プロローグ
初めての異世界モノです!がんばりますのでよろしくお願いします。
『イジメ』それは日常生活のどこにでもある、ありふれたものだ。『イジメ』は不幸しか呼ばない。それは誰もが一度は思うことではないだろうか。
人は醜い生き物だ。
自分の思い通りにならない、気に入らない、鬱陶しいなどの感情だけで動いてしまう、単純な生き物でしかない。「やってはいけない」という、ストッパーがかかっていても周りを巻き込んでまでやってしまう。「皆でやれば怖くない」というものだ。一人ではできないから、周囲を巻き込み広げていく。周囲の人間も、自分はイジメられたくないからという理由で同じことを繰り返し学ぼうとしない。
自分はやっていて楽しいのかもしれない、優越感に浸り、快感を味わうのだろう。
でも、やられている人はどうだろうか。そんな行為をしている人は、やられている人の気持ちは考えたことがあるだろうか?いや、ないだろう。あるわけがない。その気持ちを考えれば起こることもないのだから。
『イジメ』
には、もう一つ悪がある。それは、傍観者だ。
傍観者は見ているだけで、罪の意識がなく「他人だから」「関係ない」などの理由で、自分は一切関わっていない、そんな自己基準で自分の考えを通す。見ているうちに、自分も〝やってみたい〟という好奇心で、『見る』だけでは満足できず、イジメに加わる。これを罪として意識してないのが
タチが悪い。無意識のうちに相手を傷つけ、心を壊す。飽きたら〝次〟に向かう。
標的を変え、同じように傷つけ、壊す。
僕、相模ユウトも弱者の一人だった。
月曜日。それは一週間の中で憂鬱な始まりの日。きっと多くの人がこれからの一週間にため息を吐き、前日までの天国に戻りたいと思ってしまう。
そして、それは相模ユウトも例外ではなかった。ただ、ユウトの場合、単位面倒というだけではなく、学校の居心地の悪さが十分に含まれていた。
ユウトは、いつものように遅刻ギリギリに登校し、重たい瞼を開けつつも教室の扉を開けた。
その瞬間、教室にいた男子生徒のほとんどから舌打ちや睨みなどを頂戴する。女子生徒も友好的な表情をするものはいない。無関心ならいい方で、軽蔑の目を向ける者もいる。
極力意識しないように自分の席へと向かうユウト。しかし、ちょっかいを出す者もいた。
「キモオタ! また、徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてただろ?」
「うわっ、マジかよ~。徹夜してまでエロゲとかキモすぎだろ~」
そんな言葉を掛けながら僕の腹を殴ってきた。
殴ってきたのは、山口修といい、毎日毎日ユウトに暴力を振るう生徒だ。近くで笑っているのは遠藤浩太、士道龍の二人で、大体この3人がユウトをイジメていた。周りの生徒は見て見ぬフリをする。
山口の言う通り、ユウトはオタクだ。とは言ってもキモオタと言われるほど言動や服装が見苦しいわけではない。コミュ障でもなく、話しかけられれば受け答えはできる。おとなしくはあるが、別に暗いという雰囲気はない。ただ、創作物、漫画やアニメ、ゲームや小説というものが好きなだけだ。
世間ではオタクに対する風当たりは確かにあるが、嘲笑はあれど、ここまではされない。では、なぜ生徒全員が敵意や軽蔑をあらわにするのか。
その答えが彼女だ。
「おはよう、相模くん! 今日も遅かったね。夜更かしは良くないよ?」
ニコニコしながら一人の女子生徒がこちらに歩いてきた。学校でもユウトに気さくに話しかけてくる子、名前を如月陽菜といい、この学校でもトップクラスの美少女であり、この事態の原因でもある。しかし彼らは陽菜に悪いように思われたくないのか、いつも彼女がいないときにイジメてくるのだった。
彼女は、面倒見がよく、周りに頼られる。それを嫌な顔一つせずに受け止める。
そんな陽菜はなぜかユウトに構うのだ。徹夜のせいで居眠りなどが多いユウトは成績は普通なものの、不真面目な生徒と思われており、生来の面倒見の良さから陽菜が気に掛けていると思われている。
生憎、ユウトの容姿はごく平凡であり、〝普通の日常〟がモットーである。しかし、周りの生徒はユウトが陽菜と親しくしていることが我慢ならないのだ。「なんで、あいつだけ!」と。女子生徒は、陽菜に迷惑を掛けていること、なお改善しないことに不快さを感じているようだ。
「う、うん、おはよう如月さん」
うわっ、これが殺気か!?と言わんばかりの視線を受ける。
挨拶を返されたのが嬉しいのか笑顔になる陽菜。更に突き刺さる視線に冷や汗を流した。
なぜここまでユウトに構うのか。しかし、自分に恋愛感情を持っているなどと自惚れるつもりはない。そんなことを考えていると、3人の男女が近寄ってきた。
「相模くん。おはよう。毎日大変ね」
「陽菜また彼の世話を焼いているのか?優しいな」
「ホントだぜ、やる気のないやつに何を言っても無駄さ」
最初にあいさつしたのが矢神薫。陽菜の親友だ。ポニーテールが特徴であり、昔から剣術を習っていたためカッコイイという、印象を与える。
臭いセリフを掛けたのが宮崎信治。彼は、容姿端麗、スポーツ万能、成績優秀の優等生だ。
最後の諦めたような感じの男子生徒は、斎藤勇気といい、いわゆる脳筋だ。
そんなこともあって今日一日が始まった。
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教室のざわめきに、ユウトは目を覚ました。どうやら昼休みに入ったようだ。
ユウトはカバンから十秒チャージを取り出し、エネルギーをチャージした。
もう一度寝ようとしたがそれはかなわなった。
「相模くん。今日もそれだけ?私の分けてあげようか?」
「ううん、大丈夫だよ如月さん。宮崎君たちと食べたらどうかな?」
(お願い!周りの視線に気づいて!)
現実逃避のため上を向くユウト。
背筋に寒気がした。
ユウトの前、僕らの教室に紅に光り輝く、円を描くような模様が現れたからだ。その異常事態に周りの生徒も気づき始めた。全員がその場から動けないかのように、紅の光は輝きを増す。
輝く模様―ゲームやラノベで言うところの魔法陣らしきものを直視する。その魔方陣は、次第に教室全体を満たしていった。
動けるようになった生徒は、悲鳴を上げたり、パニックになっていた。
教室にいた美咲先生が咄嗟に「全員教室から出て!早く!!」と叫んだのとほぼ同時に光が爆発したかのようにはじけた。
元どうりになった教室には、既に誰もいなかった。ぽつり、ぽつりと取り残された机や椅子、食べかけの弁当、床に落ちた箸やペットボトルなどはそのままで、教室にいた人間だけが姿を消したのだった。




