その33
遅くなりましてそして短いですが載せました。加筆修正しまくると思いますがよろしくです。
今まで生きてきた中で、ここまで思い切り蹴り飛ばされた事は無かったから、痛さよりも驚きが勝った。みぞおちに入ったのか息が上手くできない。生理とはまた違ったお腹の痛さが新鮮で苦しい。
顔を上げると久我くんはふらふらと立ち上がりおおよそ彼女には向けない目で私を見下ろしてた。
「そんなんは愛じゃねーよ。20歳そこらで愛とか.....、笑わせんなよメスが。」
聞いたことのない低い声音が私の胸にひどく突き刺さる。久我くんがここまで怒ってる所は見たことが無いしなぜ怒ってるのか理解できない自分が情けない。
お腹を抱えてうずくまる私には目もくれず私のカバンを漁る。愛じゃない?私は久我くんのことをこんなにも愛してるのに、これを愛じゃないと言うのならなんなの?わからない、わからないよ。
「俺もう帰るから。タクシー代貰ってくな。」
1万円札を手に取る久我くん。まずい、帰っちゃう。このまま帰らせてしまうと全てが終わる。そう直感した私は必死に体を起こして久我くんに抱きついた。少し幸せ。
「待って久我くん!これが愛じゃなきゃなんなの!?帰っちゃやだ!」
必死に久我くんにしがみついて顔を覗く。少し考える表情になる久我くん。どうやらまだ対話は出来る段階のようだ。
「私はあなたの事が好き!誰よりも好き!結婚だってしたい!久我くんとならどんな困難だって2人で乗り越えていける自信がある!ねぇ、これが愛じゃなきゃなんなの!」
押せ!押せ!退くことはできない。退くと久我くんはどこかにいっちゃう。私には押すことしかできない。
そんな必死な私の手を優しく振りほどく久我くん。
「俺もわからんけど......。多分そうやって言葉にできる程簡単な物じゃないと思うわ。」
久我くんはポケットからタバコを取り出し火をつけた。ふかした煙が私の鼻を突き刺して少し心が落ち着いてしまった。タバコの煙が空に溶けるのを見ていると不思議かな、ぽろっと感情が漏れる。
「ねぇ.....。私の事好き?」
さっきまでの必死さはどこへ行ったのか間の抜けた声でそんな言葉が出た。知ってはいけない聞いてはいけない、でも知りたい。そんな事を今こんな状態で聞いてしまった。
久我くんは考える素振りもせずただ一言、
「好きではない。嫌いじゃないけど。」
ピシッ、そんな音が私の心で鳴った。何か大切な、サラサラした真っ白な物が心から漏れていく。




