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とあるハンターの話。  作者: 弓鳴千風
Case.マイ
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プロローグ




 きっと、わたしの人生というものは、はた目から見て、とても平凡なものではなかったし、順風満帆なものでもなかったろう

 それでもわたしは、自分の生きてきた道が、とても幸福で、満たされたものだったと思っている


 可哀相だと泣いた人が居た

 どうして君がと嘆いてくれた人が居た

 わたしを助けたいと言ってくれた人が居た


 わたしの幸せを願ってくれた人が――たくさん居たのだ


 わたしは、空っぽだった

 何もなかった


 けれど、いつの間にかそんな人たちがたくさん居た


 なあ、だから、わたしはとても幸せだったんだよ

 泣いてくれた君が居たから、わたしは可哀相じゃなくなった

 どうしてと嘆いてくれた君が居たから、わたしは自分で自分を嘆かなくなった

 助けたいと言ってくれた君が居たから、それだけでわたしは助かっていた


 幸せを願ってくれた君たちのお陰で、空っぽのわたしは、とても、ずうっと、幸せだった


 最期の時、わたしに残ったのはただ一つの小さな後悔だけだ

 その後悔だって、本当に小さなものだったから、きっとそれを抱いた相手である君は、数年もしたら忘れるようなもの


 そして、君が忘れてさえくれれば、わたしには本当にもう、何の後悔も残らない


 幸せだった、幸福だった、満たされた――きっと、そんな人生だった


 君から聞かれた「今、幸せ?」という問いに、「ああ、幸せだよ」と答えたのは、ただの、本当のことなのだよ

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※別シリーズの『18歳気怠い騎士と、7歳気難しい王女』と世界観は全く同じです。同じ世界の別の人たちが主人公となってるものです。
 そして、ちょいちょいそちらのシリーズ読まれている体で話を上げることになるかと思います。
 読んでなくても、ふんわりとした世界設定ですので、話的には読まれていなくても大丈夫かと思いますが、急に知らない人とか出て来てしまうかもしれません。
 気になったら読んでみていただけると嬉しい限りです。

『18歳気怠い騎士と、7歳気難しい王女』:弓鳴千風
よろしければ、上記からどうぞ。
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