その38
終わった。何もかも.....。
今まで積み上げてきた物、頑張ってきたものも、全て粉々に砕けちった。私は泣きじゃくりながら久我くんが出てったドアを見る事しか出来ない。どうして?何が駄目だったの?わからない.....、なんで教えてくれないの?全部わかんないよ.....。
その時、
『ガン!!!!』
と、突然大きな音が外で聞こえた。今の精神状態もあってかとても驚いてしまった。
「な、なに?え?なんなのよ.....。」
ゆっくりと立ち上がりドアに手をかける。顔だけ出して廊下をキョロキョロと見渡すと、どうやら置いてある木が倒れたらしい。
「こんな時に.....、はぁ.....。」
溜息をついてからスリッパを履いて外に出る。室内で風なんて吹くわけないしどうして倒れたんだろ?
「.....!久我くん!!」
倒れた木の奥に久我くんがいた。ぶつかって頭でも打ったとしたら......、そう思うとさっきまでの悲しい気持ちなんてどうでもよくなった。
「久我くん!大丈夫!?どうしたの!?」
駆け寄って体を起こす。医学の知識は無いからわかんないけど息はあるみたい。さっき抱きついてた時は分からなかったけど体がとても熱かった。
「こんなに体が.....。とりあえず部屋に運ばないと.....。」
なんとか久我くんを背中に乗せてゆっくりと部屋まで連れていく。廊下がこんなに長いものだと思ったのは初めてだった。
ようやく部屋までたどり着いて、久我くんをベッドに寝かせる。未だに体は熱くて寝ているのかわからないけどとても苦しそうに声を出していた。
「どうしよう.....どうしよう.....。とりあえず冷えピタ買ってこなきゃ!」
部屋着のまま飛び出して自転車で冷えピタを買ってきた。年末の夜の寒さなど気にはならなかった。
冷えピタを貼ってから少ししたら、久我くんは気持ちが良かったのかスーッと落ち着いた寝息が聞こえてきた。
「.....良かった.....。」
一安心だ。こんな所で久我くんに死んでもらわれては元も子もない。後出来ることと言えばポカリ買ってきたり部屋の温度を適温にしたりするくらいか。
こうして久我くんの看病をしてるとなんだか満たされた気になってくる。今までの褒められたり触れたりとはまた違った満たされ方で物凄く新鮮だ。
多分凄いだらしないであろう顔で久我くんの寝顔を突っつく。少し鬱陶しそうに手で払ってくる久我くんがなんとも愛おしい。
それに調子に乗ってつんつんしてたら久我くんと目が合った。あ、起きたんだ。水持ってこなきゃ。
「おい.....、おまえ何してんだ?」
低めの声音でそう言われるや否や、思い切り顔を蹴り飛ばされた。




