表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

バット女にご用心

作者: 相羽 偉央

 特に何もなかった春の終わりごろ。

 夜でも半袖で出歩けるような時期でも、俺はいつも通りパーカーでコンビニに向かった。

 高校二年生だと補導される時間だが、この平和な街では深夜にパトロールする必要もない。

 片手に○古タンメン中本とコーラを持ち、レジで金を払う。


「げ、またあの子だわ」


 店員が外を見つめながら小さくつぶやいた。

 釣られるように外を見ると、駐車場にバットを持った制服の女子高校生。隣町のヤンキーだろうか?

 すぐに興味が失せ、商品を受け取り外へ出た。 絡まれないように、気持ち離れながら進む。


「ついに来たな……かかってこぉおおい!」


 ヤンキー女子が急に大声をあげ、バットを振りかぶった。

 一体、何事か! 俺の脳裏には既に『愛をとりもどせ!』が流れ始めていた。

 彼女が見つめる先には、一匹のカラス。その眼球は、確実にバット女を狙っていた。

 そして、バット女の上を通り過ぎる瞬間……フンを落とす!

 あれは確実にバット女の頭を狙っているッ!


「ふ、既に三度も受けているその攻撃……見切ったり!」


 バックステップで一歩分下がると、振りかぶっていたバットを一気に回す!

 しかし、そのバットは空ぶったように見えた……が!


「まさか……フンに当てたというのかッ!?」

「分かっていないな小僧、あのカラスを見な」


 いわれた通り、カラスを見ると呑気に飛んでいる。

 だが、次の瞬間、カラスは何かにぶつかり体勢を崩した!

 そして、そのままバット女の前に落ちてきた。

 バット女は、そのカラスの足を掴み……


「フンは返したぜ……次は貴様が私のフンになる番だ」


 そう言いながら、バットとカラスを抱えてどこかへ歩き去ってしまった。

 俺は、ただ一つ思った。



――――――こいつ絶対関わっちゃならんやつだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ