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Crimson Flow:プロローグ

このお話のキャラクターは本編第45部より登場します。

あわせてよろしくお願いします。

 のどかな田舎町にひっそりと佇むこの学校で事件が起こり始めたのは一週間前だった。

 最初の被害者は陸上部の元エースだ。

 元エースで今は問題児。

 怪我が原因で陸上を辞め、今は不良少年と化している。

 その男子生徒はある日校内で血まみれで倒れているのを発見された。

 当初ただの喧嘩かと思われたが、それから次々に生徒が同じような状態で見つかる。

 これまでに三人。

 無数の切り傷を負って、一命は取り留めたものの入院中だ。

 いずれも不良、問題児そんな風に位置づけされている生徒ばかりだった。

 彼らの日頃の行いから見て事件性は薄く内輪もめか何かだと見られていた。

 傷がどんな刃物よりも鋭いものでつけられたと判明するまでは。

 学校側は事件の真相解明と犯人を見つけだすためにやっきになった。

 しかし手掛かりはつかめず、警察すら手をこまねいているのが現状だ。

 様々な憶測が飛び交う中、生徒の間では人間ではない何かの仕業だという噂がまことしやかに囁かれだした。

 事件は人の手を離れ、人の手に余るものとなりつつある。

 人ならざる者の所業ならば尚更のこと。

 事件の行方は闇の世界に住む者に委ねられようとしていた。


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