーバーロード】との関係性を崩して良いのか?
それを気にしているのだ。
逆に言えば、【10番】の未熟性により、【フェイマス・グローリー】は助かっていると言えるだろう。
実力的に言えば、【10番】の方が、【フェイマス・グローリー】より勝っているのは明かである。
それを察した、【第1覇王/ファースト・オーバーロード】から【第9覇王/ナインス・オーバーロード】までが、同じ、【覇王/オーバーロード】である自分達の責任でもあると判断し、【フェイマス・グローリー】の【第10覇王/テンス・オーバーロード】としての資格剥奪に動き出したのだ。
【0番】から【9番】と【10番】の間に実力的に大きな隔たりがある様に、【覇王側】もまた【第1覇王/ファースト・オーバーロード】から【第9覇王/ナインス・オーバーロード】と【第10覇王/テンス・オーバーロード】には、【アンサー・クリエイト】を有しているか否かの隔たりがある。
上位の【覇王/オーバーロード】達は、【第10覇王/テンス・オーバーロード】にも自分達と同じ様に、【アンサー・クリエイト】を有する事を必須とすべきだと判断していた。
その上で、【フェイマス・グローリー】はそれには絶対的に役不足。
そこで、【芳一】達、【新第10覇王/テンス・オーバーロード】候補の中からその可能性を見いだそうとしていた。
上位の【覇王/オーバーロード】達は、【フェイマス・グローリー】には何も期待していない。
それを感じるからこそ、人格ごとに配偶者を連れてこいなど【第10覇王/テンス・オーバーロード】としての無茶な条件を出して、見苦しい抵抗を彼はしていたのだった。
自業自得とは言え【フェイマス・グローリー】は、そうやって追い詰められていたのだった。




