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第4話 入居をお断りします。

第4話の主な登場人物

佐山 光一  地域対策安定課、事務課長

中村 竹蔵  金穂市長

保谷 紗枝  アパート「金穂の家」オーナー


第3話の続き

俺は新しく配属された地域対策安定、事務課の職員たちと自己紹介も兼ねて雑談をしていた。

すると行きなり「ガラガラッ」と勢い良くプレハブ庁舎の出入り口のドアが開いた。ドアの前には気の強そうなお婆さんがかなり怒った様子で立っていた。誰だ、このお婆さんは?

そのお婆さんは大声で「ハゲくそ親父、出てきな!この嘘つきが!」と大声で怒鳴った。すると市長が表に出てきた。その表情はさっきまでの優しそうなお爺さんとは違い、眉間にシワが寄って顔は真っ赤になっていた。市長は明らかに怒っている。市長はお婆さんを睨み付けて「何だくそババァ」と言った。

お婆さんは「バンッ」と一枚の紙を机の上に叩きつけてこう言った。「何がよ!このクソジジイ。これはどういうつもり?誰よこの佐山光一って男?何が農作業職員よ」と言った。

俺は自分の名前を行きなりお婆さんが口にしたのでビックリした。しかも何だ?農作業職員ってのは?ってかお婆さん、あんたは誰だ?

お婆さんが行きなり俺の名前を口にすると言うことは俺にも関係ある話だと思い、俺はお婆さんの元へ行った。

お婆さんは一枚の紙をカウンターの上に「バン」ッと叩きつけた。それは「賃貸契約書」だった。その契約書にある「貸部屋使用者氏名」とかかれた欄には何と俺の名前がフルネームで書いてあった。その横にある入居者の職業を書く欄には何と公務員ではなく「農作業職員」と書かれていた。俺は何が何だかさっぱり分からなかった。

取り敢えず俺がお婆さんに近づくと、彼女は俺を睨み付けながら「誰よ、あんたは?」と聞いてきた。

俺は「今日から金穂市役所に配属された佐山光一です。貴方はどちら様ですか?」と言った。すると市長が慌てて「馬鹿かお前は。そんなことしたら入居出来ないだろうが。」と言った。

おいおい、入居出来ないってどう言うことですか?

するとお婆さんが市長に向かって「もうバレバレだよ。島のみんなが揃って"こんな人はいない。しかし同姓同名の公務員が四月から金穂市役所に来る゛と言っていたわよ。」と言った。どうやら市長は俺が入居する予定のアパートの賃貸契約書に嘘をついて俺の仕事は農作業職員と書いたらしい。おいおい、それは犯罪なのでは?

お婆さんは俺の方を向いて「あたしの名前は保谷紗枝、あんたが入る予定だったアパート"金穂の家"のオーナーだよ」と言った。その顔はさっきに増して険しくなっていた。市長は「そっちが"公務員なら受け入れない"とか言うからだろうが。だいたいそんな事をいつまでも言っていたらアパートが潰れちまうぞ婆さん。」何故保谷さんが自分のアパートに公務員を入居させたくないのかはこ時の俺には分からなかった。

保谷さんは俺に対して衝撃的な一言をいい放った。「あんたは公務員、つまりは対立関係の中にある。だからアパート"金穂の家"はあんたの入居をお断りします。」

俺は一瞬言葉を失った。何と保谷さんのアパートは俺の入居を断った。つまり俺は今日から住む家が無い。

保谷さんは俺に「金穂にはまだ他にもアパートが有るからうちのアパート以外にもあんたが入居出来るところはあるさ、まぁ、公務員のあんたを受け入れても良いと言うアパートは金穂には無いと思うけどね。」と言って帰ってしまった。机の上には「契約不成立」と書かれた賃貸契約書がおいてあった。 

俺の頭は混乱していた。今日からの家がない。何で保谷さんは金穂市の公務員を毛嫌いするのか?そして俺はこの先どうすれば良いのか?     第五話へ続く




次回予告

何で市民と公務員は対立しているのか?

次回、その衝撃的な理由が明らかに‼





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