欲望
「901号室」
レストランの食事が終わり弥生さんに声をかける。彼女の肩もピクリとする。
「はい」
一言だけ。返事をしてくれた。
「会計は僕が持ちますね」
「いえ、ここは私が出します.....宿泊費お願いします」
宿泊費とディナー代を比較するとディナーの方が、かなり安い。彼女の言い分を聞くことにした。
「わかりました。ご馳走になります」
弥生さんが会計を済ます。再び彼女の肩を借り宿泊予定の移動する。僕らは終始無言だった。
「せ、先生。ま、待って下さい。しゃシャワーを」
僕は部屋に入るなり弥生さんを抱く。そして彼女の有無を言わさす、彼女の要望に応えた。僕は彼女の顔を見なかった。
事が終ると弥生さんは無言でお風呂に向かった。僕は彼女に追随した。今度は彼女の表情をしっかり確認した。ただ驚いている。今回も強引に抱いた。自分でもわかる。独り善がりだ。
二回戦を終え、弥生さんと風呂に入る。彼女の体は僕がくまなく洗う。僕の体は弥生さんに洗ってもらった。
「先生、いきなりは怖いです。優しくして欲しいです」
湯船に浸かりながら彼女はキスを求める。僕は再び彼女の体を求めた。
弥生さんが先に風呂より上がる。ここに来て僕は冷静さを取り戻し湯船で泣いた。彼女は優しい。普通に僕を受け入れてくれた。僕は川田の代わりに彼女をデリ嬢のように使っている。ただの逃げだ。今日はこれで止めよう。
彼女がもう寝ていてくれれば良いな。と思いながらゆっくりと風呂場を出た。
「先生、ゆっくりでしたね。ちょっと心配しました。何か飲みますか?」
あんなに無理やりしても、弥生さんの態度は変わらなかった。まさか、そういう憧れがあったりする?試す?バカ。何だその思考。彼女に失礼だ。
「そうですね。コーヒーとかありますか?」
「入れますね」
揺ったりと時間がながれる。暇を持て合わせた僕はなんとなくテレビをつける。内容なんてどうでも良い。目を瞑り雑音を聞く
「先生?」
その声に驚き目を開く。弥生の声が聞こえた。弥生さんではなく弥生だ。
夢だとわかる夢を見ていた。
高校生の弥生にせがまれ、避妊しないでしたことが一度あった。理由は弥生さんと同じで赤ちゃんが欲しいだった。
「高校生が妊娠なんてダメです」
当然のように僕は拒否する。
「先生、この高校三年生って色々都合が良いと思うんです」
「都合悪過ぎだろ!」
思わずツッコミをいれる。
「今、妊娠すると、出産は7月か8月です。受験も終わり大学になっている時期です。妊娠中は勉強出来ますよ」
「お前なぁ」
「憧れの中だしです。どうぞ!」
「するか!」
過去にあった出来ごとだ。僕は彼女の誘惑に負け避妊しなかった。一度きりだ。彼女は赤ちゃん出来たらお母さんに見てもらって弟か妹のようにすると楽しそうに話していた。
「先生?」
まだ夢の続きか。と目を開く。目の前にはバスタオルで体を隠す、美女が立っている。弥生さんだ。
「え、ああ。少し寝てました」
「疲れてますか?もう休みますか?」
そうだな。寝よう。これ以上彼女をヒドイ扱いにしてはいけない。
「そうですね。寝ます」
「そ、そうですか」
アレ?弥生さん反応が微妙。彼女がもじもじする。
「大丈夫です。もう無理やりしたりしませんから。一緒のベッドで寝ましょう」
彼女のもじもじは恐らく警戒だ。僕は深く反省する。
「え。あの。その。まだ私、イッテないんです」
「はい?」
僕は間抜けな反応をする。そして気づく。完全に自分本位のことしかしていない。風呂でそれらしいことはしたが、基本突っ込むだけだった。
「おいで弥生」
「は、はい」
僕は彼女を優しく包み込んだ。後は彼女が気持ち良くなるまで頑張ることにした。
早朝に目が覚める。隣では弥生さんがすやすやと眠っている。僕は彼女の髪を撫でる。懐かしい手触りだ。あれほどしたのに、目が覚めると僕の息子は元気だった。息子を沈めることにした。
「あ。せ、んあ」
弥生さんも同時に目覚めたようだ。
「おはよう弥生」
挨拶をしつつ唇を奪う。先ほどまで何か訴えかけそうな目をしていたが今はとろーんとしている。
全ての行為を終了したあと弥生さんはシャワーを浴びに行った。
「今は準備を色々するので襲いに来ないて下さいね」
釘をキツく刺されてしまう。まあ、散々したし。怪我をしていても欲望が絡めば何とかなるものだ。彼女のお陰で色々吹っ切れたような気がする。
答えが出ない物もあった。避妊しなかったなぁ。赤ちゃん出来たら結婚する?赤ちゃん出来たらどちらでも彼女は生むと言っていた。やはり、彼女の意図がわからない。




