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狂おしいほどに君を愛している  作者: 音無砂月
第Ⅱ章 狂気との出会い

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29.未来は変えられる

教室に入るととても気まずい空気が流れた。気にせずに中に入ろうとした。

私が教室に入る前にノエルが先に入った。

私は彼と手を握ったままだったので必然的に彼に引っ張られる形で中に入ることになった。

私よりも背の高いノエルが先を歩くことでクラスメイトの視線を感じることはなかった。もしかして、無遠慮に注がれる視線から守ってくれているのかな。

少しだけ今回の学校生活がわくわくした。ノエルがいるだけで安心する。不思議だ。会って間もないのに。


「あ、あのぉ」

学校で友達ができたことも嬉しいかったのに、更に男女別れての授業でペアを組んで取り組まない時どうしようかと思っていたらアリーヤが声をかけてきてくれた。

「わ、私と組んでもらっていいですか」

私と組みたがる人なんていないと思っていたから驚いた。

「ええ、もちろん。いいわよ」

「あ、ありがとうございます」

「お礼を言うのは私の方よ。どうしようかと悩んでいたから」

他のクラスメイトは私のことを遠巻きに見ている。

態度や対応を変えることで変わることもあるのだ。そのことが自信に繋がった。

未来は変えられるのだ。

まだまだ油断はできない。その一つが婚約だ。私は在学中に婚約している。四回とも。タイミングも時期もバラバラだったけど全て在学中であることから今回もその可能性が高い。

「スカーレット様は委員会はどうなさるんですか?」

授業内容はルシフェル国の歴史について。

歴史を調べてレポートにまとめるものだ。

二人で手分けしながらこの国の歴史についてレポートをまとめている時、アリーヤから委員会の話が出た。

「強制ではないですけどみなさん入られるので、スカーレット様はどうするのかなと思いまして」

委員会は強制ではないけど有力貴族と近づけるチャンスでもあるので大体の生徒は所属する。

私は四回とも委員会には所属していなかった。

どこにいても一人で、誰からも受け入れられなかったから。

今回も入学前までは委員会について特に考えていなかった。きっと希望したって断られるだろうと思っていたから。でもノエルやレイクロード、アリーヤというイレギュラーが現れた。

原因は記憶を持っている私が今までと違う行動をとったからだ。

当たって砕けろとは良く言うけど断られるのを覚悟でどこかに所属するのも悪くないかもしれない。

折角の学校生活。折角、いろいろと変化が生まれているのだ。少しでも学校生活というのを楽しんでみたい。楽しめるかもしれない。

「アリーヤはどこに所属するか決めているの?」

「はい。園芸委員に入るつもりです。スカーレット様もそこにされますか?」

園芸委員は温室や中庭の植物の管理や何を植えるかなどを決める委員会のことだ。

「もう少し考えてみるわ」

「そうですか」

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